マラリア








































Malaria

Malaria.jpg
マラリア原虫の電子顕微鏡写真

分類および外部参照情報
診療科・
学術分野

感染症

ICD-10

B50-B54

ICD-9-CM

084
OMIM
248310
DiseasesDB
7728
MedlinePlus
000621
eMedicine
med/1385 emerg/305 ped/1357
Patient UK
マラリア



































































































































世界の疾病負荷(WHO, 2004年)[1]
疾患
DALY
(100万)
割合
(%)
1 下気道感染症 94.5 6.2%
2
下痢性疾患
72.8 4.8%
3 大うつ病 65.5 4.3%
4 虚血性心疾患 62.6 4.1%
5
HIV / AIDS
58.5 3.8%
6 脳血管疾患 46.6 3.1%
7
未熟児、低出生体重
44.3 2.9%
8 出生時仮死出生外傷 41.7 2.7%
9 交通事故 41.2 2.7%
10 新生児の感染症など 40.4 2.7%
11 結核 34.2 2.2%
12 マラリア 34.0 2.2%
13 COPD 30.2 2.0%
14 屈折異常 27.7 1.8%
15 成人発症性の難聴
27.4 1.8%
16 先天異常 25.3 1.7%
17 アルコール使用障害 23.7 1.6%
18
他傷による怪我
21.7 1.4%
19 糖尿病 19.7 1.3%
20
自傷行為怪我
19.6 1.3%

マラリア(麻剌利亜、「悪い空気」という意味の古いイタリア語: mala aria 、ドイツ語: Malaria、英語: malaria)は、熱帯から亜熱帯に広く分布する原虫感染症。高熱や頭痛、吐き気などの症状を呈する。悪性の場合は脳マラリアによる意識障害や腎不全などを起こし死亡する。古典などで出てくる瘧(おこり)とは、大抵このマラリアを指していた。


マラリアは予防可能、治療可能な病気である[2]。全世界ではマラリアに年間2.16億人が感染し、うち44.5万人が死亡している(2016年)[2]




目次






  • 1 症状


    • 1.1 合併症


      • 1.1.1 脳マラリア


      • 1.1.2 黒水熱


      • 1.1.3 その他の合併症






  • 2 原因


  • 3 検査


  • 4 予防


    • 4.1 蚊の防除


    • 4.2 ワクチン


    • 4.3 保健教育




  • 5 治療


  • 6 疫学


    • 6.1 マラリアを保持しないハマダラカ




  • 7 ノーベル賞


  • 8 現代各国(帰属未確定な地域を含む)において


    • 8.1 日本


    • 8.2 ロシア


    • 8.3 南樺太


    • 8.4 カナダ


    • 8.5 韓国


    • 8.6 オランダ


    • 8.7 スウェーデン


    • 8.8 モザンビーク




  • 9 戦争マラリア


  • 10 日本におけるマラリア


    • 10.1


    • 10.2 各地


    • 10.3 日本(沖縄・奄美・小笠原を除く)の戦後マラリア


    • 10.4 現在の日本で土着マラリアが流行していない理由




  • 11 特殊な疾患とマラリア


    • 11.1 鎌状赤血球症


    • 11.2 グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症




  • 12 ヒト以外の動物におけるマラリア


  • 13 マラリアが死因と思われる著名人


  • 14 出典


  • 15 脚注


  • 16 参考文献


  • 17 関連項目


  • 18 外部リンク





症状


マラリアを発症すると、40度近くの激しい高熱に襲われるが、比較的短時間で熱は下がる。しかし、三日熱マラリアの場合48時間おきに、四日熱マラリアの場合72時間おきに、繰り返し激しい高熱に襲われることになる(つまり発熱と発熱の間が二日あるいは三日空く格好となり、三日目、四日目に次の発熱が起きる。これが三日熱、四日熱と呼ばれる所以である)。卵形マラリアは三日熱マラリアとほぼ同じで50時間おきに発熱する。熱帯熱マラリアの場合には周期性は薄い。


熱帯熱マラリア以外で見られる周期性は原虫が赤血球内で発育する時間が関係しており、たとえば三日熱マラリアでは48時間ごとに原虫が血中に出るときに赤血球を破壊するため、それと同時に発熱が起こる。熱帯熱マラリアに周期性がないのは赤血球内での発育の同調性が良くないためである。


いずれの場合も、一旦熱が下がることから油断しやすいが、すぐに治療を始めないとどんどん重篤な状態に陥ってしまう。一般的には、3度目の高熱を発症した時には大変危険な状態にあるといわれている。


放置した場合、熱帯熱マラリア以外は慢性化する。慢性化すると発熱の間隔が延び、血中の原虫は減少する。


三日熱マラリアと卵形マラリアは一部の原虫が肝細胞内で休眠型となり、長期間潜伏する事がある。この原虫は何らかの原因で分裂を再開し、再発の原因となる。四日熱マラリア原虫の成熟体は、血液中に数か月 - 数年間潜伏し発症させることがある[3]



合併症


合併症は一般的に熱帯熱マラリアに起こる。



脳マラリア


原虫に寄生された赤血球の表面に形成された突起(Knob)が、血管内皮に固着し血流を阻害するなどして発症する[4]
脳や他の臓器の毛細血管が多発的に閉塞し、急性腎不全、意識低下、言語のもつれなどの神経症状が起こる。進行すると昏睡状態に陥り、死亡する。



黒水熱


急速な溶血により、ヘモグロビン尿、黄疸などが発症する。



その他の合併症


脾臓肥大と低血糖、肺水腫などが発症する可能性がある。また、妊婦が感染すると妊娠に影響を与え、また原虫が胎児に移行する可能性もある。



原因




マラリア原虫を媒介するハマダラカ




マラリアのライフサイクル


病原体は単細胞生物であるマラリア原虫(Plasmodium spp.)。ハマダラカ(Anopheles spp.)によって媒介される。


マラリア原虫はアピコンプレクサ門 胞子虫綱 コクシジウム目に属する。微細構造および分子系統解析からアルベオラータという系統に属する。ここには他に渦鞭毛藻類が知られ、近年マラリア原虫からも葉緑体の痕跡が発見された。そのため、その全てが寄生生物であるアピコンプレクサ類も祖先は渦鞭毛藻類と同じ光合成生物であったと考えられている。ヒトの病原体となるものはながらく熱帯熱マラリア原虫(P. falciparum)、三日熱マラリア原虫(P. vivax)、四日熱マラリア原虫(P. malariae)、卵形マラリア原虫(P. ovale)の4種類であったが、近年サルマラリア原虫(P. knowlesi)が5種目として大きな注目を集めている。サルマラリアは顕微鏡検査では P. vivaxと区別が難しいため従来ほとんど報告例はなかったが、近年の検査技術の発達によりPCRで確実な判断ができるようになったため、多数症例が報告されるようになった。マレーシア・サラワク州では今日のマラリア症例の70%がサルマラリアによるものであることも報告されている[5]。タイでも報告例がでてきた[6]。熱帯熱マラリア原虫によるマラリアは症状が重いことで知られるが、サルマラリアは24時間以下の周期で急激に原虫が増加し、他のマラリアとことなりほぼすべての赤血球に侵入するため症状は重篤になることが多く[7]、これらの発見から当該地域でのマラリアコントロールは新たな手法による対応を迫られている。


マラリア原虫は寄生した脊椎動物で無性生殖を、終宿主である昆虫(蚊)で有性生殖を行う。したがって、ヒトは終宿主ではなく中間宿主である。ハマダラカで有性生殖を行なって増殖した原虫は、スポロゾイト(胞子が殻の中で分裂して外に出たもの)として唾液腺に集まる性質を持つ。このため、この蚊に吸血される際に蚊の唾液と一緒に大量の原虫が体内に送り込まれることになる。血液中に入ると45分程度で肝細胞に取り付く。肝細胞中で1 - 3週間かけて成熟増殖し、分裂小体(メロゾイト)が数千個になった段階で肝細胞を破壊し赤血球に侵入する。赤血球内で 8 - 32個に分裂すると赤血球を破壊して血液中に出る。分裂小体は新たな赤血球に侵入しこのサイクルを繰り返す。



検査




赤血球内に感染している熱帯熱マラリア原虫(P. falciparum)のリング体(スケールは10μm)


ギムザ染色によってマラリア原虫は赤血球内に認められる。



  • 末梢血ギムザ染色 - ただし通常のpH6.5ではなく、ph7.2 - 7.4のリン酸緩衝液を用いたほうが観察しやすい。

  • 迅速診断キット

    • ICT Malaria P.f./P.v.®

    • OptiMAL®



  • PCR-MPH法(岡山大・綿矢ら)

  • 赤血球の溶血にともないハプトグロビン値の低下が見られる。血小板数も低下する。




血液検査



予防




マラリアの流行地域

  クロロキン耐性・多剤耐性あり

  クロロキン耐性あり

  熱帯熱マラリアまたはクロロキン耐性なし

  存在しない



ワクチンが実用化される以前は、マラリアの流行地に行く場合はまず感染を防ぐ為には、蚊に刺されないようにすることが最重要事項だった。殺虫剤や虫除けスプレーなどを使うほか、夜間は蚊帳を用いることも必要である。メフロキン等の抗マラリア薬の予防投与も行われる[8]



蚊の防除





パナマ運河地帯での防除作業(1912年)


一般的に、土着マラリアが流行する地域では、住民は劣悪な住居に住んでいる。
実際、明治34年(1901年)に土着マラリアが流行していた北海道深川村(現在の深川市)では、7 - 8月、屯田兵の兵屋内で、容易に50 - 60匹のハマダラカを捕獲できた。つまり屯田兵の兵屋は、50 - 60匹のハマダラカが屋内に侵入するような劣悪な住居だった。なお、そのハマダラカは、20 - 30匹に1匹の割合でマラリア原虫に感染していた(軍医学校教官陸軍一等軍医ドクトル、都築甚之助・陸軍二等軍医、大町文興調査)。
また、2008年2月半ば、ケニア西部にあるビクトリア湖畔のスバ県の土着マラリアが流行する地域(高地ではない)の伝統的な作りの住居(土壁。6畳ほどの民家に、夫婦2人と子供5人が生活している)に白いシーツを敷き詰め、屋内に殺虫剤を吹きかけると、10分間で、100匹以上のハマダラカの死骸を採取できた(長崎大学ケニアプロジェクト調査)。つまり、この地域の伝統的な作りの住居は100匹以上のハマダラカが屋内に侵入するような劣悪な住居である。


なお、2007年、国立感染症研究所ウイルス第一部部長倉根一朗は、マラリアの流行には、特に住宅構造が関係すること、現在の日本の住宅構造を考えると、毎晩、多数の蚊に刺される可能性はほとんど考えられないこと、今の日本のインフラストラクチャーを考えれば、自然災害などが重なってインフラストラクチャーが崩れるなどの変化が起きない限り、仮に地球温暖化が進んだとしてもマラリアが流行するとは思えないということを主張した[9]



ワクチン


マラリア原虫は遺伝子を変化させ薬剤耐性を獲得し免疫防御を巧妙に回避する方向に進化してきた[10][11]ため、実用的な抗マラリア・ワクチンは長年開発途上にあった[12]。しかし、2013年グラクソ・スミスクライン社により抗マラリア・ワクチン(RTS,S)が販売される見通しとなった旨の報道がされた[13]。このワクチンが実用化された場合、マラリア発症リスクが56%、重症化リスクが47%、それぞれ低減されるとしている[14]


ワクチン開発は、前述のグラクソ・スミスクライン社だけでなく日本の大阪大学微生物病研究所らのグループでも行われている[12][15]



保健教育


マラリア流行地域から帰国してから1 - 2週間後に高熱が発生した場合はマラリアが疑われるため、熱が下がっても安心せず、直ちに病院を受診することが必要である。再発を防ぐため、投薬中止は自分で判断せず、必ず医師の判断を仰ぐ。



治療


マラリア原虫へのワクチンは上述のとおり開発中だが、抗マラリア剤はいくつかある。マラリアの治療薬としてはキニーネが知られている。他にはクロロキン、メフロキン、ファンシダール、プリマキン等がある。いずれも強い副作用が現れることがあり注意が必要。クロロキンは他の薬剤よりは副作用が少ないため、予防薬や治療の際最初に試す薬として使われることが多いが、クロロキンに耐性を示す原虫も存在する。通常は熱帯熱マラリア以外ではクロロキンとプリマキンを投与し、熱帯熱マラリアでは感染したと思われる地域での耐性マラリア多寡に基づいて治療を決定する。近年では、漢方薬を由来としたチンハオス系薬剤(アルテミシニン)が副作用、薬剤耐性が少ないとされ、マラリア治療の第一選択薬として広く使用されるようになった。これによりこれまで制圧が困難であった地域でも大きな成果をあげている一方、アジア、アフリカの一部ではすでに薬剤耐性が報告されるようになってきた。2010年以後、アルテミシニンはグローバルファンドの援助によって東南アジアのマラリア治療薬としてインドネシアの国境付近のような僻地であっても処方されるようになっている。しかし、近年は殺虫剤に耐性を持つハマダラカや、薬剤に耐性のあるマラリア原虫が現れていることが問題になっている。また地球温暖化による亜熱帯域の拡大とともにマラリアの分布域が広がることも指摘されている。流行地で生まれ育ち、度々マラリアに罹患し免疫を獲得したヒトでは、発熱などの症状がほとんど診られないこともあるが、免疫が無ければ発症する。


三重大学の研究グループは、マラリア治療薬の耐性遺伝子特定法を開発した[16]



疫学




2004年の100,000人あたりのマラリアの障害調整生命年(DALY)[17]

   no data

   <10

   10–100

   100–500

   500–1000

   1000–1500

   1500–2000

   2000–2500

   2500–2750

   2750–3000

   3000–3250

   3250–3500

   ≥3500



マラリアの発生、流行は、現在、熱帯、亜熱帯地域の70か国以上に分布している。全世界で年間約2億2000万人の患者が発生し、死者数は年間約45万人に上ると報告されている[2]。もっとも影響が甚大な地域はサハラ砂漠以南のアフリカ諸国である[2]


過去には、日本やヨーロッパなどでもマラリアが流行したと考えられている[18]。イタリアの都市の多くが、丘の上に作られているのは、低湿地がマラリアの多発地帯である事を恐れた結果であったとする指摘がある。実際、過去にはイタリアでもマラリアが存在し、19世紀の政治家・カミッロ・カヴールといった著名人も死去している。しかし、現代では、日本やヨーロッパなどの温帯地域はマラリアの流行地帯ではなく、流行は熱帯地域に多い。



マラリアを保持しないハマダラカ


ハマダラカは、マラリア原虫を媒介する。しかし、ハマダラカが生息していても、土着マラリアが流行していない地域がある。実際、かつて、土着マラリアが流行した西ヨーロッパ、アメリカ合衆国、カナダ南部、北緯64度以南のロシア、日本、南樺太には、今でもハマダラカが生息しているが、土着マラリアは流行していない。



ノーベル賞


マラリアに関する研究に対して与えられたノーベル生理学・医学賞は4件ある。



  1. 1902年、イギリスの内科医ロナルド・ロスに、マラリア原虫がハマダラカによって媒介されることの発見に対して与えられた。

  2. 1907年、フランスの病理学者シャルル・ルイ・アルフォンス・ラヴランに、原虫による疾病の研究に対して与えられた。これは1880年のマラリア原虫の発見と、その後のリーシュマニアおよびトリパノソーマの研究を指す。

  3. 1927年、ウィーンの医師ユリウス・ワーグナー=ヤウレックに、麻痺性痴呆のマラリア療法の発明に対して与えられた。麻痺性痴呆は梅毒の末期症状であるが、梅毒の病原体である梅毒トレポネーマは高熱に弱いため、患者を意図的にマラリアに感染させて高熱を出させ、体内の梅毒トレポネーマの死滅を確認した後キニーネを投与してマラリア原虫を死滅させるという治療法である。当時梅毒の治療法としては他にサルバルサン投与による方法があったが、麻痺性痴呆には効果がなかったため画期的な治療法だった。ただし、この療法は危険度が大きいため抗生物質が普及した現在では行なわれていない。

  4. 2015年、中国の屠呦呦に与えられた。1960年代から1970年代にかけ、屠によるチームが漢方薬のクソニンジンからアルテミシニンを開発したことによる[19]



現代各国(帰属未確定な地域を含む)において



日本


かつて土着マラリアが存在したが、現在では撲滅している。しかし海外から帰国した人が感染した例(いわゆる輸入感染症)が年間100例以上ある。また、熱帯熱マラリアが増加傾向にある。現在第4類感染症に指定されており、診断した医師は7日以内に保健所に届け出る必要がある。詳細は下記を参照のこと。



ロシア


北緯64度以南の地域(北樺太、シベリアを含む)で、三日熱マラリアが流行していた。その大多数は、土着マラリアと思われるが、現在では絶滅している。



南樺太


少なくとも、1922年(大正11年)頃までは三日熱マラリアが流行していた。その大多数は、土着マラリアと思われるが、現在では絶滅している。



カナダ


南部で、マラリアが流行していた。例えば、1820年代のリドー運河建設時には、多数の労働者がマラリアに罹患した。その大多数は、土着マラリアと思われるが、現在では絶滅している。



韓国


一時期根絶に成功したと考えられていたが、1993年に京畿道北部の軍事境界線で三日熱マラリアの感染事例が確認された。北朝鮮側からマラリア感染した蚊が飛来したためと推定されている。当初患者は20 - 25歳の軍人が主だったが、次第に民間人へも広まり、現在では軍人患者とほぼ同数。2007年の全患者数は23413人にのぼっているという[20]



オランダ


オランダ低湿地地帯は19世紀のヨーロッパでもっともマラリアが蔓延している地帯として知られていた。ナポレオン戦争期のイギリスによるワルヘレン上陸作戦では8000名が罹患したことがクラウゼヴィッツ「戦争論」に記されている。



スウェーデン


1880年頃まで毎年4000 - 8000人のマラリア患者が出ていた。その大多数は、土着マラリアと思われるが、現在では、撲滅された。



モザンビーク


2017年、モザンビークではマラリアの流行が深刻化した。2017年1月から3月の間に148万人がマラリアと診断され、288人が死亡している[21]



戦争マラリア



太平洋戦争では南方のジャングルに長期滞在する兵士が多かったため、マラリア患者が続出した。米軍は厳重なマラリア対策を行っていたが、それでも患者は多かった。アメリカ陸軍は、この経験から1946年に蚊の忌避剤としてディートの使用を開始し、後の民生用虫除け剤の開発の契機となった。一方、日本軍はキニーネの支給を行っていたものの、ガダルカナル島の戦いでは1万5000人、インパール作戦では4万人、沖縄戦では石垣島の住民ほぼ全員が罹患し[22]3600人、ルソン島の戦いでは5万人以上がマラリアによって死亡した。


戦況の悪化による補給不足により、栄養失調状態になりながらマラリアにかかる者が多かったため、一度かかるとほとんど助かる見込みはなかった。



日本におけるマラリア


1950年代には撲滅された[23]、沖縄県では米軍統治下の1962年に撲滅。





日本の古文献では、しばしば(おこり)・瘧病(おこりやまい/ぎゃくびょう)と称される疫病が登場するが、今日におけるマラリアであると考えられている。養老律令の医疾令では、典薬寮に瘧の薬を備えておく規定がある。『和名類聚抄』には別名として「和良波夜美(わらわやみ)」「衣夜美(えやみ)」が記載されている(アーサー・ウェイリー訳ではague「マラリア」と訳してある)。前者は童(子供)の病気、後者は疫病の意味であると考えられている。『源氏物語』の「若紫」の巻では光源氏が瘧を病んで加持(かじ)のために北山を訪れ、通りかかった家で密かに恋焦がれる藤壺(23歳)の面影を持つ少女(後の紫の上)を垣間見る設定になっている。近代以前には西日本の低湿地帯において流行がみられた。歌舞伎の『助六由縁江戸』の口上は「いかさまナァ、この五丁町へ脛を踏ん込む野郎めらは、おれが名を聞いておけ。まず第一、瘧が落ちる(熱病が治る)…」である。江戸時代の川柳の題材としてもしばしば用いられていた[24]。 明治以後は沈静化している。



各地



北海道

ほぼ北海道全域で流行し、明治時代以降の北海道開拓に支障を来していた。例えば、1907年(明治40年)3月に着工された網走線鉄道工事の陸別・置戸間(当時、密林地帯で入植者はなかった)では、マラリア、皮膚病などに悩まされ、網走線請負人が共同で普通病院を設置しなければならなかった。また、深川村(現在の深川市)に駐屯していた屯田兵とその家族にマラリアの流行があり、1900年には1471名の屯田兵と家族が感染していた(当時の深川村の屯田兵と家族の総数:8207名。正確な年は不明だが、この頃の深川村の人口:14,073名)。1916年(大正5年)には、北海道全域のマラリア患者数は、2,003名であった(マラリアによる死亡者なし。当時の北海道の人口:1,408,362名)。北海道で流行したマラリアは、三日熱マラリアであり、その大多数は土着マラリアであると思われるが、撲滅された。ただし、今の北海道にも、かつて、日本で熱帯熱マラリアおよび三日熱マラリアを流行させたと推察されているオオツルハマダラカ(Anopheles lesteri)、あるいは、シナハマダラカ(Anopheles sinensis)などのハマダラカは生息している[25][26]

本州


琵琶湖を中心として、福井、石川、愛知、富山でマラリア患者数が多く、福井県では大正時代は毎年9000 - 22000名以上のマラリア患者が発生しており、1930年代でも5000から9000名の患者が報告されていた。本州で流行したマラリアは三日熱マラリアであり、その大多数は土着マラリアであると思われる。

沖縄

特に八重山諸島にはマラリア感染地域があることが知られ、琉球王朝の時代から強制移民と廃村が繰り返された歴史がある。また、第二次世界大戦中には戦争マラリアと呼ばれる大量感染の記録がある。これらも1960年代前半に根絶された。ただし、今の石垣市や西表東部、小浜にも、コガタハマダラカが高密度に生息している。なお、この地方のマラリアについては真の土着ではなく、より古い時代にオランダ船によりもたらされたとの説がある。



日本(沖縄・奄美・小笠原を除く)の戦後マラリア


一般的に、マラリアは戦争時・戦後直後に大流行する傾向がある。実際、第一次世界大戦初期には欧州本土の軍隊間に甚だしいマラリアの流行はなかったが、末期近くになるにつれて漸次蔓延し、戦後には復員と共に従来マラリアをみなかった地方にまでもこれをみる様になり、遂には一時的ではあったが大流行となった。例えば、第一次世界大戦後のチェコスロバキアで熱帯熱マラリアの流行がみられた。したがって、日中戦争 - 第二次世界大戦中の日本においても、ある程度、マラリア対策がなされていた。しかし、1939年以降、全国各府県(北海道を含む)にマラリア患者の発生をみないところはなく、特に、福井県・滋賀県・愛知県・富山県・石川県では、患者の発生数が多かった。
第二次世界大戦後、沖縄・奄美・小笠原以外の日本(当時、沖縄・奄美・小笠原は日本に返還されていなかった。以下、この節では、この日本を内地と称する)に帰還し、内地でマラリアが再発したのは、約43万人(引揚者を含む)と推定されている。これらの者が感染源となって、マラリアが内地で土着蔓延するのではないかと憂慮されていた。三日熱マラリアは、1946年、1947年に、それぞれ約7,000人の内地初感染があったと推定されている。四日熱マラリアは、内地初感染は全くなかった。熱帯熱マラリアは、1946年に、長崎県(36人)、熊本県(1人)、鹿児島県(2人)、岡山県(1人)、愛知県(1人)、大阪府(1人)で、1946年 - 1947年に北海道留辺蘂町(7人)で、1949年に、福岡県(1人)で、内地初感染(流行)があった。以上の流行は、大体、1 - 2年以内に終息し、土着蔓延しなかった。



現在の日本で土着マラリアが流行していない理由


明治時代 - 昭和初期の日本では、全国で土着マラリアが流行し多数の感染者を出した。戦後も500万人を超える復員者による再流行が危惧されたが、1946年の28,200人をピークに減少し、現在では外国でマラリアに感染し、日本に帰国してから発症する例が年間100 - 150例程度あるものの、土着マラリアは流行していない。その理由としては、マラリアの媒介者であるハマダラカの多く発生する水田地帯の環境変化、稲作法の変化などによる発生数の減少や、日本の住宅構造や行動様式の変化[27]により夜間に活動するハマダラカの吸血頻度が低下したことなどがあげられる。しかし、これらの状況が温暖化や自然災害などにより変化した場合は再び流行を起こす可能性もあると指摘されている[28]



特殊な疾患とマラリア



鎌状赤血球症


鎌状赤血球症は、遺伝性の貧血病で、赤血球の形状が鎌状になり酸素運搬機能が低下して起こる貧血症である。主にアフリカ、地中海沿岸、中近東、インド北部で見られる。


11番染色体にあるヘモグロビンβ鎖の第6番目のアミノ酸置換(グルタミン酸がバリン)に変わる遺伝子突然変異が原因であり、常染色体劣性遺伝をする。遺伝子型がホモ接合型の場合、常時発症しているのでたいていは成人前に死亡するが、遺伝子型がヘテロ接合型の場合、低酸素状態でのみ発症するので通常の日常生活は営める。鎌状赤血球遺伝子を持つ者は、日本にはほとんど見られないが、マラリアが比較的多く発症するアフリカにはかなり見られる。これは鎌状赤血球が短時間で溶血してしまうため、マラリア原虫が増殖できず、マラリアの発症を抑えるためである。



グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症


グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症は、酵素の欠損により起こる遺伝子疾患の1つである[29]。赤血球がもろくなることにより溶血性貧血などを引き起こすが、一方で鎌状赤血球症などと同じくマラリア原虫に抵抗性があり、マラリアの蔓延地域では自然選択で有利であるという特徴も持つ[29]。グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ欠損症などとも呼ばれる。グルコース6リン酸脱水素酵素欠損の人は世界で4億人に達すると言われ、人の酵素欠損症としては最多の疾患である[29]。アフリカ人、アジア人、地中海沿岸の人々に多く、特にアフリカ系黒色人種では11%という高い有病率をもつ[30]。これはマラリアに対し、この疾患が高い優位性を持っていることを示している[30]。人間の体は常に活性酸素が発生する。活性酸素は反応性が高いため体に様々な問題を起こすが、それを除去する人間の備えがグルタチオン(GSH)である[29]。グルタチオンは自身が酸化されグルタチオンジスルフィド(GSSG)になることにより、相手を還元し活性酸素を除去する。ただ、そのままではGSHがすべてGSSGになってしまい、還元剤としての作用が止まってしまう。そのため、GSSGを還元し再びGSHを作り出す補酵素NADPHが必要となる。NADPHはペントースリン酸経路中でグルコース-6-リン酸→ホスホグルコノラクトンの間、ホスホグルコノラクトン→リブロース-6-リン酸の間で産生されるが、グルコース-6-リン酸→ホスホグルコノラクトンの反応を起こすには触媒としてグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼが必要である[29]。グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症の患者はグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼが遺伝的に欠損しているために、これ以降の反応が進まず、それによりNADPHが不足し、さらにグルタチオン(GSH)が不足、体に発生する活性酸素が除去できないという病態を生じる[29]。過剰の活性酸素が赤血球の膜を酸化、破壊し、短時間で溶血を引き起こし、マラリア原虫が増殖できないメカニズムによる。


なお、グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症に関連してソラマメ中毒があり、この中毒は、ソラマメに含まれる毒性物質によって起こる食中毒である。ソラマメを食べた後にグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ活性、および血球グルタチオン濃度が低下し、また血液の溶血性が高くなる。これにより発熱、血尿、黄疸が起こり、急性溶血性貧血によって死に至る場合もある。地中海沿岸各地、北アフリカ、中央アジア各地などではよくみられる疾患であるが日本などではあまり報告がない。この発症には遺伝的素因がかかわっており、イタリアなど地中海地域周辺に出自する男性に固有な遺伝子に起因する遺伝病の要素があるともされる。すなわちX染色体上にある酵素のグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子に発症にかかわる変異が存在するために起こるというのである。



ヒト以外の動物におけるマラリア


P. juxtanucleareおよびP. gallinaceumを原因とする鶏マラリア、P. knowlesiP. cynomolgiなどを原因とする猿マラリアが存在する。猿マラリアを引き起こす原虫による実験室内における人体感染の報告がある。鶏マラリアでは発熱、脾腫、貧血、を主徴とし、黄疸や緑色便が認められることもある。また、ヒプノゾイトと呼ばれる肝内休眠原虫を形成し、終生持続し、再発症を起こす場合や持続感染免疫が成立する場合がある。ヒプノゾイトはP. vivaxP. ovaleにおいても認められる。



マラリアが死因と思われる著名人



  • アレクサンドロス3世

  • ゲルマニクス

  • 一休宗純

  • 堀河天皇

  • 平清盛

  • オットー2世 (神聖ローマ皇帝)

  • ファウスト・コッピ

  • ダンテ・アリギエーリ

  • アレクサンデル6世

  • マザー・テレサ

  • オリバー・クロムウェル

  • ツタンカーメン

  • 北白川宮能久親王


  • 谷豊(ハリマオ、盗賊、日本陸軍の諜報員)

  • 川島四郎



出典



  • 感染症の話 マラリア 国立感染症研究所感染症情報センター


脚注





  1. ^ The global burden of disease: 2004 update (Report). 世界保健機関. Part.4 Table 12: Leading causes of burden of disease (DALYs), all ages, 2004. ISBN 9241563710. http://www.who.int/healthinfo/global_burden_disease/2004_report_update/en/. 

  2. ^ abcdFORTH|最新ニュース|2018年|マラリアについて (ファクトシート)


  3. ^ マラリア メルクマニュアル家庭版


  4. ^ 脳性マラリア IASR


  5. ^ Daneshvar, Cyrus; Davis, Timothy M. E.; Cox‐Singh, Janet; Rafa’ee, Mohammad Zakri; Zakaria, Siti Khatijah; Divis, Paul C. S.; Singh, Balbir (2009). “Clinical and Laboratory Features of HumanPlasmodium knowlesiInfection”. Clinical Infectious Diseases 49 (6): 852–860. doi:10.1086/605439. ISSN 1058-4838. PMID 19635025. 


  6. ^ Jongwutiwes S, Putaporntip C, Iwasaki T, Sata T, Kanbara H (2004). “Naturally acquired Plasmodium knowlesi malaria in human, Thailand”. Emerging Infect. Dis. 10 (12): 2211–3. doi:10.3201/eid1012.040293. PMC 3323387. PMID 15663864. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3323387/. 


  7. ^ Cox-Singh J, Davis TM, Lee KS, Shamsul SS, Matusop A, Ratnam S, Rahman HA, Conway DJ, Singh B (2008). “Plasmodium knowlesi malaria in humans is widely distributed and potentially life threatening”. Clin. Infect. Dis. 46 (2): 165–71. doi:10.1086/524888. PMC 2533694. PMID 18171245. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2533694/. 


  8. ^ 中村哲也「熱帯感染症の病態形成 研究集会報告4 メフロキンによるマラリア予防内服に関するアンケート調査」、『長崎大学熱帯医学研究所共同研究報告集』第16巻第109号、2004年、 NAID 110001717198。


  9. ^ “『気候変動と感染症』(ヘルシストニュース2007年7月号)” (日本語). 2008年7月22日閲覧。


  10. ^ 畑生俊光:薬剤耐性マラリアの分布に関する調査研究 北関東医学 Vol.53 (2003) No.3 P327-328


  11. ^ マラリアにおける診断と治療の現況 感染症学雑誌 Vol.76 (2002) No.8 P585-593

  12. ^ abIASR 28-1 マラリアワクチン 国立感染症研究所 感染症情報センター


  13. ^ 英GSK、世界初マラリア・ワクチンの承認申請へ AFPBB News 記事:2013年10月9日 閲覧:2013年10月23日


  14. ^ 世界初のマラリアワクチンまであと一歩、フェーズ3治験で有望な結果 AFPBB News 記事:2011年10月19日 閲覧:2013年10月23日


  15. ^ マラリアワクチンの臨床開発 Drug Delivery System Vol.25 (2010) No.1 P37-45


  16. ^ yomiDr.2012年7月15日閲覧


  17. ^ “The scope and concerns of public health”. Oxford University Press: OUP.COM (2009年3月5日). 2011年5月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年12月3日閲覧。


  18. ^ ヨーロッパにおける民衆の世界の社会史的研究 明治大学人文科学研究所紀要 1997, (42) p.25-46 ISSN 0543-3894


  19. ^ 工藤哲 (2015年10月6日). “ノーベル賞:中国初、自然科学受賞へ 屠氏、マラリア特効薬開発”. 毎日新聞. http://mainichi.jp/shimen/news/20151006ddm007040148000c.html 2015年10月7日閲覧。 


  20. ^ 軍隊病'だったマラリア、一般人に広がる 中央日報2008年4月29日


  21. ^ モザンビークでコレラ流行、1222人感染 AFP(2017年3月15日)2017年3月15日閲覧


  22. ^ 宮良作『沖縄戦の記録 日本軍と戦争マラリア』新日本出版社,2004


  23. ^ 堀井俊宏:日本におけるマラリア研究の発展 (PDF) , .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit}.mw-parser-output .citation q{quotes:"""""""'""'"}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/65/Lock-green.svg/9px-Lock-green.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg/9px-Lock-gray-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/aa/Lock-red-alt-2.svg/9px-Lock-red-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration{color:#555}.mw-parser-output .cs1-subscription span,.mw-parser-output .cs1-registration span{border-bottom:1px dotted;cursor:help}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4c/Wikisource-logo.svg/12px-Wikisource-logo.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output code.cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:inherit;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-visible-error{font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#33aa33;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration,.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-right{padding-right:0.2em}
    NAID 40015469002



  24. ^ 吉川弘文館『国史大辞典』第2巻「瘧」(執筆者:杉田暉道)および小学校『日本歴史大事典』第1巻「瘧」(執筆者:新村拓)


  25. ^ “『平成14年度国立感染症研究所年報』の『昆虫医科学部』の『11.昆虫医科学部 部長 小林睦夫』” (日本語). 2008年1月20日閲覧。


  26. ^ “『国立感染症研究所年報 平成16年版』の『昆虫医科学部』の『11.昆虫医科学部 部長 小林睦夫』の『業績』の『調査・研究』の『II. 衛生昆虫類の生理・生化学・遺伝学的研究』の『(7)日本産ハマダラカ属hyrcanus種群の遺伝子分類と近年の北海道における分布域の推定』” (日本語). 2008年1月20日閲覧。


  27. ^ 井上章一『愛の空間』角川書店、ISBN 4-04-703307-3。


  28. ^ 地球温暖化と感染症〜いま、何がわかっているのか?〜

  29. ^ abcdef『ヴォート 基礎生化学』東京化学同人社発行、ISBN 978-4807907120

  30. ^ ab『ストライヤー 生化学』東京化学同人社発行、ISBN 978-4807905331




参考文献



  • 橋本雅一『世界史の中のマラリア--一微生物学者の視点から』藤原書店。ISBN 4-938661-21-7

  • 石井敏雄『獣医寄生虫学・寄生虫病学(1)総論/原虫』講談社サイティフィク、1998年 ISBN 4-06-153715-6


  • 鉄道院北海道建設事務所 『網走線建設概要』 鉄道院北海道建設事務所、1912年。NDLJP:949825。(『陸別町史 交通・観光』の『交通』の『鉄道(網走線の敷設)』からの孫引き)

  • 『各地方ニ於ケル「マラリア」ニ関スル概況』 内務省衛生局保健衛生調査室、1919年。NDLJP:985144。


  • 都築甚之助、大町文興 『我邦ニ於ケル麻刺里亜蚊伝搬ノ証明』 都築甚之助、1901年。NDLJP:835439。p.17の『第三表(自明治28年至同34年)屯田歩兵第一大隊麻刺里亜患者表』

  • 台湾軍軍医部 『熱帯衛生並に熱帯病提要』 台湾軍軍医部、1922年。NDLJP:934849。


  • 緒方富雄ほか編 『医学の動向 第22集 : 地方病研究の動向』金原出版、1958年、141頁。

  • 「輸入マラリアの危機管理体制を、世界的規模で有病地が拡大」『八重山毎日新聞』2007年(平成19年)9月1日社説

  • 「広さ6畳、10分で蚊100匹」『朝日新聞東京版夕刊』2008年(平成20年)3月10日

  • 『沖縄 20世紀の光芒』(2000) 「苦闘400年 マラリアを克服した八重山」琉球新報社、那覇



関連項目



  • 梅毒


  • 戦争マラリア - 第二次世界大戦中に沖縄県(特に八重山諸島)で発生した集団罹患

  • マラリア原虫

  • 鶏マラリア

  • 抗マラリア剤

  • マラリアの歴史


  • World Community Grid:多重薬剤耐性マラリアの治療薬探索のための分散コンピューティング

  • 熱帯医学

  • 輸入感染症



外部リンク




  • Malaria, Fact sheets(英語) - 世界保健機関

    • Malaria(英語) - WHO Regional Office for South-East Asia



  • Malaria(英語) - アメリカ疾病予防管理センター


  • マラリア予防 Poket Guide 2017 (PDF, 4.9MB) - 国立国際医療研究センター


  • マラリア MSDマニュアル プロフェッショナル版


  • 輸入感染症各論マラリア - 東京大学医科学研究所

  • 鈴木守、相川正道、日本におけるマラリア研究史 (PDF) 日本における寄生虫学の研究 第6巻, 1999

  • 「赤血球はマラリア原虫の侵入に抵抗できるか」 『膜』 2006年 31巻 5号 p.253-257, doi:10.5360/membrane.31.253








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