幻魔大戦






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幻魔大戦』(げんまたいせん)は、SF作家平井和正と漫画家石森章太郎との共作で『週刊少年マガジン』に連載された漫画。幻魔大戦シリーズの第1作にして原典の作品である。


「幻魔大戦」はまた、作中で描かれる戦いの総称でもある。




目次






  • 1 概要


  • 2 あらすじ


  • 3 主要登場人物


  • 4 単行本


  • 5 関連項目





概要


1967年、『週刊少年マガジン』に平井和正と石森章太郎(いずみ・あすか名義)の共同原作、石森章太郎の作画として連載された。


超能力に目覚めた主人公が、宇宙的規模の敵・幻魔と闘わねばならない運命に直面し、世界中の超能力者を結集するために苦闘する姿が描かれた。しかし連載は、地球に急接近するドクロ模様の月と、その前に立ち尽くすかのように見える超能力者たちを描いた見開きの絵をもって、人類の敗北を暗示して終了する。


打ち切り理由は、「なにがなんだかわからない」という大勢の読者の反応[1]のためという説と、石森章太郎と編集部との軋轢[2]のためという説がある。


なお、『少年マガジン』版の物語終盤にはジョン・ダンの詩『霊魂の進歩』が引用されている。



あらすじ


高校生の東丈は超能力に目覚め、宇宙を無に帰せんとする幻魔と闘わねばならない現実を知る。幻魔に対抗しようと超能力者を結集するが、幻魔の強大な力にはとても及ばなかった。月が地球に急接近する絶望的なシーンで物語の幕は閉じる。



主要登場人物




東丈(あずま じょう)

高校生。出来のいい弟・卓に対するコンプレックスなどから鬱屈した日々を送っていたが、ルーナとベガにより強力な超能力に目覚める。当初は力の強大さに酔いしれていたが、やがて自身の使命に覚醒、幻魔との戦いに身を投じる。

使用できる超能力は当初はサイコキネシスと微弱なテレパシーだけだったが、終盤では高温の熱エネルギーを発する「ノヴァ」、周囲の熱エネルギーを自らの体に取り込む「絶対零度」の超能力も獲得した。

ルーナ

小国トランシルヴァニア王家の王女。プリンセス=ルーナ、ルーナ姫などと呼ばれる。1948年生まれ。強力なテレパシー、予知能力、透視能力、催眠能力の持ち主。旅客機で飛行中に幻魔に抹殺されかかるがフロイに救われ、自身の使命に覚醒する。当初は育ちゆえにワガママで人種差別的なところがあり、丈やサンボと反目することもあったが、やがて真の慈愛に目覚めていく。

『新幻魔大戦』でも呼び名はルーナ。それ以外の幻魔大戦シリーズではルナと呼ばれる。

ベガ

異星のサイボーグ戦士。過去の幻魔との戦闘に敗れて屈辱の眠りについていたが、ルーナのテレパシーにより覚醒、地球で再び幻魔との戦いに挑む。全身に武器を内蔵している。アリエータという恋人がいた。

東三千子(あずま みちこ)

丈の姉。丈を母親代わりに育ててきた。彼女も強力なエスパーであり、幻魔に殺された後も残留思念として丈を見守る。

サンボ


ニューヨークに住む黒人少年。テレポートやテレパシー能力を持ち、幼いながらギャングのボスとして君臨していた。幻魔に襲われて一度は逃げ出したが、戦士の誇りに目覚めて参戦する。

他の幻魔大戦シリーズでは、ソニー・リンクスと呼ばれる。

フロイ

ベガの戦友で、犬のような姿をした異星人。テレパシーでルーナを覚醒させ、さらに子犬の姿の101匹の息子達を地球に送って丈達を助けた。自らも幻魔との戦いのため地球に降り立つ。

他の幻魔大戦シリーズでは、宇宙意識体の呼び名。

レオナード・タイガー

通称ドク・タイガー。興奮すると虎の姿になる特異体質の持ち主。催眠、サイコキネシス、テレポート、四次元空間移動などの強力な能力に目覚め丈達に接触するが、身勝手かつ利己的で平気で人種差別を行い、獲得した超能力を自分の欲望に使うような性格から、早期に丈達と反目した。丈達の超能力者軍団のリーダーになれないと知るや、丈達を人類の反逆者に仕立て上げるなどの妨害や嫌がらせを行ったり、地球を幻魔に売り渡そうとしたりしていたが、最後は幻魔の奴隷にまで落ちぶれた。

他の幻魔大戦シリーズでは、レオナード・タイガーマンと呼ばれる。

トランシルバニアの超能力者達

プリンセス・ルーナが連れてきたトランシルバニアに住む超能力者達。凄まじい生命力の持ち主達で、体をバラバラにされても体の破片に土をかけるだけで再生できる。

ナオミ

エスパーの少女で、丈と同じくサイコキネシスの能力を持つ。シグの攻撃で石化した丈をサイコキネシス・マッサージで元に戻すなど、幼い少女とは思えないほど知識が豊か。実は幻魔のスパイで、丈に心を許したため裏切り者としてシグに瞬殺される。

サメディ

エスパー狩りを命じられ地球に現れた下級幻魔の一人。ニューヨークで警察署長のオライリーに憑依してサンボを捕らえ、巨大なエネルギー・ボールと化して街をパニックに陥れるが、丈やベガの活躍により敗北。その後周囲の人間達を引き寄せて融合させるという残虐行為を行って逃走し、後に東三千子を襲い絶命させるが、合体したゾンビーと共に三千子の能力により相打ちとなる。

他の幻魔大戦シリーズでは、ザメディと呼ばれる。

ゾンビー

サメディの相棒。三千子を襲うが、超能力に目覚めた彼女の逆襲に遭う。

他の幻魔大戦シリーズでは、ザンビと呼ばれる。

シグ

幻魔の地球侵攻の司令官。文明滅亡の悲壮美を好む芸術家を名乗る。丈を追い『幻魔大戦deepトルテック』に再登場する。

幻魔大王

大宇宙の破壊者。暗黒界の支配者。



単行本



  • 秋田書店サンデーコミックス全2巻


関連項目



  • 幻魔大戦 (映画)

  • 幻魔大戦 (小説)







  1. ^ 平井和正『真幻魔大戦』あと書き(「幻魔宇宙」への招待)


  2. ^ 七月鏡一twitter 2016年10月1日閲覧




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