マックス・プランク研究所
マックス・プランク研究所(マックス・プランクけんきゅうしょ)は、マックス・プランク学術振興協会(独: Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e. V.(マックス‐プランク‐ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・ヴィッセンシャフテン・エーファオ)、略称:MPG(エムペーゲー))が運営する、ドイツを代表する学術研究機関の日本語における総称である。MPGが運営する各研究機関は、ドイツ語では「Max-Planck-Institut für ○○」(○○は研究分野)のように名づけられており、日本語では「マックス・プランク○○研究所」と訳している。MPGが運営する研究機関は、2006年5月現在で78に上る。
目次
1 概要
2 研究機関
2.1 生物・医学分野
2.2 化学・物理学・工学分野
2.3 精神科学・社会学・人間科学分野
3 ノーベル賞受賞者
3.1 マックスプランク協会時代(1948年以降)
3.2 カイザーウィルヘルム協会時代 (1914年より1948年まで)
4 脚注
5 関連項目
6 外部リンク
概要
マックス・プランク研究所の研究対象は、下記の3分野に大別される。
- 生物・医学分野
- 化学・物理学・工学分野
- 精神科学・社会学・人間科学分野
年間予算は13億ユーロ。連邦政府及び州政府の公的資金で賄われている。マックス・プランク協会は戦前のカイザー・ヴィルヘルム協会の後継機関であり、高名な物理学者であるマックス・プランクに因んで名付けられた。
前身のカイザー・ヴィルヘルム協会時代には米国亡命する前のアインシュタインがベルリン・カイザー・ヴィルヘルム化学・物理学研究所の所長をつとめていた。
マックス・プランク協会は旧東ドイツのドレスデンに自然科学、生化学関係の基礎研究のための研究所を3つ置いている。資金や人的資源において、大学の枠組を超えた最新かつ将来性のある分野の基礎研究に取り組み、大学での研究を補完する役割を担っている。ドレスデンにある研究所はいずれも最新鋭の施設を備えている。
研究機関
MPIに続く略称を用いることも多く、また、所在地の地名でMax-Planck-Institut Bonnのように呼称することもある。下記の末尾に記述したのがその地名である。
生物・医学分野
マックス・プランク老化生物学研究所(Max-Planck-Institut für Biologie des Alterns: MPI AGE): Köln ケルン
マックス・プランク進化人類学研究所(Max-Planck-Institut für evolutionäre Anthropologie)- マックス・プランク分子細胞生物学・遺伝学研究所(Max-Planck-Institut für molekulare Zellbiologie und Genetik: MPI CBG)
- マックス・プランク認知神経科学研究所(Max-Planck-Institut für Kognitions- und Neurowissenschaften: MPI CBS)
- マックス・プランク精神医学研究所(Max- Planck-Institut für Psychiatrie) - ミュンヘン
化学・物理学・工学分野
マックス・プランク物理学研究所(Max-Planck-Institut für Physik: MPP); Münchenミュンヘン
- マックス・プランク電波天文学研究所(Max-Planck-Institut für Radioastronomie: MPIfR);Bonn ボン
- マックス・プランク天文学研究所(Max-Planck-Institut für Astronomie: MPIA); Heidelberg ハイデルベルク
マックス・プランク地球外物理学研究所(Max-Planck-Institut für Extraterrestrische Physik: MPIfEP);Garching bei München ガーヒング・バイ・ミュンヘン
- マックス・プランク金属研究所(Max-Planck-Institut für Metallforschung)
- マックス・プランク固体化学物理学研究所(Max-Planck-Institut für Chemische Physik fester Stoffe: MPI CPfS)
- マックス・プランク複雑系物理学研究所(Max-Planck-Institut für Physik komplexer System e:MPI PKS)
- マックス・プランク太陽系研究所(Max-Planck-Institut für Sonnensystemforschung: MPS) ; Göttingen ゲッティンゲン[1]
精神科学・社会学・人間科学分野
マックス・プランク知的財産法・競争法・租税法研究所(Max-Planck-Institut für Geistiges Eigentum, Wettbewerbs und Steuerrecht) - ミュンヘン- マックス・プランク集合財研究所(Max-Planck-Institut Gemeinschaftsgüter) - ボン
- マックス・プランク外国私法・国際私法研究所(Max-Planck-Institut für ausländisches und internationales Privatrecht) - ハンブルク
- マックス・プランク欧州法制史研究所(Max-Planck-Institut für europäische Rechtsgeschichte) - フランクフルト・アム・マイン
- マックス・プランク外国社会法・国際社会法研究所(Max-Planck-Institut für ausländisches und internationales Sozialrecht) - ミュンヘン
- マックス・プランク外国刑法・国際刑法研究所(Max-Planck-Institut für ausländisches und internationales Strafrecht) - フライブルク
- マックス・プランク外国公法・国際法研究所(Max-Planck-Institut für ausländisches öffentliches Recht und Völkerrechtt) - ハイデルベルク
マックス・プランク人口研究所(Max Planck Institute for Demographic Research)- ロストク- マックス・プランク心理言語学研究所(Max-Planck-Institut für Psycholinguistik) - オランダ ナイメーヘン
ノーベル賞受賞者
マックスプランク協会時代(1948年以降)
シュテファン・ヘル 化学賞 2014
ゲルハルト・エルトル 化学賞 2007
テオドール・ヘンシュ 物理学賞 2005
クリスティアーネ・ニュスライン=フォルハルト 生理学・医学賞 1995
パウル・クルッツェン 化学賞 1995
エルヴィン・ネーアー 生理学・医学賞 1991
ベルト・ザクマン 生理学・医学賞 1991
ロベルト・フーバー 化学賞 1988
ハルトムート・ミヒェル 化学賞 1988
ヨハン・ダイゼンホーファー 化学賞 1988
エルンスト・ルスカ 物理学賞 1986
クラウス・フォン・クリッツィング 物理学賞 1985
ゲオルク・ケーラー 生理学・医学賞 1984
コンラート・ローレンツ 生理学・医学賞 1973
マンフレート・アイゲン 化学賞 1967
フェオドル・リュネン 生理学・医学賞 1964
カール・ツィーグラー 化学賞 1963
ヴァルター・ボーテ 物理学賞 1954
カイザーウィルヘルム協会時代 (1914年より1948年まで)
オットー・ハーン 化学賞 1944
アドルフ・ブーテナント 化学賞 1939
リヒャルト・クーン 化学賞 1938
ピーター・デバイ 化学賞 1936
ハンス・シュペーマン 生理学・医学賞 1935
ヴェルナー・ハイゼンベルグ 物理学賞 1932
オットー・ワールブルグ 生理学・医学賞 1931
カール・ボッシュ 化学賞 1931
ジェームズ・フランク 物理学賞 1925
オットー・マイヤーホフ 生理学・医学賞 1922
アルベルト・アインシュタイン 物理学賞 1921
マックス・プランク 物理学賞 1918
フリッツ・ハーバー 化学賞 1918
リヒャルト・ヴィルシュテッター 化学賞 1915
マックス・フォン・ラウエ 物理学賞 1914
脚注
^ https://www.mps.mpg.de/kontakt
関連項目
- オットー・ハーン・メダル
- ヨーゼフ・メンゲレ
外部リンク
- Max-Planck-Gesellschaft
図書館にあるマックス・プランク研究所に関係する蔵書一覧 - WorldCatカタログ