サスペンダー
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サスペンダー (suspenders) とは、日本語でズボン吊りと呼ばれるズボンを固定するベルトのことである。
目次
1 概要
2 サスペンダーの釦の数と位置
3 サスペンダーの釦の取り付け位置
4 サスペンダーの着こなしについて
5 脚注
6 関連項目
概要
「吊りバンド」と呼ぶ人もいる。通常エラスチックゴム(または人造皮革や皮革)製の一対のベルトを肩にかけ、ベルト先端のボタン、またはクリップ、O型やD型のリング、組み紐で固定して、ズボンを吊り下げたような形態となる。伝統的には男性のズボンはベルトではなくサスペンダーで吊るのが正装とされている。
正装以外にも作業服やジーンズ(サスペンダー用のボタンが存在した)にも取り付けられていた。
また、ベルトと比較して腹部を締め付けないため、ウェストの大きい肥満体型の人であっても負担が少ないとされる。もともとは単独のパーツとして用いられていたが、その後ズボンやスカートに最初から作り付けになった。サスペンダー・パンツ(吊りズボン)やサスペンダー・スカート(吊りスカート)、オーバーオールも広く用いられるようになり、男性のみではなく、女性にも用いられるようになった。最近では実用性のみにかかわらず、さまざまなデザインのものがファッション性を重視する衣装に多く用いられている。
なお「サスペンダー」と言う言葉はアメリカ英語であり、イギリスではサスペンダーのことを「ブレイシーズ」(braces)という。イギリスで「サスペンダー」というと「ガーター」やアームバンドのことを指す場合もあるので注意が必要である。
クリップ式(金具式)と釦止め式がある。H型・X型・Y型・ショルダーホルスター型があるが、H型・X型・ショルダーホルスター型の方がクリップやボタンを挟むところが多いため、やや丈夫とされている。
18世紀は背中がH型、18世紀の終わり頃にX型、19世紀の中頃にY型と変化を遂げていった。ショルダーホルスター型の風変わりな物もある。
礼装に用いるものはビジネスやタキシード、弔事なら無地の黒、慶事のディレクターズスーツ、モーニングコートには白黒の縞柄、燕尾服には無地の白となっている(格下の礼服に白や白黒の縞柄を用いてもよい)。
サスペンダーは一般にはバンドは黒や茶色、金具は銀や金、黒だが、金具だけの色違いやバンドの花柄などの柄物も存在する。ワイシャツやネクタイの色に合わせて着用する人もいる。
サスペンダー単体で用いる人が多いが、サスペンダー専用の股上が深いズボン以外には股上が浅いズボンが多いので、ベルトで腰を締め付け、サスペンダーでズボンの折り目を綺麗に見せたり、ズボンを上げて履く事ができる利点がある為、嘗てはベルトと併用する人も見られた。[1]。
ペリー・サスペンダー[1]というベルトと併用して着用するサスペンダーが存在する。
クリップ式は一つずつ取り付けることが多い(ボタンのように2つで1組の場合もある)が釦型は2つで1組なので二倍にスラックスに取り付けることが出来る。纏めると以下の通り
サスペンダーの釦の数と位置
- H型(背中で交差したもの)
- 釦は8本
- クリップは4本
- 前後に2本ずつ
- X型(背中で交差したもの)
- 釦は8本
- クリップは4本
- 前後に2本ずつ
- ショルダーホルスター型
- 釦は8本
- クリップは4本
- 後に2本、左右に1本ずつ
- Y型(V型)(一本が背中途中から枝分かれしているもの)
- 釦は6本
- クリップは3本
- 前に2本、後に1本
サスペンダーの釦の取り付け位置
- 前後を内側
- 前後を外側
- 前は内側、後は外側
釦留め式は前後をスラックスの内側に付けるもの、前後を外側に付けるもの、前は内側、後は外側に付ける物の3種類がある。釦を前は内側、後は外側に付けるタイプはサスペンダーを見えにくく身体を動きやすくし、後側は椅子に腰掛けたときに背中に当たって痛くならないための配慮だった(後側を内側にする場合は釦を真っ直ぐで無く斜めに取り付ける必要がある)
ボタンはスラックスの折り目(クリース)に沿って取り付けると動きやすくなる。Y型の場合は後ろはスラックスの真ん中に取り付ける。
サスペンダーの着こなしについて
サスペンダーはきつく留めていると肩が凝ったり肩から外れやすい事があるため、ややゆったりと金具をサスペンダーをつけて、「多少ズボンが上下に動く余地」があるのを選んだ方がよい。「股上を1.5cmから2cmほど長くした深いズボンを選ぶ」や、「やや幅の広いサスペンダー」や「背の部分の長さも変えられる」サスペンダーを選ぶことも大事である。サスペンダーは2又に分かれる部分が肩に近ければ、それだけ外れることも少なくなる。
脚注
^ 社会福祉法人東京ヘレン・ケラー協会
関連項目
- ベルト (服飾)
- 礼服
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