ケンガンアシュラ
ケンガンアシュラ | |
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ジャンル | 格闘 |
漫画 | |
原作・原案など | サンドロビッチ・ヤバ子 |
作画 | だろめおん |
出版社 | 小学館 |
掲載サイト | 裏サンデー マンガワン |
レーベル | 裏少年サンデーコミックス2012年4月18日 |
発表期間 | 2012年4月18日 - 2018年8月9日 |
巻数 | 既刊26巻(2018年10月19日現在) |
話数 | 全236話 |
その他 | 外伝作品『ケンガンアシュラ0』全1巻 |
アニメ | |
原作 | サンドロビッチ・ヤバ子 だろめおん |
監督 | 岸誠二 |
シリーズ構成 | 上江洲誠 |
キャラクターデザイン | 森田和明 |
音楽 | 高梨康治 |
アニメーション制作 | LARX ENTERTAINMENT |
配信サイト | Netflix |
配信期間 | 2019年 - |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画・アニメ |
ポータル | 漫画・アニメ |
『ケンガンアシュラ』は、原作サンドロビッチ・ヤバ子、作画だろめおんによる日本の漫画作品。2012年4月18日から『裏サンデー』(小学館)で連載。2014年12月より小学館のコミックアプリ、マンガワンでも連載されることとなった。原作者のWeb漫画『求道の拳』第一部の7-8年以上後という設定で、同じく連載中の『ダンベル何キロ持てる?』とも世界を共有しており、超日本プロレスや皇桜学園は両作に登場し一部の登場人物は回想中などで登場する。
第一部が2012年4月18日から2015年6月25日まで、第二部は2015年10月15日から2018年8月9日まで連載され、2019年冬から新章開始予定。外伝として闘技者たちの過去を描いた『ケンガンアシュラ0(ZERO)』が第二部の前に約2か月間短期連載され、2016年1月に通常版とドラマCD付き特別版が同時発売されている。
2014年8月には『ストリートファイター』とのコラボレーション漫画が『週刊少年サンデー』(同社刊)本誌36・37合併号と38号において前後編で掲載され、それぞれ9巻・10巻に収録された。
2017年12月7日にアニメ化が発表され、2019年にNetflixにて全世界独占配信予定。
目次
1 あらすじ
2 登場人物
2.1 山下商事
2.2 乃木グループ
2.3 SH(すごく冷えてる)冷凍
2.4 義武不動産
2.5 (株)湖山マート
2.6 (株)ガンダイ
2.7 皇桜学園グループ
2.8 大日本銀行
2.8.1 護衛者
2.8.2 殲滅部隊
2.9 十王通信
2.10 ベルシイ石油
2.11 アンダーマウント社
2.12 ゴールドプレジャーグループ
2.13 岩美重工
2.14 義伊國屋書店
2.15 西品治警備保障
2.16 ボスバーガー
2.17 若桜生命
2.18 NENTENDO
2.19 セントリー
2.20 ペナソニック
2.21 古海製薬
2.22 ユナイテッドクロージング
2.23 マーダーミュージック
2.24 東洋電力
2.25 海一証券
2.26 禍谷園
2.27 夜明けの村
2.28 あじろ水産
2.29 栃木ディスティニーランド
2.30 モーターヘッドモータース
2.31 白夜新聞
2.32 帝都大学
2.33 八頭貿易(株)
2.34 ムジテレビ
2.35 呉一族
2.36 レフェリー
2.37 その他
2.38 ケンガンアシュラ0(ZERO)
3 用語
4 書誌情報
5 Webアニメ
5.1 スタッフ
6 脚注
6.1 注釈
6.2 出典
7 外部リンク
あらすじ
企業、商人たちが巨額の利益を賭け、雇った闘技者によって素手による格闘仕合を行い、勝ったほうが全てを得るという拳願仕合。商人たちの争いを収める手段として、江戸中期に発祥したと言われているそれは現代にまで継承されており、今、己の最強を証明せんとする謎の闘技者、十鬼蛇王馬が拳願仕合の舞台に足を踏み入れようとしていた。その内に野望を秘めたる乃木グループ会長、乃木英樹がその男と出会ったとき、拳願仕合にて大きな渦が巻き起ころうとしていた。
- 第一部(1 - 14巻)
- 乃木出版の社員である山下和夫はある日突然乃木秀樹から呼び出され、拳願会の存在を告げられ十鬼蛇王馬の世話役に任命される。突如として巻き込まれた非日常に右往左往するうちに関林戦での勝利により次期拳願会長を決定する「拳願絶命トーナメント」が開催されることとなり、乃木グループ正闘技者の座を下ろされた王馬とともに「山下商事」の社長として拳願会員となってしまった自分もトーナメントに参加することになってしまう。
- 第二部(15巻-)
- 拳願絶命トーナメント1回戦が終了した2日後、企業同士の様々な思惑が絡み合いながら2回戦が始まった。
登場人物
一つしかないものは基本的にドラマCD版を指す。
山下商事
拳願絶命トーナメント参加権を獲得するために急遽設立された企業であるため、業種も社名も乃木が適当に決めたもの。創業から短期間で拳願会の中枢に食い込んだことからほかの拳願会員や各国の首脳部より注目されるが、所属している当人たちにその自覚はない。企業序列ランク外。トーナメント終了後、正式に「株式会社 山下商事」として起業する。
- 十鬼蛇 王馬(ときた おうま)
- 声-前野智昭(ドラマCD) / 鈴木達央(Webアニメ)[1]
- 身長=182センチメートル
- 体重=85キログラム
- 拳願仕合戦績3勝0敗
- 企業獲得資産154億1400万円
- 年齢=
- 誕生日=本人は5月2日と言っているが、実際は不明。
- 特技=自給自足
- 嫌いな食べもの=トマト
- 本作の主人公。通称『阿修羅』。山下商事闘技者で、元乃木グループ闘技者だが、出自、流儀も一切不明。ウエーブの掛かった頭髪と獣のような目がトレードマークのイケメン。古代のギリシャ像のような、美の観点から見ても最高レベルの肉体を有している。性格は傲岸不遜で、自分より強い存在がいることを許せず、己の最強を信じて疑わない。人の名前をカタカナフルネームで呼ぶ癖がある。なぜか廃墟に住んでおり、イノシシなどの野生動物を仕留めたり、ゴミの埋立地から使えるものを拾ったりして生活している。そのため、あまり社会常識はなく水着や国家予算といった知識はないが、上納金などVシネ由来の偏った知識などは持っている。
- 十鬼蛇区とよばれる無法地帯に赤ん坊のころ捨てられ、12歳のころ二虎に拾われた。出会った場所が「十鬼蛇」と「七王馬」の境界だったことから「十鬼蛇 王馬」の名を与えられる。二虎から武術を教えられて育ち、4年ほどの間に奥義を含めたすべての技を習得したがある時彼は決闘に敗北して死亡してしまい、以来10年間仇を倒すためだけに鍛錬を続けていた。師が命を落とす前に「憑神」で暴走したのを止めるため、「絶氣」で背骨の一部を歪めることで肉体に「枷」がはめられて実力が完全に発揮できずにいたが、成長とともに徐々に綻びが生じ、トーナメント前の桐生との邂逅で完全に「開錠」される。
- 使用武術は一代で途絶えたと言われていた謎の武術「二虎流」で、一部では「二虎流を継ぐ者」「 虎の器」とも呼ばれている。戦闘スタイルは特に型などは感じさせないが、スピードタイプ寄りのオールラウンダー型ファイターで突き、蹴りともにバランスの良いキックボクシング風の構えを取り、単純な殴り合いでもほかの闘技者を圧倒するパワーとスピード、そしてテクニックを誇る。並外れた動体視力を活かす、操流ノ型「柳」を得意とする。聴覚も優れており、蕪木戦で身につけたカクテルパーティー効果で相手の動作音にだけ集中する技術により、視力を失った状態でも高速で飛来する物質を回避・迎撃できる。幼少期からナイフなどの扱いのも長けていたが、武術を学び始めてからは使用していない。ただし、トーナメント2回戦まではあくまで二虎から「借りている」という感覚で武術を使っており、しばしば「アンタの二虎流」と口にしていた。また、エンジンのような音と共に、体色を赤く変化させた獣じみた状態となり、スピードを急上昇させる謎の技も持っている(本人は「前借り」と呼んでいる)。さらにあえて体力を限界まで使い切り、ハウスキーピングタンパクのみで体を淀みなく動かすという技術を、奥義伝授の際の極限状態の中で習得している。
- トーナメント1回戦では因幡良と対戦、序盤はトリッキーな戦法に翻弄されたが最終的には「前借り」を使い圧勝する。仕合終了後から、夢のみならず現実でも二虎の幻覚を見るようになり、その際に今の自分が実力を出し切れていないことと二虎と修行していたころの記憶の一部が失われていたことを知る(後にこれらの力の枷以外の症状はすべて「前借り」による副作用であることが判明する)。トーナメント1日目終了後、二虎の幻覚に勧められるまま精神を統一した結果、自らも理由はよくわかっていないがアギトに匹敵するレベルまで体のキレが増すが、急激な力の上昇を上手く制御できずにいる。2回戦では雷庵と対戦。上昇した力も呉一族の身体能力の前には通じず、「前借り」を発動しても「外し」た雷庵に決定打を与えることができないまま体の崩壊が始まり「前借り」が解けてしまうが、幻覚の二虎との対話で自分自身の二虎流を見つけだし、わずかな勝機を逃さず満身創痍で勝利をつかむ。しかしダメージはあまりにも深刻で、英の治療により一命をとりとめたものの仕合後すぐに意識を失い3日目が終わるころになってもまだ目を覚まさなかった。クーデター開始後しばらくして眠りから目覚め直後に憑神を使う守護者を一蹴するも、残り3戦戦い抜けるかすら危うい状態は続いており、呉一族秘伝の治療法の数々を受けることでなんとか戦えるまでには復調する。記憶の回復とともに精神的な危うさも消える。自身の命を案じる和夫から棄権するよう必死の説得を受けるも、次の機会がないと自覚したことからワガママを通させてほしいと頼み、彼に礼を述べて3回戦に臨む。3回戦では互いに満身創痍のままコスモと対戦。壮絶な組み技合戦の末にあえて体力を使い尽くすことで死の間際でさらなる戦闘力を発揮する。覚悟を決めたコスモによって右手の小指を折られたが、相手の先読みとゾーンを逆に利用して絞め落とし、健闘をたたえて準決勝へ進出する。しかし準決勝直前に山下が桐生に連れ去られたことを知り彼の暴走を止めるために交戦、決して軽くはないダメージを負いながらも二虎流の技だけで撃破する。準決勝では若槻と対戦。決して軽くないダメージを負っていたことやどちらが勝利しても会長に推薦されるのが乃木であることから八百長で負けることを提案されたが、それを拒否して出場する。仕合本番では圧倒的なパワーと油断のない猛攻に苦しめられ、切り札の「鬼鏖」も不発に終わり窮地に追い込まれる。しかし山下の声援で奮起し2度目の「鬼鏖」を成功させ、これが決め手となり決勝へと進む。決勝では黒木と対戦。格上の相手に対し、前借りと二虎流を組み合わせた自分だけの武を完成させ、万全とは言えない状態ながらも戦いを成立させるも、出血で前借りを維持できなくなり、徐々に追い詰められていく。リスクを覚悟で前借りと鬼鏖を同時に使うがあと一歩で届かず、滅堂のメディカルチームによる治療で一度は目を覚ましたものの、すでに肉体は限界を超えており、二虎の幻覚と最後に会話してから静かに長い眠りについた。
- モデルは仮面ライダーカブトの主人公・天道総司[2]。
- 使用武術・二虎流
- 王馬の用いる謎の武術。その正体は臥王鵡角が考案した、古流柔術「臥王流」を源流とし、その中で現代においては不要な様式を切り捨てて新たな技術を加え、怪腕流の下地が技術の編纂に協力したことで産み出された武術である。世間では十鬼蛇二虎が創設し、一代で途絶えたとされている。身体などの力の操作を行う「操流ノ型」、歩法・走法が中心の「火天ノ型」、肉体硬化と打撃技に特化した「金剛ノ型」、肉体軟化と関節技に特化した「水天ノ型」という大きく四つの系統と番外扱いの「無ノ型」に分かれ、さらに4系統の技には「極(キワミ)」という単に強力なだけでなくどのような状況でも最後まで使える奥の手がある。二つの系統を複合した技も存在するほか、二虎の発言ではこの四つの系統を極めて初めて習得可能になる「奥義」も存在するという。無手の武術であり、銃火器などで武装した相手を素手で制するための技も存在する。王馬は操流ノ型と火天ノ型を得意としており、逆に金剛ノ型と水天ノ型を苦手としている。特に操流ノ型に関してはトーナメント最終戦の時点で全盛期の二虎を超えたとされる。さらに、憑神の出力を抑えつつ二虎流の技を制限なく使うという「2つの二虎流」を我が物としている。
- 主な技
- 操流ノ型「柳(ヤナギ)」
- 相手の力の流れを見極め、タイミングを見計らってほんの少しだけその力に加重し、力の流れを乱して暴走させ、力の潮流を己の支配下に置き相手の攻撃を逸らす柔の技。うまく使うには力の流れを見切るだけの優れた動体視力が必要。集団戦では敵の攻撃を逸らし、別の敵と同士討ちさせることも可能。ただし、強靭な体幹を持つ相手に使用した場合には十分に体勢を崩し切れないことがあり、あくまで「崩し技」なので投げに利用しても攻撃力は低い。
- 操流ノ型「絡み(がらみ)」
- 力の進行方向を変えるカウンター技。相手の攻撃を受け止めるようにして使い、打撃の力をそのまま返し関節を破壊する。
- 操流ノ型「流刃(リュウジン)」
- 側面から力を加え、打撃の軌道をずらす操流守の型。理論上は銃弾をも防ぐことが可能であり、銃弾の入射角を見極め、手の甲の骨で銃弾の方向を変える。王馬は音速で振るわれる鞭の先端を切断してみせた。
- 操流ノ型「絶氣(ゼッキ)」
- 相手の胸の中央部を掌で強打し神経を破壊する技。背骨の一部を歪めて自律神経を抑制する応用法もあり、神経異常による幻覚や幻聴を治療することも可能。
- 操流ノ型・極「傀儡(クグツ)」
- 操流ノ型における「極」(奥の手)。体内の力の流れを「操流」で増減、必要最小限の力で体を動かす技。
- 金剛ノ型「不壊(フエ)」
- 攻撃のインパクトの瞬間に当たる部位の筋肉を締め、あらゆる攻撃に耐える剛の技。極めればコンクリート片を投げつけられてもビクともせず、ナイフすら刺さらなくなり、「羅刹掌」の螺旋エネルギーすら防ぐことができる。衝撃の際に地面に根を張るイメージをすることで、少々体格の勝る相手からの打撃にも力負けしなくなる。基本的には受け身などでも使える防御の型だが、肉を締めたまま相手を迎え撃つことにより攻めに転じることも可能。王馬自身は「ダサいから」「性に合わない」という理由で、あまりこの技を使いたがらない。ただし固められるのは筋肉だけなので頭部のように筋肉の少ない場所は防御できず、長時間使い続けることもできない。また繊細な動きが必要な「操流ノ型」とは複合できない。
- 金剛ノ型「鉄砕(テッサイ)」
- 不壊の要領で拳を固め攻撃する技。一見すると単なるパンチ技だが、その威力は手に何か握り込んでいるかと錯覚させるほど。元々骨を砕くだけの威力はあったが、「無」で重心などを調整した結果、岩壁に自身の身長を超えるクレーターを穿つほどの破壊力を出せるようになった。
- 金剛ノ型「鉄指(テッシ)」
- 筋肉で指関節を固定し急所を突く技。相手の骨を握り砕く、指で刃物を挟みへし折るという応用も可能。また指を骨折した際に拳を固める場合にも使用できる。
- 金剛ノ型「鉄砕・蹴」
- 蹴り技。
- 金剛ノ型・極「抱骨(ホウコツ)」
- 金剛ノ型における「極」。筋肉をコントロールする技で、適切な応急措置が施されていれば骨が折れていても平然と体を動かすことができる。
- 火天ノ型「火走(ヒバシリ)」
- 焔のごとく揺らめき敵を幻惑する歩法。
- 火天ノ型「烈火(レッカ)」
- 瞬発力を生かして一気に間合いを詰める歩法。直線的ながら目にもとまらぬスピードで移動する。
- 火天ノ型「幽歩」
- 瞬時に死角へ移動し、まるで攻撃をすり抜けたかのように錯覚させる歩法。
- 火天ノ型・極「縮地(シュクチ)」
- 筋肉に頼らず、「骨で立つ」ことを極意とする、仙術「縮地」から名を頂く歩法。重心の移動によって移動するため、通常の動きとは明らかに「間」が異なり、突如として間合いが伸縮したかのように錯覚する。これによりバックステップしたように見せかけて前進し攻撃を行うことなどが可能。
- 火水天ノ型「炎水(エンスイ)」
- 突進した速度を維持したまま急に上体を低くし相手に組み付く技。
- 水天ノ型「水草取り(みなくさとり)」
- 腋と手の甲で絡めるようにして槍などの突き込みを封じる技。
- 水天ノ型「首断(シュダン)」
- 相手の隙をついて背後にまわり、背中合わせになった状態で喉に両手を回して組んだまま体を屈め、頸部を締め上げると同時に海老反りで背骨を極める技。
- 水天ノ型「捻切地蔵(ネジキリジゾウ)」
- 投げ飛ばした相手の腕をとり、肩と肘の関節を極める技。
- 水天ノ型「海月固め」
- 相手の懐に入り、ヘッドロックを逆向きにする要領で上腕部を使って頸部を締める技。状況によってはそのまま投げ技へと繋げる。
- 水天ノ型「水龍脈」
- 組みついた相手の腰を取って投げ、腕で首と脚を上から押さえつけると同時に脛の部分で相手の背を下から押し上げることにより、首と背骨を一度に極める技。本来は技をかけて「即折る」ためのものだが、手加減すれば絞め技としても使うことができる。
- 水天ノ型「双魚之縛(ソウギョノシバリ)」
- 相手の突き手を取って腕ひしぎの要領で抱え込み、逆の手を両足で抑え込んで相手の動きを封じる技。
- 水天ノ型・極「水鏡」
- 水天ノ型における「極」。相手の体を利用して関節技・絞め技をかけるという技で、骨折などで自分自身の腕では絞め・極めをかけられなくなったときでも使うことができる。コスモ戦では相手に投げ技をかけ、掴んだ相手の腕と自身の上腕と肩を使って首を絞めると共に自分自身の体で相手の内臓を圧迫するという形で使用した。さらに場合によっては技を外されないよう関節技で相手の抵抗を封じる。「極」の割に地味で不細工な技なので王馬はあまり好んでいない。
- 無ノ型「空」
- 鳩尾から丹田にかけて意識を集中させる、空手の息吹や中国拳法の内功に類似する呼吸法。腹圧を高め一気に空気を放出することで、精神の統一や体内機能の調整を行う。
- 操流・火天ノ型「不知火(シラヌイ)」
- 頭部へのハイキックの勢いを保ったまま体を回転させ、逆の脚での踏み付けに繋げる技。
- 操流・火天ノ型「畝焔(ウネリホムラ)」
- 最高速度を保ったまま上半身を一気に傾け、急激な方向転換を行う走法。重心の移動を利用することで90°近く進行方向を変えられるが、無理な動きを行うため足への負担が大きい。
- 操流・水天ノ型「水燕」
- 拳を緩く握り、不規則な起動でラッシュを叩き込む技。
- 金剛・火天ノ型「瞬鉄(シュンテツ)」
- 火天ノ型「烈火」のスピードを乗せた状態で金剛ノ型の技を繰り出す技。二虎流で最も速い攻撃だが、攻撃が直線的でタイミングを読まれやすいという弱点がある。この技はカウンターで使用するとき最も高い効果を発揮する。作中には全身を固める「不壊」を使った状態で肘から相手に突進するという「瞬鉄・爆(シュンテツ・バク)」と、拳を固めて殴りかかる「鉄砕」との複合技の「瞬鉄・砕(シュンテツ・サイ)」、「鉄指」で固めた指を使い高速の貫手を放つ「瞬鉄・穿」が登場した。
- 金剛・水天ノ型「鉄砕・廻(テッサイ・カイ)」
- 大外刈りに近い形で相手を投げ飛ばし、その勢いのままに倒れた相手に「鉄砕」の拳を叩き込む技。
- 奥義「鬼鏖(キオウ)」
- ニ虎流の4系統全てを修めることで初めて伝授される技。「鬼をも殺す」ことを意味する四大系統全ての要素を持つ唯一の攻撃で、ニ虎によればこの技は全系統の上位にあるわけではなく中にあるのだという。相手の攻撃をそっくり受け流すことのできるカウンター技。原理としては、操流で力の方向をずらし、水天で脱力した体に威力を素通りさせ、火天でポジショニングを確保、金剛で受け流した威力を自分の力をプラスして敵に返すというもの。操流、水天、火天、金剛と繋げるカウンターを全て鬼鏖と呼び、ありとあらゆる局面で相手の攻撃の種類に応じて形を変える無形の技である。特に重要なのは力を流す方向を決める操流と脱力で威力を流しきるための水天。使い手の瞬発力・決断力・想像力・創造力などの質に直結するため、技の性質を見切ったとしても防ぐことが難しい。
- 習得には「感覚」をひたすら研ぎ澄ます過程が必須であり、そのために死の森として知られる餓鬼ヶ原樹海の内部に篭り、ひたすら組手を重ねることで心身を極限まで追い込むという形で行われる。二虎流のほかの技に比べてはるかに習得難度が高く命懸けの荒業を乗り越える必要があるので、ニ虎も伝授にはあまり乗り気ではなかったほどである。
- 体外離脱
- 睡眠中に行っているイメージトレーニング。現実と同じ環境を作り、対戦相手のイメージと戦闘をすることで戦闘経験を積む。二虎に教わってから14年毎日行っており、1回の睡眠で平均8戦している。ただし、相手の実力を一部しか見ていない場合、仮想敵の強さも不完全なものとなる。
- 憑神
- 意識的に心拍数を高めることで血流を加速させ、発生した熱量を運動能力へ変換しスピードを急上昇させる謎の技。王馬自身もこの技の名を忘れており、記憶を取り戻すまでは「前借り」と呼んでいた。王馬の切り札であり、自身が強者と認めた相手にだけ使用している。心拍が高まることで心音がエンジン音のように鳴り響き、体表の血管が腫脹するためか体色も赤く変化、さらに状態が進行すると白目が呉一族のもののように変化する。
- 急激な速度の増加をもたらすが、動きに精彩が無くなり、二虎流の一部の技が使えなくなる。特に金剛ノ型との相性は最悪で、コントロールできていない状態で使えば、最悪血管が裂けてしまう危険がある。また、体格や身体能力で勝る相手を短時間で蹂躙する場合には非常に有効である反面、巨漢との相性は悪く一時的に互角の戦いを繰り広げられるようになるものの戦闘後には肉体に大きなダメージを負う。さらにこの技の使用時には心臓に平常時の4〜5倍に相当するほどの負荷がかかるため、全身の血管に損傷が生じて吐血や鼻・目からの出血が生じるだけでなく、脳内出血が原因で記憶の喪失や混濁、幻覚、幻聴など重篤な症状があらわれる。これらの症状により使用を重ねると命をすり減らすこととなる諸刃の剣ともいうべき危険な技である。王馬自身も自分の命がそう長くないと理解している模様。また、記憶の混濁によるものか普段以上に好戦的な性格へと変化する。実は出力のコントロールも可能であり、力の上昇率を抑える代わりに体の負担を軽減することもできる。そして最大の欠点として、血液の循環を速めるという性質上、出力に比例して出血量が増加するため、裂傷を負った状態で使い続けると失血死する危険性がある。
- 本来は王馬の師であった方の二虎流の技ではなく、「本物の二虎」を名乗る男から授けられた物だが、王馬は誰に教わった技なのかを思い出せないでいた。開発者によれば呉一族の「外し」に対抗するために考案された技術であるらしく、潜在能力の解放を行う「外し」とは似て非なる物である。また守護者の上位ランカーのうち「蟲」と呼ばれる者達もこの技術を使うことができる。
- 山下 一夫(やました かずお)
- 声-チョー(ドラマCD・Webアニメ[1])
- 身長=167センチメートル
- 体重=65キログラム
- 年齢=56歳
- 誕生日=3月8日
- 好きなもの=格闘技観戦、平穏な暮らし
- 座右の銘=「人間万事 塞翁が馬」
- 乃木グループ傘下の乃木出版の社員。うだつの上がらないサラリーマンであり、妻とは10年前から別居中、長男は引きこもりで同じ家にいながら3年もの間姿を見ておらず、次男は暴走族所属の不良。後に息子は2人とも王馬の活躍がきっかけで更生の道を歩み始めるが、妻は現時点で作中未登場。ちなみにオッサンでありながら、本作の公式ヒロインである。
- 王馬と駒田のストリートファイトを偶然目撃したことからその平凡な人生が狂い始め、その後、突如として乃木グループ会長直々に十鬼蛇王馬の世話係に任命される。王馬の破天荒ぶりに振り回され、今まで培ってきた常識が全く通用しない拳願仕合に圧倒されながらも、本人の意思とは無関係に、拳願仕合の世界へと急速に巻き込まれていく。
- プロレスラーに憧れていたが、ひ弱で幼少期にはガキ大将からもいじめられ、中学で柔道部に入った時に才能の限界を自覚し格闘技の道を完全に諦めた。しかし、己の夢を王馬の姿に重ね、彼の活躍を心から応援していた。
- 王馬の拳願絶命トーナメント出場のために、「山下商事社長」として拳願会会員になるハメになってしまい、会員獲得の非公式仕合への挑戦料、トーナメント出場料と合わせて計51億の借金を背負うことになってしまう。そしていつの間にか借金の担保にすべての個人資産が差し押さえられており、乃木が拳願会会長に就任できなかった場合にはなし崩しで職も家も失う崖っぷちに立たされてしまっている。当初は返済しようもない額の借金に心底慄いていたが、王馬への絶対の信頼もあり、ヤケクソ気味に腹をくくった様子。王馬も山下にはそれなりに心を開いている模様。
- 実は江戸時代に乃木屋の闘技者だったが断絶したとされていた山下一族の末裔。先祖の優れた動体視力の一端を受け継いでおり、拳願絶命トーナメント予選の際は勝ち抜く五人の闘技者を全員的中させ、組み合わせのスロットマシーンでは驚異的な最高得点を叩き出しているという驚異の眼力を見せる。ほかにもトーナメント日程の違和感や阿古谷の戦い方の不自然さに早々に気付くなど鋭い所もあるが、勢いに任せて2800億円相当の賭けをしたり説明されるまでルール変更の真意に気付かなかったりと抜けているところもある。
- 起業から短期間で拳願絶命トーナメントに参加したこともあり、注目を浴びているが本人は気づいていない。
- 2回戦前夜、長男が呉一族を飼いならそうと画策していたことに激怒した恵利央により、UM社との2仕合目で息子の命を賭けた勝負をすることになる。王馬が仕合に勝利した後で自身も万が一呉一族が約束を反故にした場合のために恐怖を押し殺して恵利央に立ち向かう。対峙する前に抹殺指令は解かれていたためその行動は余り意味のあるものとはならなかったが、その時恵利央は姿も才覚も器もまるで違うのに、彼の姿がどこか滅堂と重なって見えたように感じた。しかし王馬が限界を超えても戦い続けているのを見て息子ほどに年の離れた彼に頼り切っていた自分を恥じ、恩人であり友人でもある彼を死なせるわけにはいかない、誰も傷つくところを見たくないとトーナメント棄権を決意、敗退しても長男が借金を肩代わりしてくれると王馬を涙ながらに説得するも「次」の無い彼には棄権を拒否されてしまう。以降は王馬の覚悟を理解したために欠場を止め、乃木からの八百長負けの指示も断る。300年前からの悲願についても教えられ、贖罪しようとする乃木に対して先祖は恨んでいないだろうと告げ、自分の意思で戦おうとする王馬の決着を見届けることを提案する。
- 意外と負けず嫌いで大人げないところがあり、「ひねり飛車のカズちゃん」「長サウナのカズちゃん」などの異名を持っているらしい。割と多芸で、将棋、遠投、水泳、釣り、素潜りなどの特技を持つ。
- トーナメント終了後、王馬の最期を看取り本土へ帰還。その後、34年間勤めた乃木出版を退職し、正式に「株式会社 山下商事」の代表取締役社長として新たなスタートを切る。
- 串田 凛(くしだ りん)
- 身長=148センチメートル
- 体重=45キログラム
- 年齢=24歳
- 誕生日=2月6日
- 好きな異性のタイプ=二重で長身のイケメン
- 拳願絶命トーナメントにあたり、乃木から直々に山下の元へ送られた謎の秘書。「- ッス」という語尾が口癖のフランクそうな美女。乃木から任せられた仕事が「トーナメント水面下で権謀渦巻く企業間の不正から山下を守ること」であるだけはあり、普段見せる顔とは裏腹に相当のキレ者である模様。だが一方でいろいろと重要な情報を山下に説明し忘れていることが多い。顔のパーツが金田末吉とほぼ同じであるが、本人達に自覚はない。実は面食いである。乃木グループ本来の秘書である楓より多くの情報を会長から与えられており、王馬たちグループ傘下の闘技者の動向を密かに監視し調査結果をつぶさに報告している。
- その正体は片原滅堂直属の諜報員。「中」の九蜘出身で、身勝手で後先考えず暴力で全てを解決しようとする死にたがりである同郷の人間を嫌っているが、王馬や氷室は例外として親しく接している。「中」から出てきたばかりの自分に親身になってくれた滅堂に恩義を感じているが、善人すぎて危なっかしい山下を放っておけず、トーナメント後は本来の主人の元を離れ山下の補佐に努めることを決める。
乃木グループ
慶安二年創業。乃木商事を中心とした企業グループ。運送業・出版業などを展開する拳願会最古参企業の1つ。拳願会で2番目に古い「四龍」という派閥の1社。主人公たちの属する企業であり、物語の中心を担う。企業序列第6位。拳願仕合通算成績1857勝453敗。
- 乃木 英樹(のぎ ひでき)
- 声-中田譲治(Webアニメ)[1]
- 身長=177センチメートル
- 体重=72キログラム
- 年齢=61歳
- 誕生日=4月29日
- 好きな葉巻の銘柄=モンテクリストA
- 乃木グループの会長。壮年ながらもカリスマ性を感じさせる男性であり、何らかの大きな野望を秘めており、そのために十鬼蛇王馬を始めとして、優秀な闘技者を何人か擁する。確かな経営手段は持つものの、意外と自由人なところがあり、拳願仕合でトイレに飾るためのコッポの絵画を賭けたり、クラブのお気に入りの女の子とのデート券を賭けたこともある。スピンオフで披露した絵のセンスが独特。
- 拳願絶命トーナメントの発起人であり、彼の代表闘技者が敗北を喫した場合、乃木グループは即時解散するという約定のもとトーナメントに参加している。本来、経営者としては堅実でトーナメントのような大博打を打つようなタイプではないが、先祖代々罪悪感を受け継いできた山下家の子孫の存在を知ってしまったこともあって「先祖の悲願」である拳願会の革新を達成するために優勝を目指している。本当の目的は自身が会長に就任した際に和夫を副会長に就任させることで、山下商事も一度乃木グループの役員として経験を積ませた後で改めて社長として運営してもらうつもりである。
- 絶命トーナメントでは自社含め3枠分を確保した状態で本戦へ進み、うち2枠を残したまま3回戦へ進出する。また自社枠では1回戦でどちらが勝利しても指名権が自分に渡るよう画策した上で仕合に臨んだ。さらに湖山マートとも手を組んで蕪木に加えてハサドをも自身の配下に迎えた上で速水の元へ潜入させておき、彼のクーデターが起きた際には観客席に居ながら事態の収束に一役買った。
- 準決勝では自社の支持者同士が左ブロックで当たることとなり、負傷の度合いが酷い山下商事を八百長で敗退させ、王馬の島外での治療、山下の借金51億円の無償化と乃木グループ役員への登用を条件として提示するが、覚悟を決めていた山下に申し出を断られる。
- 自身が送り込んだ闘技者は優勝することが叶わなかったが、会長指名権を得た鷹風からの推薦で新たな拳願会会長へ就任する。
- 秋山 楓(あきやま かえで)
- 声-内山夕実(Webアニメ)[1]
- 身長=165センチメートル
- 体重=?キログラム
- 年齢=?歳
- 誕生日=7月21日
- 特技=英語、仏語、独語、西語
- 好きなタイプ=包容力があって寡黙な人
- 乃木英樹の秘書を務めるクールで知的な面持ちの美女。拳願仕合についても乃木の秘書として深く知っている様子で、まったくの無知である山下に対し助言やサポートを行う。初見泉のことはあまり信頼していない。年齢と体重は不詳(おそらく王馬とほぼ同年代)で、聞くと怒る。一見冷めた性格のようだが、実は人付き合いが苦手なだけの模様。ちなみに彼氏募集中。最近は王馬のことが気になっており、彼が女性に絡まれていた際には嫉妬心を露わにしていたが自分から積極的に動くことは無い。実はBLにも興味がある。
- 乃木が拳願絶命トーナメントの計画を自分に秘密にしていたことに腹を立てており、トーナメント中は山下商事の面々や4バカと行動を共にしている。
- トーナメントを終え、山下が本格的に「山下商事」を起業した際にはその準備を手伝っている。
- 初見 泉(はつみ せん)
- 身長=178センチメートル
- 体重=80キログラム(トーナメント時84キログラム)
- 拳願仕合戦績39勝15敗
- 企業獲得資産1兆4401億8280万円
- 年齢=41歳
- 誕生日=6月19日
- 嫌いな言葉=努力、根性
- 乃木グループの正闘技者。「初見流合気道」の使い手。通称『浮雲』。軟派で女好きな遊び人風の中年で、秋山楓にも隙あらばちょっかいをかけている。勝敗成績は15敗と実力を疑問視される黒星の数だが、負け仕合の内訳は寝坊が9回、バックレ4回、それとド忘れが2回の計15敗であり、実力よりも素行に問題があり、不真面目を絵に描いたような性格であるため拳願会史上「最強の無責任男」とあだ名される。内面は信頼に足るとは言えないが、実力そのものは超一流で、なおかつ非常に負けず嫌い。驚異的なスピードの持ち主であり、手負いとはいえ前借り状態の王馬の打撃をすべて防いで見せた。「膝の入り抜き」を使い体軸をずらすことなく最小限の動きで攻撃をかわす技能を持ち、死を回避できるギリギリの距離まで打撃を引きつけることによりまるで攻撃がすり抜けているように錯覚させられる。ただしムラが大きく、調子が悪いときにはサボらずに仕合に出たとしても格下相手に苦戦することがあるが、短期間に仕合を繰り返すと調子が上がっていく性質があり、絶好調の時には「何をしでかすか分からない」と評されているように現役トップクラスの闘技者である若槻や関林をも一蹴している[注 1]。
- 乃木が拳願会長に名乗りを上げる計画も承知しており、調整のためにしばらくの間良三の道場や乃木の軽井沢の別荘へ厄介になっていた。拳願絶命トーナメント代表闘技者を選ぶにあたり乃木グループの闘技者に復帰、乃木によって十鬼蛇王馬を差し置いて代表に指名される。
- 奏流院紫音の元カレであり、自身の浮気が原因で別れているものの未だに尻に敷かれている。若いころは海外に武者修行に出ており、その縁で滅堂から5代目の「牙」候補としてスカウトされたことがあるが、1週間ほどで飽きてしまい誘いを断っている。乃木グループの闘技者になったのは若くて美人の秘書(=楓)がいると聞いたため。飄々とした性格が二虎を連想させるため、王馬からは若干の苦手意識を持たれている。
- トーナメント1回戦ではわずかな傷を負ったのみで2回戦に駒を進めるが、乃木が帝都大学と手を組みいざというときには自分に坂東を殺させようとしていたことを知り、不信感を抱く。2回戦では治療を終えた坂東と対戦。関節技が通用しないという点で不利な相手で、自分を確実に殺そうとしてくる坂東への恐怖を押し殺しながら立ち向かう。事前に奥の手について考察していたおかげで間合いを計りつつ必殺の一撃を回避し続け、相手の油断を誘って腕の骨をへし折り最後は投げ技を使って勝利した。3回戦はアギトと対戦。王馬の協力で絶好調の状態で仕合に臨むも相手の進化を見誤る。無意識のうちに受け流しを使うことで瞬殺を避けたものの、高威力の寸勁で追い詰められ先の先を取られて手加減されたハイキックで頭を蹴り飛ばされ意識を失い敗北する。
- 『求道の拳』の登場人物である自称「ネオNINJA」、「日本一の馬鹿息子」こと初見良三とは遠い親戚関係にあるという裏設定がある。分家の出身でありながら一応初見流の次期当主ということになっているが、現当主が元気すぎるためあまりその自覚はない。
- 使用武術・初見流合気道
- 「当身7分で技3分」を旨とする、上芝流合気柔術の技術体系を受け継ぎ初見剛一郎が起こした流派[3]で、打撃の鍛錬も徹底的に行う。
- 主な技
- 叢雲・三連
- 体勢を崩した相手の烏兎・人中・下昆の急所3カ所に連続で当身を放つ技。
- 百会投げ
- 座り込んだ相手の片腕を掴んで引くと同時に同じ側の脚を払い、体を大きく投げ上げて頭頂部から地面にたたきつける技。
- 星落とし
- 片手で相手の顎を、もう片方の手で腰を抑えて投げ、受け身を取らせず後頭部から地面に叩きつける技。
- 本間 清(ほんま きよし)
- 外人傭兵上がりの殺し屋。通称『伯爵』。乃木の依頼で義武を襲撃したが、義武が雇った2名の闘技者の前に敗れる。実はトーナメント直前に拳願会員になっており、仮に初見が敗れた場合「会員同士の私闘を禁じる」ルールを利用して乃木を指名するよう脅迫するための駒だった。
- 山下 一之進(やました いちのしん)
- 江戸時代の拳願会黎明期に乃木の闘技者として拳願仕合に出場していた男。山下家の先祖にあたる人物。『拳眼』の異名を持つ当時最強の闘技者の一角で、超人的な動体視力を武器にあらゆる攻撃を見切っていた。没落武家の出身で乃木屋からの資金援助を受ける代わりに仕合に参加していた。だが長年の無理が祟って手の施しようがないほどに体を壊しており、それでも夢のために戦ったが第1回拳願絶命トーナメントの決勝戦を前に死亡。実家の跡取りだった兄も急死したため、山下家は途絶えたとされていた。
- 乃木屋 英吉(のぎや えいきち)
- 乃木家の先祖で江戸時代の人物。一之進の雇用主。拳願会長の座を狙い「拳願仕合の大革新」を起こそうとしていた。上層部に掛け合って第1回拳願絶命トーナメントを開催させるが、仕合中に闘技者だった山下を死なせてしまう。この一件の罪悪感は子孫にも代々語り継がれていた。
SH(すごく冷えてる)冷凍
乃木グループが最近買収した食品会社。前社長が在庫を放置して夜逃げしたため、正社員は3名。企業序列ランク外。
- 理人 / 中田 一郎(りひと / なかた いちろう)
- 声-金子隼人(Webアニメ)[4]
- 身長=188センチメートル
- 体重=102キログラム
- 拳願仕合戦績5勝1敗
- 企業獲得資産86億650万円
- 年齢=26歳
- 誕生日=7月15日
- 好きな異性のタイプ=外見重視
- SH(すごく冷えてる)冷凍社長兼闘技者。元・義武不動産闘技者。通称『超人』。十鬼蛇王馬の拳願仕合デビュー戦の対戦相手である。王馬より1回り大きな体格で、獰猛な獣を思わせる容姿と性格。知能はあまり高くないようで、特に記憶力に難がある模様。特に流儀はなく、天性の格闘センスと身体能力で戦う。キャリアはまだ浅いが、その型にはまらない戦闘スタイルから期待のホープとして名を馳せている。
- 本名は中田一郎。生まれながらに桁外れのピンチ力(握力の一種で指先のつまむ力)を持つことから「超人」を自称し、「ヒーローは本名を名乗らない」という理由で自身もヒーローネームとして「理人(人間の理を超えた者)」を名乗っている。
- 王馬との戦いで完敗し初の黒星となった後、闘技者をクビになる。時給がいいとの理由で乃木グループ系列の運送屋でアルバイトをしていたが、ある日理人の前に現れた乃木会長の口車に乗せられ、乃木から譲り受けた会社の社長に就任するとともに、拳願仕合会初の社長兼闘技者として返り咲き、拳願絶命トーナメントに出場する。王馬に対してはリベンジを誓う間柄だが、戦闘狂である以外は戦い以外には無頓着で世間慣れしていない王馬と対照的に今時の若者で単純で気のいい男であり、割と仲良く絡んでいる。女好きでもあり、大久保と気が合う模様。大久保、金田、氷室と行動を共にしており、串田からは「4バカ」と呼ばれている。我が強い闘技者たちをまとめて仲良くするなど、社交的で妙なカリスマ性がある。高校時代から沢田と因縁があり、仲は悪いがお互いがお互いを気にかけており、沢田がユリウスの手で足をへし折られたと聞いた時には敵を討つことを誓っていた。ギャンブルの類も好きなようだがセンスがなく、カジノでは身ぐるみを剥がされ、仕合順を決めるためのルーレットでは全9ケタのマシンで226という驚異のスコアをたたき出した(31社中最下位)。実は帝都大学の卒業生であり、入試で名前を書けば合格出来る馬鹿田高校をして前代未聞の馬鹿と言われたにも関わらずに現役合格した経歴を持つ。
- 1回戦では黒木と対戦。仕合中にかろうじてレイザーズ・エッジを当てることができたものの、圧倒的な実力差に仕合時間のほとんど手加減され、手加減をやめた彼のわずか4発の攻撃で敗北した。仕合後は姿を消していたが、自分の実力の低さを痛感して自らに完勝した黒木に弟子入りを志願する。弟子に取ることには拒まれたものの経験の少なさを指摘され、より多くの戦いを見るよう助言を受け、怪腕流の型を看取り稽古するなどして実力を高めようとしている。トーナメント終了後も黒木の元へ押しかけて修行に励んでいる。
- 主な技
- レイザーズ・エッジ(こそぎ落とす十指)
- 小学生時代には既に500円玉を千切れるほど並外れたピンチ力の指先で相手の肉を削り取るという、天性の指の力があってこそできる技。その切れ味はカミソリの如く、腱を狙えば機動力を大幅に削ぎ、動脈を狙われれば大量出血は免れない。また皮膚を攻撃対象にする以上、防御すれば防御した部位の皮膚を切り裂かれることになる。欠点として、切り裂くためには勢いが必要なため、密着する、あるいは手の甲を抑えるなどして距離を殺してしまえばレイザーズエッジは使用できない。しかし拳願絶命トーナメントの予選では弱点を克服しており、密着した状態から相手を切り裂いてみせた。
- 駒田 茂(こまだ しげる)
- 身長=192センチメートル
- 体重=121キログラム
- 拳願仕合戦績4勝0敗
- 年齢=42歳
- 誕生日=8月1日
- 最近はまっていること=日本酒の飲み比べ
- 本作の第一話に登場。通称「仁王の駒田」。元・乃木グループ闘技者で、背中に仁王の彫り物を背負った大男であり、並みのボディビルダーの比ではない程の仏像のような凄まじく発達した筋肉の持ち主。パワーは勿論、その巨体からは想像できない速さも併せ持つ。トップクラスにはおよばないもののそれなりの強豪ではあったが、拳願仕合に出場したい王馬に路地裏で戦いを挑まれ、野仕合を行うことになる。パワーでは圧倒していたが、力の潮流を支配する王馬の技によって腕を破壊された後、滅多打ちにされて敗北、闘技者の座を奪われることになる。
- 闘技者をクビになったあとは、次の就職先も決まらず無職になり、おまけにワカメがトラウマになって眠れない日々を送る。闘技者として返り咲くためにイワン・カラエフと共に修行を行い、驚異的な破壊力を持つ「仁王爆裂掌」を完成させるも、闘技者の座を奪うために襲った相手が関林ジュンであったため、手も足も出ずその場でボロ雑巾にされる。その後、居酒屋でイワンと飲んでいた所、たまたま理人と出会い、理人の誘いでSH冷凍の正社員になり、副社長に就任する。
- トーナメントにも同行中にクーデターに巻き込まれてしまい絶体絶命となったが、拘束を解いた板東に助けられた。
- イワン・カラエフ
- 身長=176センチメートル
- 体重=76キログラム(キックボクシング仕合時は70キログラム)
- 年齢=33歳
- 誕生日=1月6日
- 嫌いな場所=寒い所
- 元・義武不動産闘技者。通称『ロシアの死神』。最近頭角を現し出したロシア人キックボクサーであり、王馬をして良いコンビネーションと感嘆する打撃技術を持ち、最大の武器は「死神の鎌」と呼ばれる膝から先のスナップを効かせた強力なハイキックを得意とする。理人の仕合前に力を計るためのかませとして王馬の元に差し向けられ、一戦を交えることになるが、ハイキックの際に大きく晒すことになる股間を狙われ、一撃で敗北。伏してもなお負けを認めなかったものの、最後は理人によってレイザーズ・エッジで頚動脈を裂かれ止めを刺される。その後は山下一夫に救急車を呼んでもらい一命を取り留めるが、救急車に同乗した一夫からサインを書かされたり写真を求められたり、退院後も闘技者をクビになってロシア語講師で食いつなぐなど散々な生活を送る。
- 仁王の駒田と共に修行に明け暮れ、「冥府のバトルアックス」なる一撃必殺の新技を完成させるが、うっかり襲ってしまった関林ジュンに駒田と共に完膚なきまでに敗れる。その後、駒田と居酒屋で飲んでいたところ、たまたま理人と出会い、理人に誘われSH冷凍の正社員となり、副社長に就任する。当初は自分を殺しかけた理人を恨んでいたが、職を与えてくれたこともあって今では恨みもなくスパーリングに付き合うこともある。作中でも数少ない常識人。『ダンベル何キロ持てる?』の主要登場人物であるジーナ・ボイドの叔父。
- トーナメント同行中にクーデターに巻き込まれてしまうが、拘束を解いた板東に助けられた。
- モデルは『ロシアの速射砲』ことルスラン・カラエフ[5]。
義武不動産
昭和十九年創業。三代目社長・義武武義(よしたけ たけよし)の代で急成長を遂げた新興企業。国内のみならず、海外不動産事業にも注力する。企業序列第22位。拳願仕合通算成績166勝71敗。
- 義武 啓郎(よしたけ よしろう)
- 身長=168センチメートル
- 体重=67キログラム
- 年齢=39歳
- 誕生日=10月29日
- 好きな本=三国志
- 好きなゲーム=マイクタイソン・パンチアウト!!
- 義武不動産の社長。福耳とオネエ口調が特徴的な男で、乃木会長とは犬猿の仲。派閥に属することなく若くして拳願会でも上位の地位を得ていることから非常に有能で、クーデターを画策した速水に対し震えながらも啖呵を着るなどなど気骨もあるが、乃木からは若造と侮られている。新幕の内ビルディング新設施工権に絡む100億の利権を賭け、理人を擁して自信満々に乃木グループとの拳願仕合に臨むが、十鬼蛇王馬の予想以上の実力の前に敗北。腹いせに理人を首にするものの、それ以来業績は右肩下がりとなる。
- 拳願絶命トーナメントの際には呉一族に出場要請を打診したものの、同じく出場を打診したアンダーマウント社のほうが金払いがいいという理由で断られてしまう。
- 山下和夫と絡む機会が多く、拳願絶命トーナメントの仕合順を決める時には余りに無知な彼を哀れに思い色々と拳願会の事情を説明した。和夫のことは割と気に入っているようで、彼が乃木出版を退職する際の迎えにも自らやって来た。
- ほかの企業からの攻撃に備え予選敗退した闘技者をボディーガードとして一時的に雇い襲撃者を撃退したが、結局は乃木の掌で踊らされていた。その後2回戦では腹いせのように雷庵の勝利に大金を賭けたが勝負に負けて大損してしまう。
- 「キン肉マン」の大ファンで好きなキャラはジェロニモ。
- モデルは原作者の地元の友人[6]。
- 千葉 貴之(ちば たかゆき)
- 身長=179センチメートル
- 体重=85キログラム
- 拳願仕合初参戦
- 年齢=37歳
- 誕生日=10月12日
- 好きTV番組=モノマネ番組
- 義武不動産闘技者。 通称『顔のない男(グレートアクター)』。過去には棋士に「成った」こともあるという、裏専門の『役者』の中でも荒事専門の武闘派。その能力は一度見た人間の動きを100%トレースできるというもの。表の世界で有名なガオランや大久保、その他大勢の格闘家の動きをトレースしてみせた。
- トーナメントでは初見泉と対戦。当初、ブラフを駆使して精神的に初見より優位に立ち初撃を加えたものの、合気道の達人である初見に合気道の技で挑むという悪手を取り、技をかけ返されて敗北する。仕合後はすぐに復帰し、クーデター時には鎮圧を行った。
- モデルは千葉真一と真田広之[7]。
- 主な技術
- 演の極み「写し」
- 一度見た人間の「動きと技」を100%トレースする技術。必要な技術のみを再編しつなぎ合わせることも可能。ただし動きをトレース出来てもパワーは千葉のものであり、理人のレイザーズ・エッジや呉一族の外しと言った「身体能力」に依存する技はトレース出来ず、さらに1動作(連携)につきコピーするのに2時間かかるなどの弱点もある。そのため、現状で千葉が使用できるのは48名分の技にとどまっている。
(株)湖山マート
- 蕪木 浩二(かぶらぎ こうじ)
- 身長=170センチメートル
- 体重=92キログラム
- 拳願仕合戦績7勝10敗
- 年齢=45歳
- 誕生日=9月13日
- 好きな食べ物=納豆
- 通称『呪術師(メディスンマン)』。見た目は小太りなくたびれた中年にしか見えず、勝敗数からわかる通りさほど強くもないが、過去に彼と戦った闘技者は勝敗に関わらず全て再起不能になっているという、闘技者殺しの闘技者。湖山マートの正社員でもあり、その店頭売上は5年連続ナンバー1である。
- その正体は暗器使いであり、モスキート音による聴覚の阻害、毒を塗りこんだ手での目潰し、手首に仕込んだ針など、あらゆる反則技を使って相手を潰しにかかる。戦った闘技者の傷から凶器による攻撃ということはすでに割れているが、「審判の厳重なチェックをくぐり抜けての反則は、拳願会の信用に関わる」という理由から、仕合中の凶器の使用はすべてなかったことにされてしまう。
- 西洋絵画・コッポの「薔薇」を賭けた王馬との仕合でも反則技を多用し圧倒するが、カクテルパーティー効果によって音を識別した王馬からの反撃を受け、その凄まじい闘気にたまらずギブアップする。
- 拳願絶命トーナメントそのものには参戦せずに乃木からの依頼で潜水艦を操縦して願流島に潜入、保護したハサドと行動を共にする。トーナメントの裏で東洋電力に始末屋として潜り込んでおり、捕縛した4名の社長を監視していたが、クーデター中本来の役目に戻って守護者を制圧、社長たちを解放した。
- モデルは石川浩司で、名前は同氏の曲「カブラギのおしえ」が由来[8]。
- 湖山大正(こやま たいしょう)
- (株)湖山マートの社長であり、蕪木浩二の雇い主。自身の闘技者に対する信頼は厚く、その反則攻撃にも協力を惜しまない。拳願絶命トーナメントには参加しなかったが、何らかの裏工作を蕪木に指示している。
(株)ガンダイ
昭和二十五年設立。玩具、模型、文具、生活用品などの製造販売を行っている。中でもホビー事業に力を入れており、キーチェーンゲーム「たまご野郎」は爆発的売り上げを記録し、社会現象となった。企業序列13位。拳願仕合通算戦績997勝599敗。
- 関林 ジュン(せきばやし ジュン)
- 声-稲田徹(ドラマCD・Webアニメ[4])
- 身長=196センチメートル
- 体重=141キログラム
- 拳願仕合戦績57勝1敗
- 企業獲得資産5551億1125万円
- 年齢=38歳
- 誕生日=1月15日
- 好きな肉体鍛錬法=ゴッチ式トレーニング
- 通称は表のキャッチコピーでもある『獄天使』。ジュンはリングネームで、本名は「関林純平」。デスマッチから本格プロレスまで何でもこなす「超日本プロレス」の不動のエースであり、表格闘技界でのビックネーム。拳願仕合に参加する闘技者でも、5本の指に入る程の最強クラスの実力者であり、超人的なタフネスとパワーを誇る。いかにも悪役プロレスラーといった恐ろしげな風貌をしているが割と社交的で、ファンの期待を裏切れない男。素の状態では物腰も柔らかく、解説も非常に丁寧。大飯食らいの大酒飲みだが、甘い物も好き。常識人であり、食事マナーの悪いコスモを窘めることもある。料理も得意で世話焼きなので、若槻からは「田舎の婆ちゃんみたいな奴」と評されている。一方でネーミングセンスが悪く、パクりに走りがちなのが欠点。
- プロレス以外のすべての格闘技を下に見ており、ほかの闘技者を「一般人」と称してはばからない。『格闘技者には痛みから逃れる「権利」があるが、プロレスラーには攻撃を受けきる「義務」があるのみ』という持論から、相手の攻撃を一切ガードしない。しかし、それを補って余りある耐久力を持ち、王馬の激しい打撃を受けてもほとんどダメージを受けなかった。体重差が2倍以上の春男にぶつかっても一方的に転ばせ、かつ片手で引っ張って軽々と立たせるという怪力の持ち主。フォームは滅茶苦茶で力任せに放たれる打撃の威力自体は見た目ほど高くないが、相撲の張り手に近いプッシュパンチは非常に重く相手の体勢を簡単に崩し、逆水平チョップは巨漢レスラーを一撃で昏倒させ、蹴りは体格差があったとはいえ王馬をサッカーボールのように軽々吹き飛ばすほどである。得意技はアルゼンチン・バックブリーカーで、ほかにも裏投げや逆水平チョップなど、豪快で渋いプロレス技を使用する。プロレスラーらしくマイクパフォーマンスも得意で、仕合中にも巧みな話術を使う。また闘技者である前にエンターテイナーであることを自負しており、王馬戦では相手のラッシュをわざと受け、鬼王山戦ではわざわざ登場順を変更させ大銀杏を結って登場するなど様々な手で観客を楽しませる。
- 王馬に対する乃木からの最終試練として対戦が決定。その圧倒的な打たれ強さとパワーで終始王馬を圧倒するが、気管を潰されることにより脳への酸素の供給を絶たれて失神し、敗北する。しかしその直後に、負けを認めつつもさもダメージがなかったかのように立ち上がっており、敗北してもなお、その頑丈さを示す結果となった。
- その仕合の勝敗によって開催が決まった拳願絶命トーナメントにも、「お前以上の闘技者に心当たりがない」ということでそのまま選手としてガンダイ社長に任命される。
- トーナメント1回戦では鬼王山と対戦。一方的に攻められ内臓や左膝に大きなダメージを負うも、最後は信念の差により辛くも勝利を収める。鬼王山戦後に仕合を見て感化された春男を弟子にした。
- モデルは関本大介・岡林裕二・"黒天使"沼澤邪鬼・葛西純の4名[9]。
- 『ダンベル何キロ持てる?』の回想シーンでも登場。
- マーヴェラス・セキ
- 関林の盟友であり、彼が「魔界から召還した」デスマッチレスラー。通称「地獄天」。道化師のような白塗りの顔に両頬に書かれた「獄天」の文字が特徴的。「怖いプロレス」と称する関林のものとは異なる過激でインパクトの強い技を使う。
- 活動期間は1年間で、2年前に行われた蔵地との仕合を最後にリングを去っていたが、絶命トーナメント2回戦にてリザーブ枠を行使し、関林ジュンに代わって仕合に参戦する。対戦相手のムテバに対してプロレスの流儀で攻め立てていたが、目つぶしを警戒していた時に虚を突かれて心臓を止められる。破壊した耳が治療可能であったことからムテバが心臓抜きに手心を加えており、そのおかげで直後に立ち上がり最後の力で渾身のボディースラムを繰り出したものの戦闘不能となり敗北した。
- 使用武術・プロレス
- 主な技術
- 受け返し
- 「プロレスにガードはない」という信念を突き詰めた結果完成させた技術。攻撃をあえて崩したフォームで受けることで逆に相手の肉体に負荷をかけダメージを与えるというもので、相手の攻撃力が高いほど効果がある。若槻曰く「コスモの"ゾーン"と同じく"受け身のスペシャリスト"しか出来ない」。目つぶしや金的のような受けてはいけない技を「避ける」のではなく打点を外して「安全に受ける」ことにより相手が攻撃を外したかのように錯覚させる技術も併せ持っている。
- 鹿野 玄(しかの げん)
- 身長=185cm
- 体重=91kg
- 年齢=63歳
- 誕生日=10月4日
- 好きなタイプ=髪の長い男
- ガンダイ会長。乃木との拳願仕合で「拳願会会長職争奪戦」の開催決議に賛否を賭けており、乃木に負けたことにより開催決議に賛成した。かつては「名勝負製造機」の異名を持つ闘技者であり、皮膚をカットする打撃を得意としていた。禍谷園社長の禍谷重蔵の後塵を拝してきたため、自身を凡百の闘技者だったと称している。先代社長と遠戚だった縁で社長になった。関林を信頼し、加納アギトにも劣らないと確信している。
皇桜学園グループ
明治三十三年に創立された日本初の女子大学。所在地は首括市。各界の令嬢たちが集まる名門校として知られており、運営は創設者である奏流院一族が代々執り行っている。企業序列第16位。拳願仕合通算成績577勝189敗。
『求道の拳』の主人公である池内面太郎の元職場であり、スピンオフで小津と池内が並んだ写真が登場している。また高等部には『ダンベル何キロ持てる?』の主人公達が通っている。
- 桐生 刹那(きりゅう せつな)
- 声-浪川大輔(Webアニメ)[4]
- 身長=180センチメートル
- 体重=75キログラム
- 拳願仕合戦績1勝0敗
- 企業獲得資産250億7500万円
- 年齢=26歳
- 誕生日=9月13日
- 好きなもの=王馬「が」好きなもの全般
- 嫌いなもの=王馬「を」好きなもの全般
- 皇桜学園グループの闘技者採用バトルロイヤルに突如として紛れ込んだ謎の美青年。通称『美獣』。古流武術『狐影流』の使い手。試験官を務める学園最強の闘技者、小津俊夫と戦い、羅刹掌(後述)を使用し圧勝。底知れぬ強さを見せつけ、皇桜学園グループの闘技者として採用され拳願絶命トーナメントに参戦する。
- 富豪の父のための臓器のストックとしてこの世に生を受け、娼婦であった母から虐待を受けながら育った結果自分が必要ではない人間と思うようになる。11歳で「中」の臓器密売組織に引き渡されて臓器を摘出され死ぬはずだったが、その組織が王馬の生活圏内まで手を伸ばしたことで報復を受けて壊滅、それがきっかけで王馬を罪深き者を罰する存在として神聖視するようになり、「神」である彼の手に掛かって殺されることを罪人である自分にとっての「救い」だとして夢見るようになる。組織の壊滅後は王馬との再会を夢見て「中」に留まり、有力者の男娼として生活する中で実父を殺して奪った財を元手に2年かけて勢力を拡大、籠絡していた愛人を殺すと彼を追って十鬼蛇区に侵入するが、彼が二虎に師事していたことを知り以前とは全く異なる表情をしているのを見て激しいショックを受け、この時出会った「本物の二虎」から二虎流を伝授され、同時に神経を弄られていた。それ以来「神を堕落させた」二虎に対して激しい憎悪を抱くようになり、再び居住区の外に出て二度と二虎に邪魔されないようにと、「本物の二虎」から紹介された平良に弟子入りして孤影流を学ぶ。かつては筋者が主催していた「デスファイト」に師匠と共に参加していたが、師匠を含む目ぼしい連中を全員殺してしまい、拳願仕合に遠からず訪れようとする「波」に乗らんとする皇桜グループが新たな戦力を求めていることを聞きつけ闘技者として移籍した。
- わずかな時間で「瞬」のからくりを見抜き、普通は8年かかるはずの「羅刹掌」をわずか1年で習得するなど、格闘センスに関しては師匠を上回る。唯一の攻撃技である「羅刹掌」についても研鑽を重ねて威力を底上げしており、さらには仕合中に閃いた新たな技の使い方を即座に使いこなしている。
- 関林戦での傷を癒やした王馬の元へ10年ぶりに訪れ、二虎がはめていた「枷」を完全に「開錠」する。その時に王馬の完成された肉体と鬼気迫る闘争心に触れてからは彼に対しそれまで以上に病的な執着を抱いており、変態じみた奇矯な言動が多々見られるが、王馬が絡まない時は至ってまともな好青年である。ただし正気を失った狂人であることは間違いなく、二階堂からは目黒と同類であると評される。発狂の原因は神経を弄られたことと降魔の使いすぎにあるらしく、時折激しい幻覚と幻聴に見舞われる。また雇い主である紫音や智子との関係は良好で、彼女たちには家族愛に近い感情を覚えている。
- トーナメント会場に向かう拳願号上では双眼鏡で王馬の観察をしていたが護衛者の淀江がハサドを倒した際、血しぶきが王馬に掛かったため「彼を汚した」と激怒しその後、監視室で淀江と同時に居合わせた日江津を徹底的に「破壊」した。
- トーナメントでは二階堂蓮と対戦。開始早々二階堂の左肩を破壊し優位に戦いを進め、二階堂の反撃で奥義「奇龍(クイロン)」を食らったものの、「降魔」の発動が可能になったことにより圧倒し勝利する。王馬が2回戦で「前借り」ではなく二虎流を使って勝利したことに苛立ちを覚えたまま自身の2回戦では黒木と対戦。黒木のことを神(王馬)が与えた試練だと見なして二虎流の技も交えた立ち回りをし、仕合中に新たに開発した技を使って右手の骨をへし折ることには成功したが、付け焼き刃の技で彼にはおよばず「魔槍」で段中や鳩尾を穿たれて敗北した。心臓の真上から貫手で貫かれたが、直前で自身の心臓に対して羅刹掌を放ったことでわずかに臓器を動かして致命傷を回避、仕合直後に蘇った。3回戦開始後、完全に正気を保てなくなり、十鬼蛇二虎に「見えた」相手を無差別に襲う連続殺人を犯し始め、ゴールドプレジャーグループが用意していたリザーバー三人と仕合開始を告げにきた護衛者を殺害、零と理乃は「救う側」と「救われる側」と判断したために見逃し、3回線の終了後は護衛者2名と戦い負傷しながらも殺害、山下を二虎から守らなければならないと思い込んで避難させたが途中で彼を二虎だと錯覚して殺そうとしたため王馬から妨害を受ける。王馬の「神」を目覚めさせようとしたが自身が否定した二虎流の技だけで圧倒され「鬼鏖」で戦闘不能となり、「本物の二虎」に人生を狂わされた被害者でもあったということから情けをかけられ、異常をきたしていた自律神経を「絶氣」で治療されて命を見逃された。その後は自身の血痕を辿ってきた殲滅部隊に身柄を拘束されるが、トーナメント終了後に収容施設から脱走している。
- 使用武術・狐影流
- 400年余りの歴史を持つ古流柔術の一流派。先の大戦で門下生のほとんどが死に絶えたためほぼ失伝状態にあったが、宗家の血を引く平良が古文書などから情報をかき集めることにより現代でも通用する名前の付いた技を2つ再編している。
- 主な技
- 瞬(またたき)
- 相手の瞬きに合わせて死角に入る歩法。実戦空手の流派にも類似する技が存在し、あたかも眼前から消えたかのように錯覚させることができるが、タネさえ分かれば防ぐことも不可能ではない。ただし後述の「羅刹掌」と組み合わされた場合、相手が熟練者でなおかつからくりを理解していても術中に嵌まってしまう危険性がある。
- 羅刹掌(らせつしょう)
- 背→肩→上腕と伝わってきた力を前腕の旋回によって増幅することにより、強烈な捩る力へと変換して衝撃をねじり込む打撃技。「力をねじ込む」感覚を得るために掌打の反復練習を行い、水瓶から始めて砂、砂利を経て「肉」の段階に到達する。師匠のものよりも大きくひねりを加えているため殺傷力が大幅に増加しており、首や手足などに当てれば掠っただけでもその部分を絞った雑巾のようにねじる程の威力で、胴体に当てれば臓器に重大なダメージを与えるため防ぎ方を誤れば致命傷になりかねない。ただし威力が上がった代償に予備動作も大きくなっているため、一定以上の実力者が相手の場合「瞬」や「柳」と組み合わせなければその真価を発揮できない。加えて回転しているのは前腕より先の部分なので、上腕部を抑えられると無効化されてしまう。
- 羅刹脚
- 桐生が開発した足を使って放つ羅刹掌。腕より筋力の強い足を利用するため破壊力も強化されている。その威力は闘技場の地盤を破壊するほどで、蹴り技としてだけでなく高速移動術としても活用している。
- 真・羅刹掌
- 前腕の捻りが不十分になる至近距離でも対応できるように桐生が開発した「羅刹掌」の進化形。指先に威力を集中させているため、掌打ではなく貫手に近い技へと変化している。
- 狐虎ノ交(ココノマジワリ)
- 狐影流の「羅刹掌」と二虎流の操流・水天ノ型「水燕」の複合技。「水燕」の不規則な軌道で「羅刹掌」の連打を放つ。
- 使用武術・二虎流
- 狐影流を学ぶ以前に「本物の二虎」から伝授されている。
- 操流ノ型「柳」
- 火天ノ型「火走」
- 金剛ノ型「不壊」
- 第弐奥義「降魔」
- 危機に瀕した際に風景がスローモーションに切り替わる「タキサイキア現象」の原理を用いた技。スピードが早くなるわけではないが相手の動きを的確に見切れるようになり、短時間の連続使用で「深度」が高まる。ただし自身の意思で「脳のリミッター」を解除することはできず、危機的状況下でなければ発動できない。さらに使いすぎると自律神経を失調してしまい、幻覚や幻聴に悩まされる危険性もある。
- 小津 俊夫(おづ としお)
- 拳願仕合戦績11勝0敗
- 皇桜学園グループ最強の闘技者にして、皇桜女子大学文学部英文学科准教授という裏と表の顔を持ち合わせる闘技者。通称『蛮勇知将(インテリジェンス・バーバリアン)』。著書に「筋肉で学ぶ英文学」「筋肉で読め!部位別トレーニング辞典」がある。世間体を気にするタイプらしく、教授として教鞭を振るっているときの物腰はとても穏やか。しかし闘技者として暴れているときこそが素の状態らしい。ボディビルダー張りに過剰搭載された筋肉による並み外れた「怪力」、それに加え卓越した「格闘術」、大学教授を務められるほどの冷静沈着な「頭脳」の三本柱を併せ持つトータルファイターであり、筋骨隆々で色黒の中年男性というドギツい見た目に恥じない、バランスの取れた実力者。
- 皇桜学園の闘技者採用バトルロイヤルに試験官として参加。小津に一矢報いるレベルの闘技者を期待しての投入だったが、すべての受験生をKOしてしまい、隅でただ眺めていたため最後まで残っていた桐生刹那を「評価」しようと襲い掛かるも、桐生の「羅刹掌」により右腕と首を捻られ敗北。その後コルセットとギプスをはめた状態でスピンオフに登場したことから一命は取り止めた模様。部屋には求道の拳の主人公である池内面太郎とツーショットの写真が飾ってある。
- 『ダンベル何キロ持てる?』では著書が主人公たちに絶賛されている。
- 奏流院 紫音(そうりゅういん しおん)
- 身長=165センチメートル
- 体重=55キログラム
- 年齢=聞いたら殺す[注 2]
- 誕生日=6月9日
- 趣味=ウエイトトレーニング
- 皇桜学園グループ理事長を務める拳願会会員。開けたワイシャツから覗く魅力的なバストに、咥えタバコが似合う男前でクールな美女。先祖代々筋金入りの筋肉フェチ。両親が早くに仕事を引退したため、若くして理事長となった。企業序列上位だけあって個人資産も潤沢で、自宅は豪邸でプライベートジェットも所有している。学生の習い事を推奨しており、自身のポケットマネーから補助金を出している。
- 高校時代に現乃木グループ闘技者である初見泉にナンパされ、大胸筋に一目惚れして交際を開始するも、彼の浮気が原因で別れたりくっついたりを繰り返している(現在は別れている)。
- 拳願仕合をかき乱そうとする乃木に危機感を覚え、「圧倒的」な「個」の暴力を持つ闘技者を求めて闘技者採用バトルロイヤルを行う。そこに紛れ込んだ桐生刹那を危険と知りつつも、「毒を食らわば皿まで」の覚悟で刹那を闘技者として迎え入れるが、彼が2回戦で敗北してから雰囲気がさらに変化した様子を見て禁忌に触れてしまったのではないかと恐れを抱くようになる。
- 高校生になる妹の朱美は、『ダンベル何キロ持てる?』の主要登場人物の一人。
- 松田 智子(まつだ ともこ)
- 身長=160センチメートル
- 体重=48キログラム
- 年齢=22歳[10]
- 誕生日=5月3日
- 趣味=「特定分野の書籍」の収集
- 皇桜学園グループ理事長の新人秘書。口元のほくろがチャームポイント。皇桜学園OGのごく一般的な女性だったが、徐々に腐った本性をあらわにし始め、拳願仕合の光景を、周囲の拳願会員とは異なる目的の熱い眼差しで、度々妄想を交えながら、なおかつ鼻血を噴き出しながら見守るようになる。栃木ディスティニーランドの生涯入場パスを所持しているほどの大ファンで、モッキーとホナルドが大好きであるが、それは腐ってしまった原因がモッキーとホナルドの擬人化された作品を見てしまったせいである。布教活動にも熱心で、最近着々と同士を増やしつつある。当初は血生臭い拳願仕合の光景に恐れおののいていたものの、短期間で順応しトーナメントのころには普通に観戦できるほどになっている。
大日本銀行
企業序列第1位。
- 加納 アギト(かのう アギト)
- 身長=201センチメートル
- 体重=128キログラム
- 拳願仕合戦績157勝0敗
- 企業獲得資産7兆7060億8300万円
- 「拳願仕合の帝王」の名をほしいままにする拳願仕合史上、最強の闘技者。五代目『滅堂の牙』にして、滅堂の最高戦力である「三羽烏」の一人。勝敗成績は前人未到の157戦無敗であり、戦った闘技者のほとんどが再起不能にされている。ただし、対戦相手を死に至らしめることは殆どなく肉体的にではなく精神的に再起不能にしてきている[11]。渡り合える闘技者は拳願会の闘技者の中でもせいぜい一人くらいだと言われている。
- 23年前、何者かが人間を対象に行っていた「蠱毒」の生き残り。当初は過酷過ぎる環境を勝ち抜いた代償で精神が狂獣に支配されており、滅堂から受けた教育で冷静沈着な頭脳を得て獣心を暴走させないよう制御しているが、時折抑圧された本能が歪んだ形で発露されて「貌」と呼ばれる不気味な表情を浮かべることがあり、その時は一人称も「私」から「俺」に変わる。
- 「巨大な暴力の災害」と称されるほどの人間離れした圧倒的武力を持ち、自身の実力に絶対の自信を持っている。戦闘スタイルは「無形」で、無数の選択肢によりあらゆる状況に対応できる柔軟性が持ち味。あらゆる身体能力と格闘技術で表世界最強の一角とされる大久保を上回り、ボクシングの技術に限定しても当代最強のボクサーであるガオランに近しい腕を持ち、打撃の威力はどの距離であろうと全てが必殺技級。滅堂曰く「アギトの真価は『進化』にあり」とのことで、仕合ではまず相手の武術に合わせた攻防で実力を見極め、その後で相手の攻略法を短時間で開発し、自分が持ち合わせていない技術をすぐさま吸収してさらなる高みに登っていく。その一方で圧倒的な力を持つが故に追い詰められた際の精神的な脆さも抱えている。トーナメント二回戦までは「無形」の選択肢の豊富さゆえに、選択するまでの時間を要して一つの技術に特化したタイプの格闘家に遅れをとる、疲労時にはさらに反応遅れが大きくなるため連戦は苦手といった弱点があったが、あえて選択肢を絞り込むことでその欠点を克服する。さらに進化を重ね、「武」と「無形」の混合戦法を使いこなせるようになり、タイプの異なる達人2人と交互に戦う状況を作り出すことが可能となった。
- 自分の成長に一役買った大久保に対して礼を述べるなど礼儀正しい性格。一方で武術以外への関心が薄いのか、大久保にゼットンに例えられた際は真顔で「その「ゼットン」とやらは強いのか?」と返したり、ラスボスと言われて「ラスボスとやらはどんな武術の使い手だ?」と質問するなど、割と天然気味でどこか威厳に欠けるところがある。なお、仕合後大久保から実際のゼットンの映像を見せられているが、着ぐるみや設定をなかなか理解できず、そういう生物がいると思い込んでいた。
- トーナメントでは1回戦大久保と対戦。全ての能力と技術において大久保を上回りながら、大久保の総合格闘技で培った複合技に苦戦するが、大久保の放った頭部へのサッカーボールキックを契機に不気味な笑顔に変化し、その後大久保から学習した「複合」の技術を使用し圧勝する。2回戦ではガオランと対戦、序盤は相手のスタイルに合わせボクシングで打ち合い自身の不利を悟って戦法を変えようとしたが、彼の技量によりしばらくはボクシングでの勝負を余儀なくされる。特注でガオラン用の戦法を編み出したことでストライカーとしての真価を発揮する戦闘スタイルまで引き出させ、「不壊」に似た筋肉を締める技でラッシュに耐えながら、苦戦の末に1回戦で習得した「複合」の技術を使って彼を撃破する。しかし、実力で圧倒できず駆け引きに走ったことと、拳を砕かれても止まらない猛攻に恐怖を感じてしまったことに葛藤し、止めを刺せないまま仕合場を去る。2回戦終了後の東電によるクーデターの際には、守護者を「悪」として殺害しようとしていた阿古谷を説得し、彼との共闘で守護者を殲滅した。3回戦前に代表闘技者の座をかけて前「牙」である王森と戦って勝利し、泉との戦いに臨む。仕合では無数の選択肢をあえて捨てることで初見の攻撃に対応し、立ち上がりこそ絶妙な膝の運用に翻弄されたかに見えたが、この戦いで「羽化」を果たし結局は手加減する余裕すら残してほぼ無傷のまま勝利を飾る。準決勝は黒木と対戦。お互いに「気の起こり」を読んで壮絶な攻防を繰り広げ、魔槍で左胸を抉られたが先読みに勝ち猛攻を繰り出し、武と無形を同時に使いこなす「進化」により右手の4指と左肘を破壊する。戦法の切り替わりを読まれて逆襲された際にはさらなる進化を遂げて、タイムラグをコンマ数秒だけ短縮することが可能となり蹴り技を出す余裕が生まれるも、至近距離からの龍弾を潰され右手首を完全に破壊されてしまう。それでも諦めずに攻撃を続けたが、3度に渡り顎を攻撃されたことで脳が限界を迎え、額に大きな傷跡が残るほどの強打を受け、160戦目にして遂に初となる敗北を喫する。
- 試合後、滅堂から真意を明かされ、「滅堂の牙」からの辞任を願い出る。その後は己が世間知らずだと自覚したこともあって、見聞を広めるために鷹山からバイクを借りて旅に出る。
- 使用武術
- 特注(オーダーメイド)
- アギトが2回戦中、対ガオラン用に開発した武術。型がなく動きはシステマに似ているが全くの別物。相手を止めるのではなく、打ち終わりや打ち始めを「抑える」ことで攻撃を封じ、直後に投げや突きで追撃するのが特徴。
- 無形
- あらゆる敵に対処できる戦闘スタイル。無数の選択肢による柔軟な対応ができるが、攻撃方法を取捨選択する過程で遅れが生じてしまうという欠点を持つ。獣心に任せた暴走状態で使う「武」の理の外にある戦法なので、その権化のような存在とは相性がいい。
- 主な技
- 複合
- 1回戦で大久保から習得した打・絞・極・投を継ぎ目が無いレベルで融合させた複合技。
- ムエタイの肘
- 2回戦でガオランから習得した敵を倒すのに特化した打撃技。ショートレンジの攻防で使用する。
- 指取り
- 古流柔術において指関節を極める技。
- 対の先
- 相手の起こりを見極め同時に動きつつ、先をとる技術。
- 後の先
- 相手の終わりを見極めカウンターを行う技術。
- 龍弾(りゅうだん)
- 現在のアギトが持つ「最大火力の一撃」にして「寸勁(すんけい)」と呼ばれる技術の一種。最短距離・最小動作で放つ打撃なので回避はほぼ不可能。アギトならば超至近距離であっても相手を一撃で絶命させ得る威力の攻撃が可能。ただ技の性質上、使う直前一瞬だけ動きが止まるのが欠点。
- 先の先
- 気の起こりを見極め相手が動く前に打つ技術。武術としての究極の形であり、アギトであっても無形の多様性を捨てて反応速度を上げなければ到達することのできなかった領域。
- 片原 滅堂(かたはら めつどう)
- 身長=161センチメートル
- 体重=48キログラム
- 年齢=96歳
- 誕生日=12月2日
- 好きな食べ物=肉全般、甘い物全般
- 日本の経済界を牛耳る大日本銀行の総帥にして、最強の闘技者「滅堂の牙」を擁する拳願会第58代会長。かつては『極東の風雲児』と呼ばれていた。0巻第陸話の主人公。
- 元特攻隊所属の兵士で、特攻後奇跡的に生き残ったことから「自分の悪運はどの程度のものなのか?」と試したくなり拳願会会長を目指す。戦後の混乱の中で闇市の主として身を立て、拳願会員となってからは片原流通KKを興し、初代「滅堂の牙」の恵利央と共に不足資金に代わりに自らの命をかけて拳願絶命トーナメントを開催させ、優勝を果たし数十年にわたり会長の座を守り続けている。拳願会史上初めて半世紀以上会長を務めた人物でもある。会員としては比較的新参ながら名実ともに拳願会の頂点に立つ男であり、枯木のような老人の姿からは想像もできないほどの圧力を有し、常人ならば彼の前では身動きすら取れない。企業50社の賛同を受けて、拳願会会長職を賭けた「拳願絶命トーナメント」の開催を宣言した。若いころから女好きで、老年になっても精力は衰えず愛人との間に曾孫ほどに歳の離れた子を儲けている。
- 激動の時代を生き抜いてきたことから、現在の狭い世界の王としての平穏な日常に飽いており、会長の座を狙う自分を心から震え上がらせる挑戦者の登場を待っていた。対等な闘いをしたいがために、黒木をトーナメントへ招聘し、速水の野心を見越して彼の配下に自身の手のものを潜り込ませておき、意図的に情報を流させることで思考を誘導して自身の思うタイミングで反乱を起こさせる。その経緯から2回戦終了後に速水が引き起こしたクーデターにもまるで動じず、彼から言質を取って録音した後で事前に依頼して呼び寄せておいた呉一族の先鋭50名と関係者の護衛として潜ませておいた手練れたち、そして予選で敗退した闘技者たちを使って難なく鎮圧。暇つぶしにはなったと微かに満足げな表情を見せ、クーデターという試練を突破した乃木を自身に対する挑戦者として認める。準決勝で自身が招聘した黒木によってアギトが降されるという想定外の事態により長期政権に終止符を打たれることとなったが、再び挑戦者に戻れることに喜びながら現役であり続けることを宣言する。
- 片原 鞘香(かたはら さやか)
- 身長=166センチメートル
- 体重=54キログラム
- 年齢=22歳
- 誕生日=7月20日
- 特技=誰とでも仲良くなる
- 休日の息抜き=烈堂と遊ぶこと
- 片原滅堂の娘。拳願絶命トーナメントの司会進行役。串田曰く「何でもこなせる能力の高さは拳願会でも指折り」。正妻ではなく愛人の娘で、烈堂とは異母姉弟である。父親同様器が大きい。社交性も高く異性からはかなりモテており、護衛者の中にも隠れファンがいる程だが本人に自覚はない。育ちのせいか羞恥心の薄いタチらしく、普段から弟が心配するほど露出度の高い服を着ており、混浴の大浴場で氷室らと鉢合わせになった際にも、体を隠そうとする素振りすら見せなかった。
護衛者
片原会長の私兵。滅堂の牙という会長の「矛」に対する「盾」にあたる存在。ほとんどがもとは身寄りがなく幼少期から訓練を受けた者たちだが、吉岡のように一部の者は外部から招きいれられている。護衛者に成り立ての者は集団で基礎訓練を行い、その過程を終えると銘々に自由な鍛錬を行うようになるが、スカウト組はその限りではない。相当な人数が存在し(拳願号に乗り合わせた人員のみで千人以上)、一人一人が並の闘技者を寄せ付けない実力を誇る。その真価は一糸乱れぬ統率力にあり、ある程度の実力者集団が相手でもそれが烏合の衆であれば多少の人数差をものともせず鎮圧できるだけの戦力である。服装は黒スーツで統一されている。本来の業務である片原会長の護衛のほか、拳願絶命トーナメントの運営も行う。ちなみに三羽烏以下の護衛者に苗字しかないのは本名ではなくコードネームだからで、滅堂の「スパイ映画みたいでカッコいいから」という鶴の一声によるもの。
- 鷹山 ミノル(たかやまミノル)
- 身長=207センチメートル
- 体重=140キログラム
- 年齢=37歳
- 誕生日=9月19日
- 趣味=釣り
- 滅堂の有する最高戦力である三羽烏の一人。片原滅堂直属護衛であり、大日本銀行の秘書的存在。格闘スタイルはいわゆる「喧嘩殺法」。口腔マスクをしている。「牙に最も近い男」と呼ばれており、不意打ちとはいえ王馬を一瞬で昏倒させる実力がある。王森と同じく滅堂の片腕的なポジションだが、先代滅堂の牙である王森には尊敬に近い感情を抱いている。
- 過去に加納アギトと戦い敗れた際に顔に傷を負っている。またそれが原因でアギトを恨んでいる描写がある。滅堂の牙の座を目指し、何度敗れても諦めない不屈の精神力は、滅堂やアギトに高く評価されている。
- 東電のクーデターでは滅堂の側近として鬼頭と交戦。左手中指を切断のうえ掌の中ほどまで切り込まれる深手を負うも、それ以外の傷はほとんど負わないまま数合打ち合ったのみで圧勝した。アギトの辞任後も次期“牙”にはならず、「コソコソ動いている奴ら」に備え滅堂の身辺警護に徹することを決めている。
- モデルはプロレスラーの高山善廣と鈴木みのる[12]。
- 王森 正道(おうもり まさみち)
- 身長=206センチメートル
- 体重=136キログラム
- 年齢=43歳
- 誕生日=10月16日
- 好きな食べ物=カップラーメン
- 滅堂の有する最高戦力である三羽烏の一人であり、先代(4代目)の「滅堂の牙」、現・片原滅堂直属護衛。大日本銀行の秘書的存在。外部からのスカウト組出身で、滅堂の片腕的なポジション。鷹山と共にいることが多い。代替わりにより第一線からは退いているがその実力は本物。
- 絶命トーナメント3回戦を前に、滅堂から代表闘技者の座を決めるためアギトと勝負するよう指示され、敗北したため彼を仕合に送り出す。その際にアギトの戦闘スタイルである「無形」の欠点を指摘し、彼がさらなる強さを手に入れるきっかけを作った。
- モデルはプロレスラーの大森隆男と丸藤正道[13]。
- 巌城(いわき)
- 身長=198センチメートル
- 体重=127キログラム
- 年齢=38歳
- 誕生日=7月19日
- 最近の悩み=散髪に行く暇がない
- 護衛者一番隊隊長並びに護衛者総隊長。序列的には滅堂直属護衛の王森、鷹山と並ぶ。ポジション的には現場の責任者といったところ。
- 吉岡(よしおか)
- 身長=182センチメートル
- 体重=78キログラム
- 年齢=30歳
- 誕生日=9月17日
- 特技=家事全般、暗殺
- 護衛者二番隊隊長。左目のアイパッチは自作している。無手の格闘が得意で、戦闘能力は強豪闘技者にも匹敵する。料理・掃除・裁縫が得意で女子力が非常に高く、山下商事の面々が滞在するペンションではその家事技能を遺憾なく発揮している。武器術は苦手としているが、元暗殺者だけはありどんな武器でもある程度は使えるようである。
- 元暗殺者。「牙」の座を狙いアギトと戦うが敗北、左目を失うとともに逆に自らの「牙」を折られてしまったという過去を持つ。左目を潰される前はさらに強かったとのこと。
- J(ジェイ)
- 身長=179センチメートル
- 体重=82キログラム
- 年齢=36歳
- 誕生日=2月10日
- 尊敬する人物=坂本龍馬ぜよ!
- 護衛者三番隊隊長。黒髪のサングラスをした男。高知県出身。トンファーを武器としている。趣味は野球。滅堂直属護衛の鷹山ミノルとは同期の桜で、今でも正月に二人で飲みに行く程の仲。トレードマークのサングラスは滅堂からのプレゼントの模様。
- 船岡(ふなおか)
- 身長=187センチメートル
- 体重=91キログラム
- 年齢=34歳
- 誕生日=8月19日
- 自慢=二日酔いにならない体質
- 護衛者四番隊隊長。片原滅堂が殲滅部隊を組織する際、隊員にスカウトされた程の猛者。滅堂の護衛に専念したいという理由から申し入れを固辞した模様。
- 気高(けたか)
- 身長=181センチメートル
- 体重=80キログラム
- 年齢=27歳
- 誕生日=3月20日
- 悩み=人と目線が合うと緊張する。
- 護衛者五番隊隊長。両目が髪で隠れている青年。隊長の中では最年少。性格は控えめで殆ど喋らない。同じく無口な十一番隊隊長の美萩野や殲滅部隊の羽合とは気が合うらしく、プライベートでは三人揃って行動することが多い。
- 名和(なわ)
- 身長=163センチメートル
- 体重=56キログラム
- 年齢=28歳
- 誕生日=10月2日
- 趣味=暗記
- 護衛者六番隊隊長。長髪の美青年。小太刀を使って闘う。隊長の中でも特に腕が立つらしく、滅堂に殲滅部隊に勧誘されている。
- 相生(あいおい)
- 身長=199センチメートル
- 体重=126キログラム
- 年齢=33歳
- 誕生日=11月8日
- モットー=考える前に殴れ
- 護衛者七番隊隊長。二番隊の吉岡と同じく、滅堂のスカウトで護衛者になった。格闘技、武術の経験がない。元ラグビー日本代表。フィジカルだけで隊長まで上り詰めた一種の「天才」。
- 桂見(かつらみ)
- 身長=208センチメートル
- 体重=136キログラム
- 年齢=46歳
- 誕生日=6月14日
- 悩み=若い部下とのジェネレーションギャップ
- 護衛者八番隊隊長。禿頭に髭面の大男で、坂東と見た目の特徴が一致している。坂東との見分け方は顎髭の形。隊長内最年長。怪力が最大の武器。
- 用瀬(もちがせ)
- 身長=180センチメートル
- 体重=69キログラム
- 年齢=31歳
- 誕生日=1月2日
- 特技=嗅覚が犬並み
- 護衛者九番隊隊長。鼻にマスクを着けた痩身の男。元は滅堂の命を狙う暗殺者だった。同じく元・暗殺者の二番隊隊長、吉岡とは護衛者になる前から面識があったらしい。鼻マスクは傷隠しではなく、ただのお洒落。隠密行動が得意。
- 山王(さんのう)
- 身長=190センチメートル
- 体重=116キログラム
- 年齢=38歳
- 誕生日=12月12日
- 好きな技=回し受け
- 護衛者十番隊隊長。空手の達人。特定の流派に所属したことがなく、先輩の護衛者に空手を教えてもらった。漫画やゲームが大好きで、作中の技を自分の空手に取り込むこともある。
- 美萩野(みはぎの)
- 身長=178センチメートル
- 体重=64キログラム
- 年齢=33歳
- 誕生日=3月4日
- ハマッていること=部下の誕生日をサプライズでお祝い
- 護衛者十一番隊隊長。顔中にピアスをつけたモヒカンの男。見た目は奇怪だが物凄く良い人として護衛者の中では評判。無口だが部下の信頼は篤い。五番隊隊長の気高、殲滅部隊の羽合と仲が良い。毒を使った戦法が得意らしい。
- 淀江(よどえ)
- 身長=197センチメートル
- 体重=114キログラム
- 年齢=36歳
- 誕生日=4月15日
- モットー=油断大敵
- スキンヘッドで細目の男。片原に危害を加えようとしたハサドをあっさりと倒す実力者。しかしハサドを蹴り飛ばした際、血しぶきが王馬にかかったせいで「彼を汚した」と激怒した桐生に目を付けられる。その後、監視室で日江津と共にいる所を桐生に強襲され、徹底的に「破壊」されてしまう。一命はとりとめたものの、東電のクーデターではハサドに逆襲され敗北した。いつもにこやかだが、目は笑ってないタイプ。
- 日吉津(ひえづ)
- 身長=194センチメートル
- 隊長=109キログラム
- 年齢=37歳
- 誕生日=1月14日
- 興味があること=ヒゲの永久脱毛
- 片原滅堂直属の護衛者。淀江と一緒にいたというだけで、桐生刹那の理不尽な強襲に巻き込まれた不幸な男。
- 奈喜良(なぎら)
- 身長=211センチメートル
- 体重=175キログラム
- 年齢=38歳
- 誕生日=6月3日
- 意外な過去=元・板前
- 片原滅堂直属の護衛者。格的には王森、鷹山の下で護衛者隊長と同等。護衛者が分断された際は、臨時の指揮を任されるなどかなりの実力者の模様。
- 髪型をいじるとマジギレするので護衛者内では触れてはいけない話題となっている。
殲滅部隊
護衛者とはまた異なる独自の集団で、通称護衛者別働隊。護衛者の中から選りすぐりの猛者を選別した特攻部隊である。それぞれの隊員が護衛者の隊長クラスを上回る実力を有する。「SB」と入った腕章をしており、黒スーツで統一されている。東電のクーデターでは屋外で戦う雷庵を援護した。
- 片原 烈堂(かたはら れつどう)
- 身長=181センチメートル
- 体重=75キログラム
- 年齢=21歳
- 誕生日=6月9日
- 得意な楽器=ベース
- 休日の楽しみ=鞘香と遊ぶこと
- 片原滅堂の実子にして、護衛者別動隊「殲滅部隊」の隊長。右目が前髪で隠れており、左目は額から頬にかけて刺青のようなものが入っている。スピンオフでは隠れシスコンであることが発覚し、異性に対してガードの甘い鞘香をいつも気にかけている。顔のタトゥーは「拳に願う」をウェブ翻訳でヘブライ語に変換したものである[14]。
- 3回戦後半から護衛者を何人も殺害していた桐生を追っており、王馬によって撃破された彼を確保する。身内の仇をとってくれた恩を返すため、準決勝第1仕合の開始を2時間遅らせ王馬が休憩時間を取れるように滅堂に掛け合った。
- 三朝(みささ)
- 身長=173センチメートル
- 体重=68キログラム
- 年齢=27歳
- 誕生日=6月3日
- 今年の目標=猫背を治す
- 殲滅部隊隊員。片原烈堂の副官的存在。元々は護衛者五番隊の隊長だったが、烈堂の誘いで殲滅部隊に加入した。六番隊隊長・名和とはライバル関係らしい。狭い空間での戦闘に特に長けているらしい。
- 皆生(かいけ)
- 身長=180センチメートル
- 体重=71キログラム
- 年齢=25歳
- 誕生日=8月8日
- 秘密=片原鞘香に惚れている
- 殲滅部隊隊員。黒髪の美剣士。顔の刀傷は、過去の立ち会いでつけられた物らしい。元・護衛者一番隊隊長。片原烈堂の勧誘で殲滅部隊に加入した。鞘香に惚れていることは周囲にバレバレだが、本人は気付いていない。そして鞘香だけが皆生の好意に気付いていない。
- 羽合(はわい)
- 身長=250センチメートル
- 体重=248キログラム
- 年齢=31歳
- 誕生日=5月29日
- 悩み=街で「動く待ち合わせ場所」扱いされること
- 殲滅部隊隊員。河野春男を凌ぐ人間離れした巨体を持つ男。元・護衛者八番隊隊長だったが、片原烈堂の勧誘で殲滅部隊に加入した。護衛者隊長の気高、美萩野の二人とは気が合うようで、休日は一緒に遊ぶことが多い。
十王通信
特定の派閥には属していないが政界に強いパイプを持ち強大な権力を有する。企業序列第12位。
- 坂東 洋平(ばんどう ようへい)
- 身長=201センチメートル
- 体重=147キログラム
- 拳願仕合初参戦
- 年齢=51歳
- 誕生日=6月13日
- 特技=人体の研究
- 独房での過ごし方=読書
- 十王通信闘技者。通称『血染めの象牙』。日本犯罪史上最悪の二人である、素手による大量殺人の実行者の内の一人。元・帝都大学医学生であり、3年次に暴力団対事務所を単身で襲撃。組員17名を殺害し、5名に重軽傷を負わせる。後日、身柄の確保に赴いた警官を2名殺害、4名に重軽傷を負わせた後、あっさりと投降。エリート医学生の突然の凶行として、当時はマスコミを大きく賑わせた。筋骨隆々とした肉体を誇るが、学生時代は細身であった。神奈川県出身。
- 快楽殺人者ではないと自称しているが、拳願絶命トーナメント出場によって得られる「人を壊す権利」に興味を示し、未だ道半ばな「研究」のために権利獲得に挑戦することを決め、永島を一撃で殺害しトーナメント出場権を勝ち取っている。
- 恵まれた体躯からの怪力と、ためらいのない殺意が武器。格闘技経験こそないものの、暴力団員や警察官と素手で交戦した経験があるためか長年服役していたにもかかわらず非常に戦い慣れている。技術面では格闘家に劣るため基本的な戦術は一撃必殺、もしくはスタミナを活かした持久戦。また、各関節の可動域が140度と異常に広い「超軟体体質」とも言うべき特異体質の持ち主。四肢はもちろん背骨までも極端に曲げることが可能で、両手足の拘束錠を一切破壊することなく抜け出せるほか、関節技を無効化する。この体質を利用した、「関節を強引に外しリーチを伸ばした腕を鞭のように振るい、間合いの外から相手を撲殺する」技を持つ。この技は方向が上・横・左・右の四方に限定される、筋肉への負担が大きすぎて多用すると肩関節の炎症や関節包面断裂といったダメージを受ける、精密機動が要求されるため距離感を損なうと使えなくなるといった欠点があるが、一般人では視認すら困難な速度で両腕を振り回すことにより対象の頭部に直撃すると「頭が爆発した」と錯覚するほどの破壊力を発揮するため防御は難しい。それ以外にも頸椎狙いの攻撃を後頭部と首で挟み込んで迎撃する、肘を逆方向に曲げ背中に回った相手を絞め殺すといった常人離れした技も使うことができる。
- トーナメント1回戦で自らを始末しに来た英と対戦、トリッキーな戦い方に翻弄されながらも、英が放った正中を貫く刺突に対し脊柱を曲げることで致命傷を回避、カウンターで首をへし折って勝利する。仕合後、英が体内に仕込んでいた致死性の高いウイルスに血液感染していたことが判明し、余命いくばくもない状態となっていたが、古海製薬の協力を得て治療に成功し2回戦も続投する。仕合では泉と対戦、1回戦では出し惜しみをして勝利への渇望が満たせずにいたため、2回戦では最初から切り札を使う。関節技が通じないというアドバンテージ、一撃必殺の攻撃力、長いリーチを活かして技術の差を覆し、「狩り」のように持久戦に持ち込もうとした。しかし自身の体質を過信していたせいで骨そのものを折られ、反撃を試みるもそのまま投げ飛ばされ脳天から地面に激突、すべては泉の掌の上だったことを悟りながら敗北した。本来なら致命的な一撃となるはずが亀のように頸椎を体内にめり込ませることで衝撃を軽減し、しばらく身動きが取れないほどの大ダメージを受けながらも生存した。その後は厳重に拘束されるがクーデター中に縛りを解き、SH冷凍職員を狙う守護者を殺害し彼らを救った。
- キャラクターのモチーフはハンニバル・レクター[15]。
- 永島 銀司(ながしま ぎんじ)
- 十王通信闘技者候補。通称『狂信鬼』。日本犯罪史上最悪の二人である、素手による大量殺人の実行者の内の一人。カルト教団「救世界」の狂信的信者であり、対立する宗教団体「神の軍勢」の幹部、信徒、計56名を殺害している。顔の左半面に「人は裁かれねばならない」と縦一行で書かれたタトゥーを入れている。鉄製の手錠を指先で飴細工のように千切る怪力の持ち主。
- 同じく素手の大量殺人者である坂東洋平と、拳願絶命トーナメント出場権を巡って生死を賭けた殺し合いをさせられることになる。拳願絶命トーナメントへの出場と引き換えに得られるという「つかの間の自由」を、「邪教徒を根絶やしにせよとの天命」と受け取り、障害となる坂東を邪教徒と見なして攻撃を仕掛けるが、一撃で葬られる。
- 中腰の姿勢で手を貫手にし、極限まで肘を後方に引き寄せた奇っ怪な構えを見せている(単行本を買うときはこのポーズを取ることを公式から推奨されている)が、自分の間合いに入る前に一撃で葬られたため戦闘力は未知数である。
- 高田 清助(たかだ せいすけ)
- 笑顔が特徴的な十王通信の社長。速水以上の野心家ともいわれており、法務大臣の許可を得て永島と坂東を戦わせ、勝者を代表闘技者として迎え入れるよう根回しの末に戦いを仕組む。坂東暗殺のために自分が利用されたことを知り法務大臣への報復を考えていたが、坂東が倒れたことで計画を変更、2回戦からのルール変更を受けて古海にコンタクトをとり彼に治療を受けさせる。坂東が2回戦で敗退した直後、東電の龍から「我が主[注 3]から内々に話がある」と告げられ彼に同行する。
ベルシイ石油
- ハサド
- 身長=178センチメートル
- 体重=80キログラム
- 拳願仕合戦績17勝0敗
- 企業獲得資産2205億7600万円
- 年齢=27歳
- 誕生日=8月3日
- 好きな食べ物=日本式カレー(ビーフだとなお良し)
- 嫌いな食べ物=生野菜全般
- 0巻第肆話の主人公。通称『アラブの旋風』。拳願絶命トーナメントの予選バトルロイヤルで初登場。実は国土の4割を砂漠に包まれた中東の小国の第一王位継承者で、物事を大局的に見て列強に渡り合うために必要な「知識」を自国に持ち帰るため弟に国を任せて単身旅に出たという過去を持つ。なお、タイ政財界の重鎮であるラルマー13世とは友人関係である。
- 文献をもとに独学で首里手を習得している。ムチミを活かした目にも止まらぬ神速の突きを武器とし、過去に仕合開始わずか2秒で決着と言う拳願仕合最短決着記録を打ち立てた(その記録は御雷によってぬりかえられている)。また、祖国に伝わる「砂漠掌」という武術も使える模様。
- 予選ではほかの闘技者を瞬く間になぎ倒していき、力の底を見せることなく予選を通過。しかし「闘技者は商人の駒である」と豪語する片原に食って掛かったせいで、護衛者の淀江に排除され船外に蹴り出されてしまい、失格となった。その後、蕪木の潜水艦に拾われて数日彼と行動を共にし、その間に乃木に雇われ速水の護衛に就かされる。東電によるクーデターの際には彼に同行し、かつて自身を敗北させた淀江を含む護衛者の三人を瞬殺するも、計画が頓挫する間際に本来の務めを果たし速水を捕縛した。
- まさかの退場により「ハサドる」という言葉が生まれるほどの人気キャラクターになる[要出典]も一転してネタキャラへと転落し、公式の単行本予告における非道な扱いが恒例となった上に、スピンオフでは女好きで調子に乗りやすい性格が露呈し、単行本5巻では男性キャラクターとして初めてカバー裏のセクシー(?)グラビアを飾ってしまった。
- 使用武術・首里手
- 鈴木 栄作(すずき えいさく)
- ターバンにチョビ髭で浅黒い肌をした小太りの男性。アラブの石油王のような外見だが、アラブ人ではなくなぜか純正日本人の名前。ハサドの一連の行動は彼にも予想外だったようで、敗北の際にはかなり取り乱していた。
アンダーマウント社
平成十八年設立。検索エンジン、SNSといったインターネット関連事業を主軸とする。SNSのアクティブユーザーは全世界で16億人超。また、自然科学とりわけ神経科学の研究に注力している。革新的なサービスを矢継ぎ早に発展させ、起業からわずか10年で急成長を遂げたIT企業。拳願会加入からも5年しか経っていないが、すでに企業序列上位に食い込む実力派企業でもある。その功績は社長である太田正彦の手腕と言われているが、社内では「替え玉説」が囁かれている。企業序列第28位。拳願仕合通算戦績:68勝5敗。
- 山下 健蔵(やました けんぞう)
- 年齢=25歳
- アンダーマウント社を立ち上げ裏で牛耳る真の社長であり、何年も引きこもりを続けている山下一夫の長男。幼少期は運動が苦手ながらも聡明な子供だったが、学生のころに人間には「進化」が必要だと考え自室で動物実験を行うようになり、狂気を感じた一夫が対話をやめてからは閉じこもるようになった。この件がきっかけとなり山下家はバラバラになってしまった。通信販売の配達を受け取る以外は一切外界と接触しないが、そのまま家から一歩も出ないまま日本を掌握することを目的としている。ただし、拳願会員資格を持たないため会長になるつもりはない。他人を一切信用しておらず、父親にも秘密で自宅を戦車並みの装甲を備えたシェルターへと改築している。
- 拳願絶命トーナメントに金次第で忠誠を買える呉一族を送り込むが、自分たちを利用しようとしていたことに気付いた恵利央が反旗を翻したことにより命を狙われる立場となる。要塞化した自宅に籠城し「外し」を使った呉一族の部隊を迎え撃ったが拘束されてしまう。しかし山下商事が仕合に勝ったことで見逃され、ひきこもりを止める決意をし、康雄と共にヘリコプターで願流島へ向かう。願流島ではセグウェイを駆り、クーデター鎮圧後に父親と合流、敗退時に父が負うことになる借金の肩代わりを申し出る。
- トーナメント終了後は引きこもりをやめてアンダーマウント社の会長に就任。坂東と面会するため晒首刑務所へ連絡を入れる。
- 太田 正彦(おおた まさひこ)
- 身長=169センチメートル
- 体重=102キログラム
- 年齢=47歳
- 誕生日=11月2日
- 人生で一番傷ついたあだ名=脂身
- アンダーマウント社の社長。前の会社をリストラされたところ、当時中学生だった健蔵と出会い、影武者に抜擢された。『求道の拳』の登場人物で六真会館所属の空手家「牙を持った豚」こと太田正男の実兄だが、本人は運動経験はない。月例報告などのすべての社長業務を行っているが、社員からの評価はさほど高くなく、裏に本物の社長がいるのではないかと囁かれている。その噂は的中しており、すべての業務は山下健蔵の指示通りに行っている模様。彼自身も健蔵のことを「社長」と呼び、心底敬服している様子。呉一族を雇う旨を伝えられた際に大きく取り乱すなど、健蔵と比べると小人物。
- 健蔵の会長就任後も、彼を支えている。
- 呉 雷庵(くれ らいあん)
- 身長=188センチメートル
- 体重=94キログラム
- 拳願仕合初参戦
- 年齢=21歳
- 誕生日=7月26日
- 特技=ムカつく奴を殺すこと
- 趣味=ムカつく奴を殺すこと
- アンダーマウント社の代表闘技者。暗殺集団 呉一族最凶の男。通称『魔人』[注 4]。容姿は若かりし日の恵利央に酷似している。対象を「蹂躙」することを至上とする非常に好戦的な性格であり、あくまでも依頼を受けた標的のみを確実に殺害する呉一族の中で、欲望のままに殺戮を行う異端者である。
- 呉一族が代々伝えてきた武術を使い、古流柔術などの動きにも対応できるほか、自分の血を使った目つぶしなどの喧嘩じみた技も使う。呉一族の肉体改造故に先天的に高い耐久力を誇り、比較的細身といえる体型ながら非常にタフ[注 5]で、呉一族全体で見ても化け物級の身体能力を有する。さらに「外し」により潜在能力を100%解放することができる一族の歴史の中でも一握りしかいないというほどの実力者で、解放の際は全身が変色する程の変化を遂げ、自分より大柄な相手を片手で放り投げる程の怪力を発揮する。これらのことからAブロック一の実力者と見られていた。加納が語った「若槻より格上」の一人。
- 会場では何度か問題行動を起こしており、仕合前には理人を挑発、「外し」を使って一方的に殴って姿を消し、仕合後には御雷にも喧嘩を売っているが恵利央に今後の計画について教えられたため矛を収めた。
- トーナメント1回戦は茂吉と対戦。序盤は西洋武術中心の立ち回りに圧倒されたかに見えたが、「外し」を使い桁外れな力で蹂躙し最終的には生来の耐久力でほとんど無傷のまま勝利した。仕合中会場の全勢力を挑発する行為に出る。2回戦では王馬と対戦。1回戦より力量を上げた王馬に驚かされたものの持ち前の身体能力で徐々に追い詰め、「外し」を発動して「前借り」を使った彼と壮絶な打ち合いを繰り広げ、呉の技を一切使わずに生まれて初めて「勝負」を楽しみ出す。王馬が「前借り」を維持できなくなったのとほぼ同時に自身も蓄積ダメージで「外し」を使えなくなり、それでも単純な力押しだけで攻めたてたが、頸部を攻撃され続けたことで一瞬意識を失いその隙を突かれてラッシュを叩き込まれ、人生で初めての敗北を味わうこととなる。仕合後は王馬より早く回復し、クーデター勃発時には呉一族の一人として守護者の鎮圧に当たる。
- モデルはハイアン・グレイシー[16]。
- 本山 ほたる(もとやま ほたる)
- 身長=158cm
- 体重=49kg
- 年齢=19歳
- 誕生日=3月7日
- 勉強のコツは?=考える前に動こう!
- アンダーマウント社の秘書。『求道の拳』の登場人物で六真会館所属の空手家「空手貴族」こと本山仁の実妹。社長(表)の太田が健蔵(裏社長)に電話をかけているところを目撃しており、社長の秘密にうすうす感づいている模様。拳願絶命トーナメントにも同行する。やや流されやすい性格。
- コスモとは高校時代の同級生。通っていたのは家に近い普通高校だが実は非常に頭がよく、高校在学中に世界的にも最高学府とされるハルバード大学に論文を送った結果学位を得ている。大学卒業資格を得てしまったため、進学はせず就職を選んだ。
- 王、戸塚、岡部
- アンダーマウントに所属する闘技者達。通称「鬼」の王。「鳥人」の戸塚、「魔獣」の岡部。名前とシルエットのみ登場。名前は当時の裏サンデー連載作家から取られている。
ゴールドプレジャーグループ
本編に先がけて単行本3巻の追加エピソードに登場。近年成長を遂げたナイトレジャー界最大手企業。創立時期不明(昭和30年代と推測される)。理乃の代で急成長を遂げ、今やその企業規模は拳願会でも上位に食い込みつつある。グループ名は、江戸時代の吉原の遊郭「快楽楼」に由来する。通称「不夜城からの刺客」。企業序列第25位。拳願仕合通算成績:36勝7敗。
- 御雷 零(みかずち れい)
- 身長=179センチメートル
- 体重=77キログラム
- 拳願仕合戦績1勝0敗
- 企業獲得資産12億1140万円
- ゴールドプレジャー闘技者。通称『雷神』。前闘技者を難なく倒し、正闘技者の座を獲得した。
- 暗殺拳「雷心流」の当主。本来、雷心流は政争の類に一切関わらないことを代々鉄の掟として守っていたが、かつて倉吉理乃の暗殺依頼を受けた際彼女に一目惚れして依頼を放棄、彼女のためにその掟を破って闘技者となり、暗殺拳としての雷心流を終わらせ拳願会の頂点に立ち不殺の境地に至った新たな雷心流を作るために絶命トーナメントに参戦する。
- 戦法はスピード重視。高速で動き続けることで相手を翻弄し、手数の多さを活かして堅実かつ的確に急所攻撃を繰り出し相手を仕留めることを得意とする。反面、常人離れした耐久性の持ち主には素手による「殺す技術」が通じにくいため苦手としている。
- 拳願絶命トーナメントの1ヵ月前にデビュー戦を行い、かつて「滅堂の牙」と対戦したこともある強豪闘技者、中国拳法家の洪と戦うが、圧倒的な力の違いを見せつけて完勝。若槻や関林などほかの強豪闘技者と比較しても尚、力の底が見えないとまで評される実力を秘め、初見泉でさえも存在を気取ることができなかった。
- トーナメント1回戦では根津と対決。文字通り一瞬で勝利を収め、ハサドの持つ拳願仕合最短決着記録を更新した。2回戦ではサーパインと対戦。殺す技の使い手である「暗殺者」としては相性の悪い異常に頑丈な相手に対し序盤から執拗に頭部へ攻撃を集中させたものの、思うように打撃の効果を与えられず苦戦を強いられる。しかし大技の隙を見逃さずカウンターを放ち、さらに脳へのダメージを狙って攻撃を繰り出し手足の骨に大きなダメージを負いながらも勝利し、相手を殺さず倒せたことに達成感を覚える。クーデター中は複数の守護者を相手取り理乃を庇いつつ悠々と制圧したが、3回戦直前に桐生による襲撃を受け真意を掴めぬまま仕合に臨むことになる。3回戦では黒木と対戦、理乃の「命令」で暗示を強化することで自身の限界以上の速度を発揮し、相手の動体視力を超えたものの「先読み」で完璧に対応されてしまい、その速度が仇となって痛烈なカウンターを受けてしまう。極限状態の中で全ての縛りを忘れ手数で押す作戦に移行したが、渾身の下突きを心房の位置に打ち込まれ意識を失い敗北した。
- 使用武術・雷心流
- 1200年の歴史を持つ一子相伝の暗殺拳。建御雷神が創始したとされる。「政争ニ関スル案件、是ニ関ワラズ。」という信条を持ち、過去歴史の表舞台に現れたのは文永の役と第四次川中島合戦のわずか2回のみ。その極意は「雷に成る」ことにあり、「雷神が宿る」という自己暗示によるリミッターの解放と荒業で身につけた走ることに特化した足を使うことで、0からトップスピードまで一瞬で加速することができ、短距離走ならば呉一族をも上回る速度を発揮する。1588年の刀狩令で武士以外の帯刀が禁じられてからは素手での暗殺が主力となっている。速さを重視するがゆえに突進系の技法は全て最短経路を辿るため、軌道が直線的になるという欠点を抱えている。とはいえ、一流武術家の動体視力ですら追えない速度にカウンターで対応するというのは机上の空論でしかなく、3回戦までその速度を攻略できた者はいなかった。
- 主な技
- 雷閃
- 雷心流最速とされる伝統的な型。急加速を利用して、相手とのすれ違いざまに突きを加える技。雷心流独自の鍛錬の末に完成する。ただし体にかかる負担が甚大で短時間しか最高速度は維持できないという弱点もあり、一撃で勝負を決められないほど頑丈な相手には不向き。
- 理乃の能力で暗示を強化することで限界を超えた脅威的なスピードを発揮できるが、その代償として短時間の交戦でも重度の脱水を始めとした肉体的消耗を強いられるという欠点がある。
- 夢幻歩法
- 第65代当主・御雷静(みかづち せい)が考案した雷閃を放つための型。緩急を付けた不規則な歩法。
- 陽炎
- 時代と共に形を変える「常時最新の型」。顔面の経穴である晴明・四白・神庭・迎香・下関・承漿へと部位に応じて打つ型を変え、より深くダメージを浸透させるという突き技。
- 慘雷(サンライ)
発勁・鎧通し・裏当て・徹しなどと同様、外装を透過して内部に直接衝撃を与える技。体を固定して威力を逃がさないようにしたうえで、拳打や頭突きで相手の顎に全衝撃を返すという技。この技だけで仕留めることができなかった場合には、陽炎などを併用して小刻みに頭部へ打撃を与え続けて継続的に脳を揺らし、徐々にダメージを蓄積させて相手を倒す。- 練氣(れんき)
- 雷心流の型の一つで、元は中国から伝わった氣のバランスを整えて伝達をスムーズにする技術とされる。現当主である御雷は氣のなんたるかを完全には理解していないが、不安や焦燥感を打ち消すために戦闘前のルーティンとして欠かさず取り組んでいる。
- 倉吉 理乃(くらよし りの)
- 身長=164センチメートル
- 体重=52キログラム
- 年齢=不明
- 誕生日=5月25日
- 好きな食べ物=バナナ
- ゴールドプレジャーの若き代表。通称『女王蜂』。柔らかな顔立ちにグラマラスなスタイルの美女で、初見からは「拳願会の性的暴風雨(セクシャルバイオレンス)」と呼ばれている。
- 「性本能(種族保存本能)」を武器に「雄」の「自我本能」を抑圧し強制的に傅かせることができる「命令」を発することができるという特異性を持っており、どんな「超雄」も決して逆らうことができないことから「超雌」と称される。ただし判断力が低下した狂戦士となるのを避けるため、「命令」の強度に段階をつけることで制御しやすくしている。さらに指一本で洪の脳内麻薬を止める、トーナメント出場権を強奪しに来た刺客の隠しカメラに気付くなどしており、「下手な闘技者よりも化け物じみている」とまで言われている。
- 御雷零とは下の名前で呼び合い、膝枕をするなど、単なる闘技者と雇用主以上の関係を築いているようである。ただし御雷が戦えなくなった時のために代理の闘技者候補を3名用意して会場に連れてくるという、堅実な経営者としての側面も見せている。秘書たちからは「全てが最高」と慕われるが、彼女たちのあまりの有り様から周囲は何があったのかを聞くことができない。
- 実は東電会長の速水の実の娘。複雑な家庭環境で育ったせいもあって「不自然な死」に対する嫌悪感を捨てられないという、拳願会員としては欠点となりうる弱さを抱える。仕合中に闘技者を死なせないように、一度でも敗れた闘技者には退職するよう「命令」しているが、そのために闘技者が謎の失踪を遂げるという悪評も立っている。
- 森 政志(もり まさし)
- 拳願仕合戦績14勝0敗
- 元ゴールドプレジャー闘技者。通称『暴君』。路上仕込みの喧嘩術で勝利の山を築いた、ゴールドプレジャーの元・正闘技者。相当な強者だったようだが、ゴールドプレジャーの正闘技者を決める戦いにおいて、御雷に瞬殺されてしまう。
- 音市(おといち)
- 身長=161cm
- 体重=52kg
- 年齢=不明
- 誕生日=11月2日
- これだけは言いたい=日サロには行ってない
- GPグループの秘書。GP系列キャバクラのホステス出身で、現在は経営する側になっている。ナイフの扱いが得意で理乃の護衛役でもあるが、実力は一般人以上闘技者未満。日焼けは太陽光だけでするのがポリシー。
- 美音(みおん)
- 身長=161cm
- 体重=52kg
- 年齢=不明
- 誕生日=2月11日
- 悩み=キャラが薄い
- GPグループの秘書。元ホステスで音市と同様の経歴を持ち、戦闘能力も同程度。刃物の扱いが苦手なので鈍器を使って戦う。
岩美重工
昭和二十五年設立。日本最大の機械メーカー。船舶・海洋事業、原動機事業などのほか、兵器開発に注力しており、「兵器のデパート」と呼ばれる世界でも有数の軍需企業である。社訓は「死は金なり」。企業序列第7位。通称「極東の死神軍団」。拳願仕合通算戦績:111勝61敗。
- ムテバ・ギゼンガ
- 身長=199センチメートル
- 体重=122キログラム
- 拳願仕合初参戦
- 年齢=43歳
- 誕生日=8月16日
- 趣味=ファッション
- 今一番欲しい物=休暇
- 洪小虎を超える闘技者を求めた東郷とまりがついに探し当てたプロの傭兵。『虐殺者(ジェノサイダー)』の通称に加え、「コンゴの死神」「伝説の殺戮傭兵」「アフリカの最強生物」「暗黒大陸の殺人マシーン」「非情の拝金戦士」などの様々な異名で呼ばれる。全身余すところなくタトゥーを入れた巨漢の黒人であり、いかにも恐ろしげな容貌をしている。
軍隊格闘術(サイレントキリング)の達人であり、古代中国の暗殺術や経穴攻撃など中国医学にも通じている。過去の戦いの中で視力を失ってはいるものの、ほかの五感によって視力を補って余りある情報把握を行っており、ムテバ本人曰く「常人以上に視えている」らしく、心拍や呼吸を聞いて相手の心理を読んだり、聴覚と嗅覚で会場全体の様子を知覚して見せた。失明時の反省を生かし五感の一部を戦闘中に失うことがあってもほかの感覚で戦闘を継続できるように訓練を積んでいる。シエラレオネで起こった反乱軍のクーデターの鎮圧のため政府から雇われ、その際完全武装した反乱軍を単身・素手で一発の銃弾に当たることなく皆殺しにした。非合理を嫌う性格で、傭兵らしく不用意に深追いしない慎重かつクレーバーな戦闘スタイルが特徴で、効率よく相手を破壊するために急所や負傷箇所への攻撃をためらわずに行い、心理戦も巧み。盲目でありながら常人でも狙うのが難しい眼球を的確に狙う様は「名手」と評される。あくまでも傭兵であるため徒手格闘に精通しているわけではないが、トーナメントの中で急速に格闘技術を培っている。トーナメントのことを「戦い」ではなく、一方的な「人間狩り(マンハント)」と称し、自身を人類最強と称して憚らない。とまりの「命の価値は不平等」と言う考えに同意し拳願仕合に参加、彼女からは「テメーに勝てる人間はこの世に居やしねえ」と太鼓判を押されている。かつて呉堀雄と戦ったことがあり、呉堀雄に「正直、二度と戦いたくない」と言わしめた。狩りこそが我が人生と言う一方で「快楽殺人鬼ではない」とも評しており、殺人をためらうことはないが無用な殺しは嫌う傾向にある。2回戦以降、岩美重工が開発した振動感知、赤外線感知といった5種類のモードを使い分けられる義眼を提供されており、仕合中に性能のモニタリングを行なっている。
サップ風のコーディネートを好む伊達男で、ファッションへのこだわりは非常に強く服のことになると話が止まらなくなる。また絶倫のようで、トーナメント開催地に向かう拳願号の船室内では、とまりにあてがわれた女たちを食い散らかしており、仕合の入場前にもつまみ食いとして女たちを食い散らかしていた。- トーナメント1回戦で目黒と対戦。目黒の柔道技術とダメージにも一切怯まない特異体質に苦戦しつつも、目黒の醜悪さに嫌悪感と侮蔑の念を抱き、目黒を殺処分すると宣言後は、首をへし折り、潰した右目から脳に到達する二本貫手で目黒を殺害し勝利する。2回戦ではマーベラス・セキと対戦。目突きを受け返されて以降は体格差もあって圧倒され両耳を潰されるという痛手を負ったが、研ぎ澄まされた嗅覚を頼りに戦闘を続け、目突きを多用することで生じさせた意識の隙を突いて決定打となる心臓抜きを放つ。それでもなお立ち上がり一撃を食らわされたことで失明以来初めて「戦士」としての本能が疼くこととなったが、セキがすでに戦闘不能であることを察し彼が貫いたプロレスの「流儀」に敬意を表してプロレスの裏投げから3フォールを決めて勝利を飾った。クーデター時には「プロレスの授業料を働いて返す」と嘯いて医務室に駆けつけ、雇い主には内緒で怪我人たちの窮地を救う。3回戦は若槻と対戦。特殊な義眼にも慣れつつあり、相手の隠し球の一つである組み技を経穴をつくことでかわす一方で、圧倒的なパワーへの警戒から一進一退の攻防を繰り広げる。若槻が鼻を狙っていると考えたため、敢えて嗅覚を犠牲にして義眼による捕捉を開始し、一瞬の隙をついて首筋に貫手を放つが目線の動きから目が見えていることを悟られており、筋肉によって受け止められ爆芯で右腕を破壊されてしまう。傭兵としてのスタンスからこれ以上の継戦は本業に差し支えると判断し独断で棄権、仕合後にとまりから詰問され追及をかわすため1回だけ無料で仕事を受ける契約を結び、会場を去った。
- 主な技
- 心臓抜き
- 暗殺で外傷をつけないために古代中国などで使われた技術の通称。肋骨の下をくぐり抜けて心臓に直接軽く触れることでその鼓動を止めるという技で、力はそれほど必要ではないが胸部の筋肉が緩んでいなければ十分な威力は発揮できない。タフネスで知られるセキを一撃で戦闘不能に追い込むほどの威力を誇る危険な技。
- 洪 小虎(ほん しゃおふー)
- 身長=184センチメートル[17]
- 体重=86キログラム[18]
- 年齢=29歳[19]
- 拳願仕合戦績35勝1敗
- 破竹の快進撃を続ける中国拳法家。「極意拳」という流派を修めており、「脳内麻薬のコントロール」こそが最大の奥義。その奥義によって痛覚をシャットアウトできるため、痛みのダメージを無効化し、加減なしの強力な打撃を放つことができる。唯一の敗北は「滅堂の牙」との対戦によるものであり、滅堂の牙と対峙し、再起不能を免れた数少ない闘技者の一人でもある。以来、復讐の機会を待ち続けてその腕を磨いてきた。
- トーナメント1ヵ月前の拳願仕合において、御雷零と対戦。しかし圧倒的な実力差を見せつけられ、両膝を蹴り砕かれ動けなくなり敗北。敗北を認めず砕けた膝で立ち上がるという驚愕の気概を見せるが、理乃の「おすわり」の一言で脳内麻薬の分泌を止められ、蘇った痛覚により完全に戦闘不能となる。
- 東郷 とまり(とうごう とまり)
- 身長=162センチメートル
- 体重=50キログラム
- 年齢=26歳
- 誕生日=10月11日
- 特技=討論
- 趣味=兵器開発
- 兵器製造に力を注ぎ、「死の商人」「日本経済界の奇人」と称される女性経営者。奇抜な言動とは裏腹に確かな経営手腕を持つが、同時に“死の商人”として恐れられ、危険人物としても知られている。
- トーナメント開催の1か月前、当企業最強闘技者である洪小虎を擁してゴールドプレジャーの理乃との拳願仕合に臨むが、思わぬ完敗を喫してしまう。理乃への復讐を誓い、洪を超える闘技者を擁して拳願仕合トーナメントに挑む。
- 凶相な上に言葉遣いも乱暴だが、檜山に女性としての危機意識を持つよう注意するなど、案外面倒見がよい。反権力の塊のような性格であると同時に超合理主義者でもあるため、利益のためにあっさり信念を捨てて拳願会長の座を目指す。同じ合理主義者であるムテバとは雇用主と闘技者という関係においてなかなか相性がいいが、かれの服に関する長話には辟易している。技術の発展に関して柔軟な思考を持っており、その想像力の豊かさはムテバをして「ロマンチスト」と言わしめる。彼に提供し性能試験を行なっている「眼」も、幼少期に見たとあるSF映画を参考にしたものである。
- ユリウスの敗北による東洋電力の求心力の低下、それによる乃木の台頭を危惧しガンダイを自身の傘下に加えようとするも、鹿野と対立(組むことに対してではなく、ガンダイが岩美重工の傘下に入ることに対して拒絶した)。2回戦で勝利した企業の軍門に下る賭けを鹿野と行い、これに勝利したことで拳願会での地位をさらに強固なものとする。3回戦で契約違反でこそないものの勝手に仕合を棄権したムテバに激怒するも、最強の傭兵への無料依頼権1回分をもぎ取ったことで一応は矛を収めた。
- 湯梨浜 房枝(ゆりはま ふさえ)
- 東郷の女性秘書。社長に対しては人命を軽視しているところを問題視している。社長の付き添いで、テロ鎮圧や新兵器のプレゼンをするために世界各地を飛び回っているため、非常に多忙。
義伊國屋書店
日本書店業界の頂点に立つ企業。バーなどにも出資している。企業序列第19位。
- 金田 末吉(かねだ すえきち)
- 身長=170センチメートル
- 体重=73キログラム
- 拳願仕合初参戦
- 年齢=27歳
- 誕生日=10月30日
- 好きな将棋の駒=桂馬
- 大屋健が将棋センターで意気投合して連れてきた、和服で細目の男。かなりの腕を持つ将棋指しであり、トーナメント前のパーティー会場で賭け将棋を行い、挑戦者をことごとく破っている。このとき大屋に連れて来られた山下も対戦しているが、やはり完敗した。父親はすでに死亡しており、兄一人姉三人がいる。
- 虚弱体質で物心つく前から何度か死にかけている。幼少期から父の友人のもとで紅人流を学んでいたにもかかわらず高校時代は筋力・持久力共に女子生徒に劣っており、現在でも「格闘技経験があるのかも疑わしい」と評される程度の動きしかできない。しかし、強さへのあくなき渇望から習得した「先読み」という技術を使うことができる。
- 実は大屋に接触したのも「弱者」として強者に挑戦するべく、闘技者になってトーナメントに参加するという目的のためであり、彼が抱える闘技者である氷室に目をつけ「先読み」のために監視を行っていた。闘技者の座を譲るよう氷室に勝負を挑み、当初は氷室の攻撃に全く対応できず防戦一方だったが、肋骨のヒビや内臓へのダメージを受けながらも「先読み」により氷室の動きを見切ったことで徐々に氷室を追い詰め、右腕を破壊し勝利した。それによって大屋から実力を認められ、氷室に代わって義伊國屋代表闘技者となる。『大物喰い(ジャイアントキラー)』の通称で呼ばれる。
- 大久保、理人、氷室と一緒にいることが多く、串田に四人まとめて「4バカ」と呼ばれており、その中では一番常識人だがそれゆえに若干影が薄く、単行本の表紙にも唯一登用されていない。顔のパーツが串田凛とほぼ同じことを指摘されているが本人たちに自覚はない。また、高校時代はこの技術を用いて後にプロとして活躍することになる3名のスポーツ選手をそれぞれの専門競技で打ち破っており、将棋部ながら「四天王最強の男」と恐れられていた。カラオケでは盛り上げ専で、妙にキレのある動きを見せる。また、たまにホモっぽい言動をとることもある。プロレスファン。
- 1回戦でガオランと対戦、防戦一方になりながらも本音をぶつけて相手の本気を引き出し、全力のガオランに10手先まで読んでくらいついたが力およばず敗北する。実は氷室戦でのダメージが抜けきっておらず、戦法自体もトーナメント戦に向かないことから氷室からも棄権を勧められていたが多数の鎮痛剤を用いた状態で1回戦に仕合に臨んでいたことが仕合後に明らかになった。
- 使用武術・紅人流
- 戦場における甲冑武者同士の戦いを前提とした介者剣術の流派。投げで相手を崩して武器で仕留めることを目的とする武術なので、突き技や蹴り技もあるとはいえ単純な殴り合いに特化した武術との相性は悪い。
- 主な技
- 釣瓶落とし
- 突きを予測して相手の懐に入って首を取り、顎を抑えたまま後頭部から地面に叩きつける技。
- 下弦薙ぎ
- 体勢を一気に低くして足払いをかける技。
- 梯子外し
- 相手の突き手を取り、そのまま体を捌いて関節を取る技。相手の体勢が崩れていれば体ごと倒れてそのまま肘を折る。
- 天地返し
- 相手の突き手を躱し、抱え込むような形で腕を取って投げる技。投げの後は腕を極める。
- 陰陽交差構(オンミョウコウサノカマエ)
- 左腕を振りかぶり右手を腰溜めに構え、左足を前に出して半身になった構え。
- 主な技術
- 先読み
- 詰め将棋をイメージして金田が身に着けた高度な攻撃予測技術。事前に相手の動きを読み、相手が動く前に攻撃を回避するという芸当を実戦の場で行っており、その技術は超人の域に達している。見たことのない攻撃に対しては対応が遅れるという欠点があるが、完全な状態では動体視力で捉えきれないような攻撃にも対応できる。ただし、先読みするには相手の動きをしばらく観察する必要があり、体力のない金田はダメージを最小限にとどめるため序盤防御に徹しなければならない。
- 氷室 涼(ひむろ りょう)
- 身長=181センチメートル
- 体重=82キログラム
- 拳願仕合戦績4勝0敗
- 年齢=25歳
- 誕生日=3月17日
- 好きな映画=「カクテル」
- 義伊國屋代表闘技者。通称『氷帝』。普段は義伊國屋グループ出資のバーでバーテンダーをしている、褐色の美青年。喫煙者。4勝無敗の少ないキャリアながら、すでに強豪闘技者と並び称されるに至り、義伊國屋歴代闘技者最強と見込まれる程の実力者。王馬とは同郷にあたる「狼弎」の出身で、およそ15歳の時に非合法に戸籍を用意して「中」から出る。
截拳道の達人であり、直突きを基点とした高速のコンビネーションを最大の武器とする。また治安の非常に悪い地域で生まれ育ったこともあって武器の扱いも一通りこなし、片腕でも十分に強い。- 絶命トーナメント直前、拳願号の船中で金田末吉に出場権をかけた勝負を挑まれ、序盤は圧倒するも、動きを見切られた末に腕を折られ頭に血が上ったため動きが読まれていたことに気付くことができないまま敗北、闘技者の座を奪われた。しかしその後は特に遺恨もなく金田と共に交遊するなど良好な関係を築いており、弱者でありながら高みを目指し挑み続ける姿勢に対し「最ッ高に格好いいぜ」と高く評価している。また、女性にモテるらしく女の子の連絡先を入手しては理人や大久保にいじられている。チャラ男だが自覚はなく、二階堂や桐生に同族嫌悪のような反応を示しては周囲を呆れさせている。大久保によると「声までナルシスト」。
モデルは氷室京介。[要出典]- 使用武術・截拳道
- 大屋 健(おおや けん)
- 身長=164cm
- 体重=78kg
- 年齢=65歳
- 誕生日=9月14日
- こだわり=酒ならなんでも飲む
- 義伊國屋書店会長。常にワンカップ酒で酔っ払っているが、闘技者を見る目は確か。モットーは「よく飲み、よく遊べ」で、死ぬまで酒はやめないと公言している。
- 27歳のときに拳願会に加入して以来、32年もの間、闘技者同士の戦いを見届けてきており、自身も東西、老若を問わず純粋な強さを持つ闘技者のみを雇ってきた。その中でも最強と見込んだはずの氷室が敗北したときには少なからず動揺していたものの、迷うことなく勝者である金田を代表闘技者に変更している。打算で動く自分のような商人とは違い、純粋に夢を追う闘技者を少し羨んでいる。
- 十鬼蛇王馬と関林ジュンの戦いの際に、自分に絡んできた山下を気に入り、後日酒を酌み交わして意気投合、互いに「ケンちゃん」「カズちゃん」と呼び合う仲になる。願流島でも多くの時間で行動を共にし、和夫が出版社を辞める際には、嫌味な上司に一泡吹かせようと、義武と一緒に高級車で迎えに来た。
西品治警備保障
昭和三十七年設立。国内最大級の民間警備会社。子会社には損害保険会社、防災設備メーカー、データセンター事業などを有する。社長に見出された「西本治七拳」と呼ばれる優秀な7名の闘技者を擁している。企業序列第26位。通算戦績288勝62敗。
- 今井 コスモ(いまい コスモ)
- 声-花江夏樹(ドラマCD) / 榎木淳弥(Webアニメ)[4]
- 身長=171センチメートル
- 体重=68キログラム
- 拳願仕合戦績21勝0敗
- 企業獲得資産792億1200万円
- 年齢=19歳
- 誕生日=1月30日
- 好きな女性のタイプ=年上(お姉さん系)
- 西品治警備保障の代表闘技者。大学生。0巻第壱話の主人公。通称『絞殺王(キング・オブ・ストラングラー)』。史上最年少の14歳で闘技者となり周囲からは『天才』と呼ばれる。昔は誰かれ構わず喧嘩を売るほどの不良で、喧嘩を吹っ掛けたヤクザに殺されかけた所を『求道の拳』に登場する総合格闘家の暮石光世に救われ、それが縁で彼に弟子入りし武道を歩むこととなった。マイペースで人懐っこい性格から高校時代はグループを問わず友人が多く、ベテラン闘技者である関林や若槻とも仲がいいだけでなく、トーナメントの対戦相手だったアダムにも親しげに接しており、社会的な地位も高くかなり年の離れた滅堂とはたまに家に遊びに行くような仲。周囲からは子ども扱いされるのが悩みの種。自分が闘技者をしていることは1歳下の弟をはじめ家族にも秘密にしているが、時折ぼろぼろで帰ってくるためうすうす感づかれている。かなり純情で女性に対する免疫がない。
- 戦闘スタイルは柔術がベースで、闘技者でも屈指の寝業使いとして知られ、主に絞め技を得意とする。ただし、「切れやすい肌」と言われる擦過傷を負い易く血が止まりにくい肌質なので、上着を着ないで寝技をかけると地面の状態によってはダメージを負うことになる。師匠が得意とする関節技はあまり使用しなかったが、死闘の中で覚悟が決まったこともあり相手の骨を折ることへの躊躇を無くしている。打撃センスも高くさすがにヘビー級の相手を打撃だけで倒すことこそできないものの、闘技者としては小柄ながらミドル級以上の打撃を繰り出すことができる。普段の態度とは裏腹に、戦いの場では相手を威圧するほどの気迫を持つ。「天才」と称されながら苦戦を強いられることについては、若さと信念の不足から詰めの甘さを見せるためであると指摘される。本当は「勝つこと」が好きだが、絶命トーナメントまでは「闘うこと」が好きだと思い込んでおり勝利に対する執着心に欠ける面が見られた。
- 自分が闘技者であることに誇りを持っており、トーナメント開始前にはただ金のために闘技者枠を奪い取ろうとした敵を容赦なく倒している。本戦ではアダムと当たり、序盤は圧倒するも彼の圧倒的はパワーの前に得意の絞め技を封じられてしまう。本気を出し『ゾーン』を解放することでアダムを破り、前腕にヒビが入るなど満身創痍で2回戦に駒を進めた。2回戦では確実に絞め技を決めるため上着を脱ぎ序盤からあえて打撃技のみで攻め立てる。一瞬の隙をついてゾーンを開放するが、殺人衝動により変貌した阿古谷に力技で技を解かれてしまう。突如殺し合いに身を置いたことに恐怖し降参しようとしたが口を封じられ、組み伏せられて肋骨を折られる。激痛から失神した時に師匠からの言葉の真意を悟り、勝利をつかむため土壇場で覚醒、アドレナリンが切れてなお執念を見せつけ、左大腿動脈損傷、肋骨3本の骨折など重傷を負いながらも辛勝する。そのダメージは大きく車椅子が手放せない状態ながらも、意識ははっきりとしている。仕合後の移動中にクーデターに巻き込まれてしまうも、護衛者トップクラスの強敵である龍と立ち会い新たな技能を獲得しようとする。だが何かを掴む前に龍が戦う必要性を失い逃走したため、不完全燃焼に終わる。その後西品治から闘技者交代を宣告されるも、代理候補である大久保に勝ったことで出場権を確保し3回戦に臨む。3回戦では王馬と対戦、満身創痍とは思えない猛攻を繰り広げ、「先読み」により彼を苦しめ「負けたくない」意地から躊躇なく骨を破壊できるようになる。折れた肋骨によって内臓が傷つきながらも戦い続け、先読みとゾーンで勝利を確信したがさらにその裏をかかれ「水鏡」により絞め落とされ敗北した。
名前の由来は山陰地方に展開する今井書店とブックセンターコスモより。[要出典]- 使用武術・柔術
- 主な技術
- ゾーン
- 相手が攻撃に全意識を集中させる0.1秒にも満たない刹那を見極めて死角を突く技。天才であるコスモ以外不可能であるとされている。
- 大蛇絡め
- 相手の背後から組み付き足で両腕を拘束して動きを封じる技で、そのまま裸締めを掛けて意識を奪う。師匠の暮石が開発した我流の技。
- 先読み
- 相手の行動を予測する技術。元の使用者である金田のように10手先まで読むことはできず、せいぜい1、2手が限度だが、反射神経と身体能力で直後の行動にだけ適切に対応できるよう補う形とした。これにより反射神経で劣るコスモでも阿古谷と瞬花が連携して行っていた戦術が可能となり、オリジナルとは別の技術へ進化している。
- 西品治 明(にしほんじ あきら)
- 身長=175センチメートル
- 体重=66キログラム
- 年齢=30歳
- 誕生日=8月12日
- 特技=硬式テニス
- 趣味=日焼け
- 西品治警備保障の社長。色黒の爽やかな男。ペナソニックの瓜田や良とは幼なじみ。高校時代、良の父親の手で自身の父親を殺されているが父が速水の忠臣として相当あくどいことに手を染めていたことを察していたため良を恨んではいない。暮石のジムの後輩であったことから、彼の弟子であるコスモからは「先輩」と呼ばれている。コスモを弟のようにかわいがり、未成年の彼を「社会勉強」と称してキャバクラに連れて行くなどかなりヤンチャ。ちなみに、コスモの父は高校時代に所属していたサッカー部のOBである。自身も格闘技経験があることから闘技者を見る目は確か。「善き弱者」であることに意味はないという考えを持ち拳願会長になるという野望を持つが、一方で自身の野望のためにコスモを犠牲にしていることに罪悪感を覚えている。
- 絶命トーナメントでは西品治七拳の中で最も伸び代があると踏んだコスモを代表に選出し、彼が仕合の中で成長させて次の大会で会長の座に着こうと狙っていた。2回戦終了後のクーデターでは父からの縁で勝社の中では唯一呼び寄せられ、速水の下につくよう説得されたが拒絶した。クーデター鎮圧後にはコスモに3回戦の闘技者交代を宣告するが、彼の熱意を受け交わした約束を守り3回戦出場を認めた。3回戦でコスモが敗北した時には自身の真意を語り、彼を過小評価していたことと自身を過大評価していたことを詫び、もっと上を目指すよう励ました。
ボスバーガー
昭和47年創業。日本発祥のハンバーガーチェーン。日本人の好みに合わせたハンバーガーを開発、販売している。ハンバーガーフランチャイズの国内シェア率第2位。ハンバーガーの本場アメリカにも進出している。企業序列第15位。拳願仕合通算成績:52勝31敗。
- アダム・ダッドリー
- 身長=192センチメートル
- 体重=107キログラム
- 拳願仕合戦績1勝0敗
- 企業獲得資産76億4600万円
- 年齢=28歳
- 誕生日=2月22日
- 趣味=銃のコレクション
- ボスバーガーの代表闘技者。元はアメリカのアイスホッケーチーム「テキサス・スノーマンズ」お抱えの乱闘要員で、テキサスのストリートファイト・チャンプであるパンク・アボットを倒した所を見初められ、原口にスカウトされる。通称『皇帝』。父親はブルライダーで、好物は牛全般。在日2カ月で、箸は苦手だがラーメンも好みらしい。
- アイスホッケーで培った発達した脊柱起立筋に基づく強靭な体幹を最大の武器とする強力なストライカー。足場の悪い氷上でさえ相手を殴って昏倒させ、体格差があればマウントを取られて腕を振りかぶれない状態でも一撃で相手を倒せるほど。腰の入った打撃を放てる環境ならばただのパンチだけでヘビー級の格闘家をも一撃で吹き飛ばし、その威力は最早交通事故の域に達しており、アメリカではその力でヘビー級相手にKOの山を量産してきた。
- トーナメント1回戦ではコスモのマウントポジションを強引に解きストライカーの土俵に持ち込むなど善戦するも、ゾーンを開放したコスモに三角絞めを極められ敗北する。仕合後すぐに意識を取り戻し、西品治警備保障の面々と行動を共にしている。登場時は傲慢で口の悪い性格のキャラクターだったが、自分を倒したコスモともその後は良好な関係を築いており、本人の気分としては既に西品治警備保障所属のつもりでいる。自分が負わせたものとはいえコスモの負傷を心配しており、2回戦開始後に彼が万全の状態ではないと知ると交代を申し出なかったことを悔やんでいる。2回戦終了後、東電の龍が率いるD班と交戦。ガオランと共闘し大半を撃退することに成功したが、青龍刀による隙のない斬撃を振るう龍には歯が立たなかった。脇腹を深く切られ重傷を負わされる。大事には至らず治療を受け回復したが、西品治から打診されていたコスモの代理は断らざるを得なくなる。
- トーナメント終了後は日本に残留し、拳願仕合でリベンジするべく喧嘩との違いに苦労しながらも暮石から格闘技術の猛特訓をつけてもらっている。
- 「ダンベル何キロ持てる?」にも登場。テキサスで立ち往生していたひびきたちをハリウッドまで連れて行った。
- ロナルド 原口(ロナルド はらぐち)
- 身長=186cm
- 体重=73kg
- 年齢=39歳
- 誕生日=5月15日
- 嫌いな食べ物=フライドチキン
- ボスバーガー社長。拳願会では若手の部類だが、経営手腕は確か。インパクトのある顔は、メイクではなく素顔。実はハンバーガーよりラーメンが好物で、将来はラーメン業界に参入したいと考えている。
- ノリが軽く乃木に絡むも一蹴されてしまう。速水の下についていたため、クーデター鎮圧後に拘束されることとなる。
若桜生命
明治22年創業の生命保険会社。企業形態は相互会社。保有契約高業界首位であり、機関投資家としての規模は拳願会でも最大級。企業序列第11位。通算戦績:1366勝909敗。
- 阿古谷 清秋(あこや せいしゅう)
- 身長=191センチメートル
- 体重=114キログラム
- 拳願仕合戦績39勝0敗
- 企業獲得資産1911億1500万円
- 年齢=31歳
- 誕生日=4月4日
- 好きな言葉=正義
- 好きな食べ物=納豆
- 若桜生命の代表闘技者。表の世界では警視庁の機動隊隊長を務める。階級は警部。『処刑人』の通称が示す通り、夜な夜な暴力団・凶悪犯・過激派といった「悪」を秘密裏に始末している。
- 使用する武術は逮捕術で、大盾など機動隊の使う武器をイメージした型を繰り出す。相手の攻撃に対して軸をずらしていなすことを得意とし、体重差が3倍近くある相手の攻撃を受けても顔色一つ変えない不自然なまでの耐久力を誇る前腕を持つ。
- 真の武器は圧倒的な速さの反射速度で、常人で0.08から0.1秒程度のところを清秋の場合0.075秒と推測される。それに加え、気の遠くなるような反復練習を行ったことで思考を放棄して反射レベルでの攻撃が出せるようになっている。さらに、瞬花の体内時計を利用し、体内に埋め込んだ超小型骨伝導インプラントから伝わる信号を読みとり、解析した攻撃のパターンに合わせて的確な反撃を繰り出すことで、相手に何もさせずに勝利することを得意とする。金田の先読みと似ているが、金田が「動きを予測して相手が行動を起こす前に回避」するのに対し、阿古谷は「反射神経を活かして相手が動き始めてから反応して回避あるいは防御」するという違いがある。0.1秒に満たない意識の隙をつくコスモの「ゾーン」に対しても、檜山からの通信が一瞬遅れたにもかかわらず意識を切り替え防ぐことができる程である。
- 処刑人を続けるうちにいつしか悪に魅入られ殺人衝動を抱えるようになり、いわゆるダーティハリー症候群に陥っている。仕合中に檜山の指示を受けているのも殺人衝動を抑え込むための措置であり、この関係が崩れると普段の堅実なものとは異なる残虐な戦闘スタイルに変化する。また始末しているのは凶悪犯に留まらず、本人は善良な市民であっても血縁者に凶悪犯がいるような者も「悪の芽」として殺害している。
- トーナメント1回戦では河野春男を相手に終始圧倒、途中で春男の攻撃の質が変わったことで檜山の解析が役に立たなくなるというアクシデントにより殺人衝動に呑まれかけるが、自滅に近い形で春男が戦闘不能となったため結局は全ての攻撃をさばき切りほぼ無傷で勝利する。2回戦ではコスモと対戦、檜山とのコンビネーションで彼のゾーンを封じるが自分たちの不正が西本治に暴かれたことがきっかけとなり、殺人衝動を開放してしまう。自身の殺意に臆したコスモを組み伏せ拷問のように肋骨をへし折るが、土壇場で覚醒した彼の猛攻を受ける。大蛇絡めをかけられても壁や地面に叩きつけて振りほどき、止めを刺そうとしたところでゾーンからフロントチョークをかけられてしまい、折った肋骨を連打して抵抗したがコスモの執念に負け意識を失い敗北した。2回戦終了後の東電によるクーデターの際は、守護者を「悪」と判断し殺害しようとするが、滅堂から殺さないよう命令を受けていた加納に止められる。「正義執行を妨げるなら貴様も殺す」と加納に詰め寄るが、まずは守護者を排除するべきであると説得され同意。加納と共に守護者を殲滅した。
- キャラクターモチーフは「ウォッチメン」のロールシャッハやパニッシャー[20]。
- 使用武術・逮捕術
- 主な技
- 大盾
- 頑丈な左前腕を機動隊が使用する盾に見立てた構え。反射神経を生かし、攻撃の軸をわずかにずらして受けてダメージを抑えることで、檜山の「解析」が終わるまでの時間稼ぎを行う。
- ガオランからは受け流してるとはいえ、体重が300kg以上ある春男の攻撃にダメージを受けてるそぶりを見せてないことから鉄で出来てるのかと内心驚嘆されていた。
- リッパー
- ナックルパートの部分を使い、拳の回転で皮膚をカットする技。理人のレイザーズ・エッジとは違い出血の割に与えるダメージは少ないが、傷口から肉を直接抉るための布石として使われた。
- 制圧の構え
- アギトがトーナメント1回戦で見せた前傾の構えをアレンジした、攻撃に特化した阿古谷オリジナルの構え。
- 檜山 瞬花(ひやま しゅんか)
- 身長=150センチメートル
- 体重=43キログラム
- 年齢=28歳
- 誕生日=6月27日
- 趣味=着物の収集
- 嫌いなもの=孤独
- 若桜生命社長。絶対にズレない正確な体内時計を持っており、トーナメント時のくじ引きでも2番目に高い数字を出した。体内時計を利用して相手の呼吸を読み、次の行動パターンを予測できる。
- 父と叔父が急死したため6年前に社長の座を引き継ぐ。信頼していた従兄で副社長であった健人が家族殺しの真犯人で、自身も命を奪われかけるが阿古谷に救われ彼に過剰な依存心を抱くようになる。清秋とは肉体関係を持つと同時になかば共依存のような関係にあるらしく、彼に見捨てられそうになった際には激しく取り乱していた。こういった経緯もあって阿古谷の殺人を黙認しているだけでなく、拳願会員の力を使って標的の情報を収集するなど共犯関係にある。また、彼の目指す「悪のない世界」においては自身も血縁者に犯罪者がいる「悪の芽」であることから、いつか彼の手にかかり死ぬことを覚悟して受け入れている。
- 小柄かつ着物姿なので、スピンオフではとまりやアダムに座敷わらしと言われていた。
- 檜山 健人(ひやま けんと)
- 若桜生命の元副社長で瞬花の従兄。会社の乗っ取りを画策し先代社長と先代副社長を殺害、何食わぬ顔で瞬花に近づき5年前に彼女を絞殺して会社の実権を奪おうとしたが、突如現れた阿古谷に首を圧し折られて死亡した。
NENTENDO
ゲーム会社。拳願会最古の派閥『三傑』の一社。企業序列第10位。
- 河野 春男(こうの はるお)
- 身長=242センチメートル
- 体重=315キログラム(ハル時158キログラム)
- 拳願仕合戦績4勝0敗
- 企業獲得資産3102億4600万円
- 年齢=22歳
- 誕生日=3月17日
- 好きな食べ物=脂っこい物・味付けが濃い物全般
- 嫌いな場所=電気がない所
- NENTENDOの代表闘技者。本名はハルで、秋男の養子となり改名した。かつてはヒマラヤの山奥にある戦士の村で1番の戦士で幼少期から素手で猛獣を倒すなどの伝説を残した怪童で、「闘神(インドラ)の化身」と畏怖された最強のグルカ兵だった。しかし、来日後に贅沢な暮らしを覚えてしまった結果、明るかった性格も短気で陰鬱になり、引き締まっていた身体も醜く肥え太った外見になってしまった。通称『デストロイヤー』。
- 使用する武術は特に無いが、持ち前の身体能力と天性の格闘センスを武器にする。蹴りを躱してバク宙するなど肥満体とは思えない身軽さで巨体を意のままに操り、タックルで阿古谷を闘技場の壁まで吹き飛ばす規格外のパワーを持つ。
- 1回戦では阿古谷と対戦し圧倒的なパワーで攻め立てるが、間を読まれすべての攻撃を捌かれた上に集中攻撃を喰らい意識を失う。直後闘争本能のみで立ち上がり、医学的にありえない速度で痩せながらそれまでより遥かに威力の増した攻撃で一時は阿古谷を追い詰めたかに見えた。だが、序盤に阿古谷が膝を狙い続けたことで自重に耐えれなくなり倒れ、顔面への前蹴りで完全に意識を断たれ敗北した。敗北後、「仕合に勝てないお前に用はない」とばかりに秋男に捨てられる。その後、関林と鬼王山の仕合を見て感化され、関林に弟子入りし、以前の明るく礼儀正しい性格を取り戻す。2回戦後の東電によるクーデターの際は、山下を庇いながら医務室の面々と共闘し守護者の撃退に努める。山下を別室に逃し守護者たちと交戦する中で蘭城にレイピアで胴体を貫かれ重傷を負うが、治療を受け回復しヤクと再会を果たす。
- トーナメント終了後は正式に超日本プロレスに入門。秋男との養子縁組も解消されたが、良い関係ではなくとも日本に連れてきてもらった恩はあると考え、貰った名前は大切にしようと改名はしていない。
- 河野 秋男(こうの あきお)
- 身長=150cm
- 体重=51kg
- 年齢=63歳
- 誕生日=7月29日
- 好きな物=寿司
- NENTENDO社長。丸く太った外見をしている。根っからの小悪党だが、商才はある模様。三傑の内の一社としてもプライドからか、拳願会での地位復権に異常な執着を見せている。
- ハルを堕落させる一因を作った男。自社の代表闘技者とすべく春男ことハルをスカウトして養子として迎え入れたが、春男がしょっちゅう暴れては家を壊すのが悩みの種になっている。トーナメントで春男が負けたことで春男を見捨てた。実は速水の下についており、クーデター鎮圧後に拘束される。トーナメント終了後、クーデターの責任を追及され社長を引退した。
セントリー
『三傑』の一社。企業序列第20位。
- 茂吉・ロビンソン(もきち・ロビンソン)
- 身長=189センチメートル
- 体重=99キログラム
- 拳願仕合戦績48勝0敗
- 企業獲得資産7088億3490万円
- 年齢=34歳
- 誕生日=2月27日
- 影響を受けた映画=ウォリアーズ、さらば青春の光
- 不良時代の特技=カツ上げ
- セントリー代表闘技者。通称『滅殺する牧師』。牧師の成りをしており優しい笑みを浮かべているが、烈堂に並ぶシスコンであり、異母妹のエレナのためなら不良時代を彷彿させる様な容赦ない性格と口調を見せる。使用する格闘技はバリツ。世界でも唯一の継承者であると見られている。
- かつては修行を押し付ける父に嫌気が差して家出をし、バリツを用いて悪事を働いていたこともあった。しかし、父の死後その友人である牧師のもとに身を寄せることになり、その時初めて会ったエレナと暮らすうちに「血」の尊さを知り、次第に慈愛溢れる性格に変わっていった。
- トーナメント1回戦では雷庵と戦い、ボクシングを軸とする立ち回りで序盤は善戦するも、「外し」を使用した雷庵に圧倒的な力の差を見せつけられ敗北。当初は殺害されたかと思われたが、英の処置で一命を取り留める。しかし首に大ダメージを受けたせいか、仕合後数日間人工呼吸器に繋がれたまま昏睡に陥り、最終日にようやく目覚める。
- 治らないような怪我では無いとのことだが、四肢がまだうまく動かせず、トーナメント終了後は闘技者に復帰するため、イギリスに帰国してリハビリに励んでいる。
- モデルは「人間風車」ことビル・ロビンソン[21]。
- 使用武術・バリツ
- 多流派の技術を積極的に取り入れる「無遷流(むせんりゅう)」を使う幕末最強の武術家琴浦茂之介(ことうら しげのすけ)が、大英帝国に渡り完成させた武術。日本武術と西洋武術を融合させた多彩な動きが特色で、古武術の指関節・柔道の投げ・ボクシングの華麗なフットワークと痛烈な拳打などを組み合わせている。
- 橋田 敬(はしだ たかし)
- 身長=165cm
- 体重=68kg
- 年齢=66歳
- 誕生日=2月28日
- 今したいこと=隠居
- セントリー会長。眼鏡の老人。同じ派閥の秋男とつるんでいるが、悪人ではない。トーナメント終了後には、引退して気ままに余生を過ごしたいと思っている。
ペナソニック
昭和十年設立。日本最大の電機メーカー。運営は代々、創業者の瓜田一族が務めている。子会社には住宅総合メーカー、民間シンクタンク(研究機関)などがある。企業序列第9位。3一人もの闘技者を抱えながらも特定の者を偏重せず、最適な駒を相手にぶつける方針をとっている。拳願仕合通算成績554勝402敗。
- 因幡 良(いなば りょう)
- 身長=155センチメートル
- 体重=62キログラム
- 拳願仕合初参戦
- 年齢=30歳
- 誕生日=11月4日
- 趣味=髪の手入れ
- 苦手なこと=散髪
- ペナソニック代表闘技者。暗殺拳・因幡流の当主。通称『黒呪の亡霊』。
- 床まで届く長い髪と四足歩行と言う不気味な出で立ちの男だが、長髪の下は意外と愛くるしい顔立ちをしており、結構明るい性格をしている。数寄造とは主従関係と言うよりは幼稚園のころからの親友である。西品治とも幼馴染の仲で、プライベートでは「瓜やん」「あきらん」と呼ぶ。自身の父親は数寄造の父親の命令で西本治の父親を暗殺した際に用心棒と交戦して致命傷を負い死亡しているため、高校生で当主の座を引き継いでいる。
- 自身の生業である暗殺業に誇りをもっており、目黒やムテバのような快楽殺人者と一緒にされることを嫌う。暗殺者としては優秀で「殺す技術」以外も身につけているが戦闘スタイルは本来仕合向きではなく、暗殺者としての本領を発揮できる奇襲こそが最も得意とする戦法で多対一の乱戦にも強い。
- トーナメントでは王馬と戦い、髪を利用する奇抜な戦法で戦いを優位に進めていたが、本気を出した彼に力およばず敗北する。治療後は西本治の依頼で、2回戦が行われる中で檜山が雇った闘技者並みの経歴を持つ護衛4名を、無傷のまま無力化している。
- 使用武術・因幡流
- 特殊な薬剤で強化した毛髪を自在に操り、体術と合わせたトリッキーな攻撃が特徴の暗殺拳。同業者である呉一族とは商売敵の関係。当主は代々瓜田家に仕えている。
- 主な技
- 躙り(にじり)
- 因幡流独自の歩法。足の指の力のみを使って移動し、歩幅と速度をばらけさせて動きを読みにくくする技。
- 蜘蛛髪(くもがみ)
- 長髪を自在に操る技。強化された髪はワイヤーのように強靭であり、相手の体制を崩す、締め付けて動きを封じる、自分より重い相手を投げ飛ばすなど幅広い用途を持つ。束ねて振り回し、鞭のように相手に叩き付けることも可能。なお、普段は別の薬剤を使って髪をまとめている。
- 巻き打ち(まきうち)
- 倒立姿勢から腕力で伸びあがり、踵落としを繰り出す。
- 瓜田 数寄造(うりた すきぞう)
- 身長=170センチメートル
- 体重=55キログラム
- 年齢=30歳
- 誕生日=5月14日
- 趣味=眼鏡の手入れ
- 特技=宴会芸
- ペナソニック社長。因幡とは幼少期からの友人であり家柄では上下関係があるものの気軽に接する。傀儡として速水からの命令に従い良の父親に明の父を殺すように命じた自分の父親を蹴落として、23歳で社長に就任した。卓越した分析力で6年間無敗を通している。幼少期から眼鏡をかけているため、眼鏡をはずすと付き合いの長い良ですら一瞬誰か分からなくなる。
- 山下一夫に自社株10%(2800億円相当)を賭けた勝負を持ちかけるも敗北。王馬の一言でその賭けが有耶無耶になりそれを飲んだ山下一夫の度量の深さに感嘆する。2回戦では西本治に若桜生命の不正の証拠をつかむよう頼まれ、電子機器の専門家として不正な無線の送受信が行われていたことを突き止めた。
古海製薬
天明元年創業。国内第2位の売上高を誇る日本5大医薬品メーカーの一つにして、「四龍」の一社でもある拳願会の古豪。高血圧治療薬を主力商品とし、近年はそのほかの医薬品の創薬・開発にも注力している。企業序列第5位。拳願仕合通算戦績812勝280敗。
- 若槻 武士(わかつき たけし)
- 身長=193センチメートル
- 体重=193キログラム
- 拳願仕合戦績306勝2敗
- 企業獲得資産3兆2773億9500万円
- 年齢=40歳[22]
- 誕生日=3月10日
- 趣味=家飲み
- 性格=意外とズボラ
- 古海製薬代表闘技者。0巻第弐話の主人公。通称『猛虎』。拳願仕合歴代最多勝利数闘技者であり、自社の勝利の3割超をたった一人で叩き出している。資産家の家系の出で、祖父の代から古海製薬とは縁があった。現役最古参闘技者の一人であり、成人前から古海製薬の闘技者として活躍していたためそのキャリアは20年以上になる。コスモや関林と親しく、初見には過去に敗れているが友好的に接している。普段は温厚だが、8年前に自分を倒した加納に対しては闘志をむき出しにする。携帯電話の地図機能を知らないなど、機械には疎い模様。
- 「超人体質」の通称で呼ばれる常人の52倍にもなる筋繊維密度を先天的に持っていた。その異常なまでの筋密度のため見た目以上に体重が重く、出生時の体重も一般的な新生児の4倍近い12150gもあり、吉成や鬼王山に比べれば細身な体型に描かれているが絶命トーナメント参加者の中でも3番目の重量を誇る。小学1年生の時からチタン合金でできたゲームのコントローラーを握りつぶしてしまう程の怪力を有し、当時はその怪力を持て余して苦しんでいたが、古海平八に「自分の本気がどれくらいか把握しておいたほうがよい」と言われ本気で平八を殴り飛ばし、自分の全力を知ったことで力の制御が出来るようになった。まだ身体ができていない小学5年生の時点で同時に複数人の高校生を病院送りにする程の実力を持っていた模様。加齢による筋力の衰えとも無縁で、現在の攻撃力は素手でコンクリートを砕くほどであり、筋力だけを見れば呉一族をも凌駕する。アダムからは「底が見えない」と評されているほか、超稀少な体質の持ち主であることから「医学史に残る超特異体質」「突然変異的に生まれる『怪物』」「先天的に超人的な耐久力を持つ」と述べられている。
- 幼少期から日本最大のフルコンタクト空手団体「六真会館」に籍を置き空手を学んでいたが、裏社会とは関わりを持たない掟により闘技者になる際に破門されている。戦闘スタイルは突きや蹴りをベースとしたシンプルなものだが、その怪力のために一発でも当てれば致命的なダメージを与えうる。異名の由来にもなったフルコン空手特有の前へ前へと出て行く「力の打撃」による超近接での猛攻が持ち味で、若いころは身体能力ゴリ押しの戦い方をしていたが、アギトに敗れたことがきっかけでテクニックも磨いており、史上最強の打撃たる「爆芯」だけでなく組み技や伝統派空手の技術も身につけ、ただの怪力バカより厄介と評されている。組み技の技術そのものは一流半といったところで、怪力を加味してもぎりぎり超一流と評されており、最高峰クラスには届かない。筋力で自身を上回れるのは闘技者でもユリウスだけと言われており、真っ向からぶつかってくるタイプの相手とは相性が良く、苦手とする柔の技に特化したタイプ(=初見)や相手に合わせてくる無形タイプ(=アギト)以外の相手なら善戦すらさせずに完勝する圧倒的な力量を持つ。
- 速水が送り込んだ代表闘技者の座を狙った刺客を壁にクレーターが出来るほどの強烈な一撃で倒した。トーナメント1回戦では室淵と対戦。ほぼ無傷のまま実質右手1本しか使わずに勝利する。2回戦では自分と互角の筋力と自分以上の「骨格」を持つ格上のユリウスと対戦、手数と技を駆使してぶつかり合い戦術の差が出た形となって右顔面の皮膚と右目の失明、古傷の悪化という代償を払うことになるも何とか勝利した。3回戦ではムテバと対戦。切り札の一つである組み技を切るもかわされ、打撃による猛攻を仕掛ける中で相手の目が見えていることに気づく。そこで鼻を狙っていると錯覚させることで急所への攻撃を誘い、頸動脈狙いの貫手を高密度の胸鎖乳突筋を締めることで防ぎ、相手の油断をついて爆芯を放ち右腕を破壊する。本業への影響を考慮したムテバが棄権したことで勝利を得たが、足の古傷への負担を重ねてしまった。準決勝では互いの所属企業の目的が同じだったことから八百長の指示が出され、自身が決勝に進める形で方向が決まりかけていたが、山下商事側がそれに抵抗したことで正々堂々勝負することになった。仕合本番ではコスモや雷庵を倒した王馬を評価して油断することなく自身の持ち味を生かした猛攻で王馬を圧倒したが、鬼鏖で必殺の一撃を不完全ながら返されたことでより慎重になりふり構わず機動力を奪おうとする。しかし鬼鏖が無形の技であることは見抜けず、カウンターで強力な前蹴りが顎にクリーンヒットして大ダメージを受ける。それでも闘志は衰えず立ち上がって継戦の意思を示したが、限界を迎えて敗退する。
- モデルは「怪力王」こと若木竹丸[23]。
- 使用武術・空手
- 主な技
- 爆芯(ばくしん)
- 若槻が「『牙』を超えるための牙」として編み出した技。全身の筋肉を「芯」に向かって収縮させ、空手で言うところのノーモーションの逆突きに近い形で一気に解き放つ拳打。急所に当たれば骨格で自身を上回るユリウスも倒せるほどの衝撃を発揮するが、加納との戦闘で負った右足首の古傷が原因で有効射程距離が通常の突きよりも拳2つ分ほど短く、発動時は古傷にかなりの負担がかかる諸刃の剣でもある。相手の拘束を強引に振り解くといった応用も可能。
- 古海 平八(ふるみ へいはち)
- 古海製薬代表。前社長の叔父から会社を受け継いだ。スピンオフでは自分の外伝が出ないか気にしていた。
- 若いころの多趣味が祟り四浪二留で大学を卒業予定だったが、自分の助言を受けた幼少期の武士に本気で殴られ、プロテクターを準備する前だったことも災いして、全治六ヶ月の大怪我を負い再び留年してしまったという過去を持つ。その後もしばしば武士の前で負傷しているため「ダメな大人なのでは」と疑われることもあったが、自らに重傷を負わせた武士に対して、その後も全く恐怖心や警戒心を態度に表さず「子供に接する大人」として付き合いを続けており、そういう面では器が大きいと言える人物である。
- 情に厚く義で動くタイプの人間。今の拳願会に不満を抱いている革新派でもある。商才はあまり無いと考えており、今の会社があるのは優秀な部下の支えや若槻の仕合での頑張りのおかげだと思っている。自身は拳願会長の器ではないと考えており、同じ四龍として優勝した暁には乃木を会長に推すことを乃木と確約している。その一方で泉の実力や乃木の手腕を信頼した上で、人の命を救う業種としての矜持から十王通信の高田からの要請を受け入れ、坂東の治療に手を貸している。準決勝で若槻が王馬に敗れた時に、これまで通り周囲に支えて貰えばいいと開き直り、次のトーナメントでは自ら会長を目指すことを決意する。
ユナイテッドクロージング
企業序列第21位。
- 室淵 剛三(むろぶち ごうぞう)
- 身長=187センチメートル
- 体重=110キログラム
- 拳願仕合戦績19勝1敗
- 企業獲得資産682億9600万円
- 年齢=43歳
- 誕生日=10月8日
- 好きな球技=野球
- 好きな言葉=やればできる
- ユナイテッドクロージング代表闘技者。通称『測定不能』。
- アスリートの両親との間に生まれたサラブレッドで、中学生のころから陸上競技を始め、「神童」と呼ばれた。元デカスリートで、16歳で日本代表に選出されて以来25年のキャリアの中で国際大会での敗北はわずかに5回。国民的英雄だったが41歳にして引退、闘技者に転向する。以降2年間、格闘技に関しては完全な素人ながらも純粋な身体能力のみで勝利を重ねるが、かつて若槻と戦い敗北。
- 若槻にリベンジするために、さらに鍛えあげてトーナメントに挑み、序盤から圧倒されながらもクラウチングスタートからのとび膝蹴りで一矢報いたかに見えたが、直後にみぞおちに右正拳突きを喰らい吹き飛ばされ敗北する。
- ダメージの大きさからしばらく昏倒していたが2回戦までには回復している。トーナメント終了後も打倒若槻を目標に極秘トレーニングを積んでいると、大久保に連絡している。
- 『ダンベル何キロ持てる?」にも登場。
- モデルは室伏広治[24]。
- 柳真(やなぎ まこと)
- 身長=170cm
- 体重=54kg
- 年齢=44歳
- 誕生日=10月4日
- 社員に言いたいこと=お願いだから定時に帰って
- ユナイテッドクロージング会長。滅堂相手でも怯まず噛み付く度量がある。敗北を素直に認め、勝者を讃えることができる好人物。
- 若者向けのファッションセンスがゼロという服飾業界の人間として致命的な弱点を持つ。
マーダーミュージック
平成14年設立。メジャーとは一線を画したバンドのリリースを続けている。企業序列第87位。拳願仕合通算戦績96勝27敗。
- 沢田 慶三郎(さわだ けいざぶろう)
- 身長=181センチメートル
- 体重=74キログラム
- 拳願仕合戦績4勝0敗
- 企業獲得資産210億9000万円
- 年齢=25歳
- 誕生日=6月11日
- 好きなアーティスト=ヴィレッジ・ピープル
- 最近観た映画=イン&アウト
- マーダーミュージック代表闘技者。通称『暗黒鳥』。オネエ口調で話すオカマで、トーナメントは予選から参加したものの圧倒的な実力で勝ち残った一人。日本舞踊の名家の生まれで、バレエダンサーを経て闘技者となった。高校時代は不良で1年生にして番格を張っており、理人とはそのころからの腐れ縁。派手好きで、戸川からは「成金趣味」と言われている。
- バレエにより培ったボディコントール、バネ、柔軟性から繰り出す蹴り技を得意とし、G(加速度)を載せた変幻自在で強力な回し蹴りが持ち味で数多くの巨漢を屠ってきた。その威力は60キログラム近い体重差のある目黒をやすやすと蹴り飛ばすほどである。
- トーナメントではユリウスと当たるものの後述の理由により不戦敗。その後闘技場に向かう通路にて目黒と交戦。一時は目黒を圧倒するものの、目黒が暴走し出したことによりトーナメントで闘う予定であったユリウスと闘うが、急所の首筋を狙った渾身の回し蹴りが鎧のような僧帽筋で受け止められてしまい通用せず、圧倒的な力により足を折られ敗北する。
- 名前の由来は沢田研二から[25]。
- 戸川好子(とがわ よしこ)
- 身長=156センチメートル
- 体重=48キログラム
- 年齢=25歳
- 誕生日=3月30日
- 好きなタイプ=デカいロン毛のマッチョ
- マーダーミュージック社長。メロディックデスメタルバンド「DeathProof」のギタリストでもある。沢田とは友人関係で、プライベートでもよく遊ぶが、「メタルお馬鹿」と評される服装センスには苦言を呈されている。拳願会の女性経営者の中では最年少の部類。結婚願望はない模様。二階堂にトーナメントを棄権しなければ電気供給を関連企業ごと断ち、構想中のダウンロード販売事業もつぶすと脅迫を受けトーナメントを棄権する。ユリウスが沢田にとどめを刺そうとしたときに颯爽と現れ(本当はただ通りかかっただけ)、(本当に何もしていないが)自分たちを助けても恩を着せるようなそぶりすらない王馬に惚れる。
東洋電力
拳願会最大派閥「百人会」の頂点に立つ企業。企業序列第2位。
- ユリウス・ラインホルト
- 身長=205センチメートル
- 体重=210キログラム
- 拳願仕合戦績51勝0敗
- 企業獲得資産1兆6277億1100万円
- 年齢=36歳
- 誕生日=4月21日
- 好きな言葉=「デカい」「キレてる」
- 嫌いな言葉=「筋肉がつき過ぎたら困る」「細マッチョ」「スレンダー」ほか、多数
- 東洋電力代表闘技者。通称『モンスター』。
- ドイツ医学の粋を集めて生み出された「最高の筋肉」の持ち主で、現在の肉体は常人なら死に至るほどのドーピングというハイリスクを乗り越えた末に手に入れたもの。2秒で時速300キロメートルに達するモンスターマシンとの綱引きに楽々勝利しバーベルを飴細工のように丸める程の怪力のみならず、一流陸上競技選手並みの瞬発力、筋肉を固めるだけで投げつけられた岩をも逆に砕くほどの耐久力を兼ね備えている。「真の強者に技など不要」という考えから使用武術はなく、パンチ・キック・投げ・張り手・ベアハッグといった攻撃を怪力に任せて特に型もなく使う。ただし、ただの怪力馬鹿ではなくスポーツ生理学・医学・心理学・物理学を修めた優秀な頭脳の持ち主であり、高い知能によって肉体のスペックを最大限発揮することができる。そのため加納も純粋な身体能力のみで見ればBブロック最強だろうと評している。加納が語った「若槻より格上」の一人。
- サイズの合う服がないので常にパンツ一丁。オーダーメイドしてもすぐに筋肉が成長して着られなくなるので、服を着ることを諦めた。自身の筋肉を維持するためにプロテインの摂取を欠かさない。好きな言葉は「剛能く柔を制す」。在日3カ月で、好きな日本食はTOFU。「ダンベル何キロ持てる?」に登場するシルバーマンジムの会員で、街雄と共にCMにも出演している。
- トーナメントでは沢田相手に不戦勝。直後に通路で沢田と対戦するも沢田の技を圧倒的なパワーで上回り圧勝する。山下一夫の予想外の闖入によりトドメを刺さず立ち去る。2回戦では互角の筋力を誇る若槻と怪獣映画を髣髴とさせる殴り合いを繰り広げる。筋力は互角であっても骨格で上回っているため徐々に優位になり、劣勢を覆すために繰り出された若槻の必殺技も頭脳戦で見切ってみせたが、その技を警戒しすぎたことが仇となり超至近距離から頭部への回し蹴りを連続で食らってしまい、意識を失い倒れた。仕合後、クーデター発生と共に自身が捨て駒でしかなかったことを知り、怒りのまま守護者B班と交戦を開始する。
- モデルはストロングマン出身の総合格闘家マリウス・プッツナウスキー[26]。
- 速水 勝正(はやみ かつまさ)
- 身長=171cm
- 体重=67kg
- 誕生日=8月5日
- 嫌いなもの=つまらないジョーク
- 東洋電力会長。左顔面にケロイドの痕のようなものがある。GPグループ代表の理乃は実の娘にあたる。
- 最大派閥の長だけあって個人の権力ならば滅堂をも上回るとも言われている。さらに野心家であり、目的のためであれば容赦無く殺人を犯し、目黒のような殺人鬼を手元に置いて長期間匿うことすら厭わない。若いころにも一度滅堂に対して反旗を翻した経験がある。また諸外国の有力者や自身の傘下の企業なども大きな目的のための犠牲として切り捨てようとするなど冷酷な性格の持ち主。滅堂に代わり拳願会の王となるべく策をめぐらせ、積極的に裏工作を行う。かつては滅堂や鎧塚と共に理想を追い求めた同志だったが、当時の思い出を尊重する気配は全くなく、改心を願う鎧塚の言葉を「生涯、温い思い出と戯れておれ」と切って捨てた。しかしその傲慢さから格下を侮り見下しており、それがのちに仇となる。
- 「天狼衆と守護者1000名を島内に侵入させ機を見てクーデターを実行する」という真の目的を隠すために優勝狙いを装い、正闘技者以外に5名の刺客を雇い海一証券と白夜新聞の2枠を奪ったほか、マーダーミュージックを棄権に追いやり、あじろ水産と夜明けの村に八百長仕合をさせ、栃木ディスティニーランドには電力の無償供給の条件としてを1回戦突破を命じた。さらに黒使を囮にタンカーを使って島内に引き入れた388名の始末屋なども護衛者によって鎮圧されてしまうが、これによって会場内にとどまる護衛者の数を削ぐことに成功、さらにその隙に捨て駒にするつもりで雇っていた天狼衆に起爆装置なしの時限爆弾を会場中に仕掛けさせる。2回戦で早々に手駒を失うことになったが、守護者を介して2回戦敗退が決まった十王通信の高田にコンタクトを取る。その後滅堂の名を騙って敗社を一同に集めさせ、守護者による会場の制圧を開始する。時限爆弾を盾に新たな拳願会を設立するため会員たちに寝返るよう要求するが、実は各国要人を人質としたクーデターそのものがブラフであり、起爆装置なしの時限爆弾を用意したのはそのためであった。その真意は拳願会員や各国要人との関係など、滅堂が築き上げてきたもの全てをドームの爆破と共に灰燼に帰し、自身の手で新たな歴史を築くことにあり、一部の腹心にしか教えられていなかった。しかし同様の策を考えていた滅堂によって集められていた呉一族50名、護衛扱いの武術家、敗退した闘技者たちにより追い詰められていき、切り札の爆弾も天狼衆の離反によりすでに撤去され、自身もハサドの裏切りによって拘束されてしまい、わずか2時間足らずでクーデターは失敗に終わった。
- 守護者(ガーディアン)
- 護衛者にあやかり速水が組織した私兵。護衛者が黒服なのに対して守護者は白服に身を包んでいる。護衛者に比べ編成期間は短いものの、ランキング制を取り入れ守護者同士を戦わせ、上位陣をランカーと称して厚遇することで練度を底上げしている。実力は高く、闘技者や呉一族をして「油断できない」「強い」と評されており、「蟲」とよばれる一部の上位陣は王馬同様憑神(=「前借り」)を使うことが可能。総数は1000人であり、速水の真の戦力の一翼として、百人会傘下の企業の関係者を装い島内に侵入していた。トーナメント2回戦終了後に会場内で反乱を起こすが、滅堂などの勢力の手で壊滅させられる。
- 鬼頭 軍司(きとう ぐんじ)
- 守護者ランキング1位。トーナメント中速水の護衛を務める守護者の片割れ。「人斬り軍司」の異名を持つ剣の達人で、並の呉一族では相手にならないほどの手練れ。東電の2回戦敗退を受け会長を見限ろうかと考えたが、龍の説得で思い留まる。クーデター中は速水の側に控え、呉一族を斬り伏せていた。鷹山を「負け犬」と挑発して戦闘になり、一騎打ちの末に彼の指を切断し掌の中ほどまで刃が食い込む深手を負わせるも得物を奪われ、圧倒的な実力差の前に叩きのめされる。
- 龍 旼(ロン ミン)
- 守護者ランキング2位。トーナメント中速水の護衛を務める守護者の片割れ。長髪で胸元に百足の刺青をした男。青龍刀(柳葉刀)の扱いに熟達しており、ガオランをボクシングの間合いに入れさせないほどの手練れ。「蟲」であるため王馬と同じく憑神を使用することができ、真の実力は鬼頭以上とも言われている。2回戦の全行程終了後、D班を率いて行動を開始する。ガオランとアダムの二人を同時に相手取ってなお優位を保ち、アダムには深手を負わせた。駆けつけたコスモとも交戦するが、東電のクーデター失敗とともに速水を見限って撤退し、追っ手を2名斬殺しながら仲間と連絡を取っていた。しかし、トーナメント終了後、願流島の海岸で何者かに刺殺されているのが護衛者によって確認される。
- 師岡(もろおか)
- 守護者ランキング3位。鎖鎌使いだが鎖鎌が破損した場合に備えてクロスボウも扱う。部下に致命傷を負わせても顔色一つ変えない冷徹な性格。雷庵と交戦し鎌と隠し持っていたクロスボウで傷を負わせたものの、外しを使った彼には太刀打ちできず、首をへし折られて死亡した。
- 蘭城(らんじょう)
- 守護者ランキング4位。レイピア使いで無手の戦いも得意。「蟲」でもあるため憑神を使用できる。「虎の器」である王馬の回収を指示されており、医務室襲撃の指揮をとるも山下商事の面々だけは見逃そうとしたが、意識を取り戻した王馬と交戦しレイピアを折られる。憑神状態で王馬を捕らえようとするも、真の力を思い出した彼により叩き伏せられた。その後は収容施設に捕らえられていたが、トーナメント終了後に牢の中で何者かに毒殺され死亡していることが判明する。
- 茂呂(もろ)
- 守護者ランキング5位。薙刀使い。雷庵を襲撃したが、外しを使用した彼に長刀の上から殴り飛ばされ昏倒した。
- 大郷(おおさと)
- 守護者ランキング7位。棍棒使い。部下とともにSH冷凍職員たちを襲撃したが、拘束を解いて現れた板東によって頭蓋を叩き割られ敗北する。
- 阿久 富士夫(あく ふじお)
- あらゆる汚れ仕事を内々に処理する始末屋。通称『アグノスティックフロント』。打撃にも非凡な才能を見せるコスモをしてやり難いと言わしめる程のストライカーとしての実力を持ち、武器の扱いにも精通する。東電の依頼を受け闘技者の枠を奪うため拳願号内でコスモを襲撃するが、二階堂から貰ったスタン警棒で攻撃しようとした瞬間、ゾーンに入られ裸締めで意識を絶たれた。
- 金次第でどんな仕事を請け負う冷徹な性格だがサディストではなく、依頼内容によっては不要な労力を避けるために相手に降伏を促す事もある。雇われた面々の中では一番常識的で、変態性の高い面子によく突っ込みを入れていた。
- 禍の人(仮称)
- 「禍」マスクの包帯男。無口で奇っ怪な外見に反して意外と気さく。拳願号内で若槻を襲撃したが、正拳突き一発で壁にたたきつけられ敗北した。
- マスクの人(仮称)
- 髑髏マスクの男。一日に平均15時間のプレイをする重度のゲーマー。拳願号で御雷を襲撃するも22秒で倒された。
海一証券
企業序列第24位。
- 目黒 正樹(めぐろ まさき)
- 身長=195センチメートル
- 体重=130キログラム
- 拳願仕合初参戦
- 年齢=33歳
- 誕生日=8月25日
- 尊敬する人物=父
- 苦手なこと=我慢
- 海一証券代表闘技者。通称『泣き男』。正規の闘技者を倒し代表闘技者の座を奪った。生まれながらのサイコキラーで、善悪の区別がつかず自分の欲求のままに人を殺す。かつて“鬼の目黒”と呼ばれた柔道家、目黒広樹の息子で自身も7歳のころから父の道場で柔道をしていた。13歳当時、相手になるのは父と世界大会の日本代表に選ばれた石田だけと言う程の才能を見せていた。長い間素直な少年を装っていたが徐々に殺人狂の本性を抑えられなくなり、4日間で門下生である石田・宗光・鈴本、そして自らの父の計4名を次々に投げ殺し失踪、以後20年消息を断つ。その間、速水が匿っていた。
- 常に口から出した舌・焦点の合わない目・ゴリラのような四足歩行といった見るからに狂人と言った容貌だが、平常時ならなんとか会話できないこともない。興奮すると血涙を流す。
- 基本的なスタイルは柔道だが、目つぶしや噛みつきを含めた獣のような戦い方もする。柔道家としての実力は高く、13歳時点で大人の投げに耐える強靭な足腰と相手を一撃で投げ殺す怪力を有していた。武術の特性として本来ノーギの相手には不利であるが、柔道でつかむ袖と襟の位置にある二の腕と鎖骨を掴んで投げ技をかけることで柔道家特有の弱点をカバーしている。蹴り足を取って投げるなどほかの武術にも適応しており、柔道の持ち味であるマウントの攻防も得意とする。さらに、痛みに比例して脳内麻薬の分泌が上昇する特異体質により「すべてのダメージが快楽に転化される」ため、目や三半規管を潰されてもひるむどころか嬉々として力が増し、異常なまでの耐久性を見せることから、ムテバをして「怪物(フリークス)」「狂獣」と称されるほど。
- トーナメントではムテバ・ギゼンガと対戦、闘いの序盤相手がノーギで自分に不利な状態ながらいきなり投げ倒した上にマウントポジションを取り、ムテバを追い詰めるが、本気を出したムテバにより気道を潰され首をへし折られ、眼窩から脳を貫手で直接攻撃され死亡。最期は、自身が殺した父達の亡霊に対して「ああ…楽しかった…」と笑みを浮かべながら絶命した。
- 父親をも躊躇なく殺害するも、尊敬する人物が父親でもあるので、本人なりに父親への情はあった模様。
- 外見はヴェノムのオマージュ[27]。
- 使用武術・柔道
- 野村 公平(のむら こうへい)
- 身長=163cm
- 体重=60kg
- 年齢=54歳
- 誕生日=5月30日
- 特技=前歯で缶詰開け
- 海一証券社長。眼鏡をかけた出っ歯な男。経営者としては可もなく不可もなく、といったところらしい。速水の傀儡となったが、1回戦突破失敗の責任を取らされ拘束される。クーデター失敗後は蕪木の手で解放された。クーデター鎮圧後は協力を強制されていたということで、放免された。
- 台詞があるのは42話だけで、名前付きの拳願会員では最もモブに近い。
- 乾 町三(いぬい まちぞう)
- 海一証券元闘技者。拳願絶命トーナメントに参加するはずだったが、目黒に襲撃され敗北する。
禍谷園
先代から重蔵に会社が引き継がれた時に社名を現在のものへと変更している。企業序列第14位。
- 鬼王山 尊(きおうざん たける)
- 身長=194センチメートル
- 体重=159キログラム
- 拳願仕合戦績7勝0敗
- 企業獲得資産221億1610万円
- 年齢=20歳
- 誕生日=7月28日
- 尊敬する力士=元横綱 高値乃花[28]
- 好きな漫画=「今日から俺は!!」
- 禍谷園代表闘技者。通称『土俵の喧嘩屋』。本名は川村尊。三兄弟の末弟で、兄は双子で大相撲史上初の双子横綱。自身も十両で全勝優勝を果たしている。「出稽古」と称してジムなどに殴りこみに行くなど素行が悪く、兄たちの前で話が出ること自体がタブーとされる。トーナメントでも化粧回しの上に綱を締めるという不遜な恰好で入場している。プロレスラーをショーをするために鍛えていると見下しており、トーナメントの対戦相手である関林も「八百長野郎」とバカにした発言をしている。鼻っ柱が強く粗暴な性格だが、危なっかしい行動を取る桜の面倒を甲斐甲斐しく見るなど、優しい所もある。また、花見で酔った紫音に抱けと脅された際は押されながらも男女の関係は節度を持つ事が大事と嗜めたり、守護者が襲撃した際に兄達が暴れる姿を見て、好戦的な面は自分と変わらないと内心突っ込むなど、割と常識的。
- 強靭な足腰に裏打ちされた凄まじい攻撃力を誇り、鉄砲柱を張り手数発でへし折ることが出来るという。自身と同じくらいの体格を誇る関林を片手で投げ飛ばすほどの怪力を有し、ヘヴィー級レスラーを一撃で昏倒させる彼の逆水平による連打を食らっても全くひるまないなど耐久面でも優れる。また、幼少時から伝統的な相撲で自由な攻撃が許されていないことに疑問を持っており、それが元で相撲を見限り、「古代相撲」と称してパンチやキックでも戦う。現代相撲を否定する戦闘スタイルであることから、温厚な性格で知られる長兄の龍王山堅をも激怒させ、「相撲への冒涜」と額に青筋を浮かべながら評している。
- トーナメント1回戦では関林と対戦。終始関林を圧倒するも自身の持つ格闘技に対する信念の差が現れる形で、必殺の「激旺」を受け返され膝をついたところで渾身のパワーボムを喰らい、脳震盪を起こして意識を失い敗退した。なお、この仕合はベストバウト第1位に選出された。
- 敗北を経てからは関林の実力を素直に認めるようになっている。トーナメント終了後は真面目に相撲を頑張っている。
- モデルは元大関の雅山[29]。
- 使用武術・古代相撲
野見宿禰の時代にまでさかのぼる最古の角力を復活させた「原初の総合格闘技」としての形。現代の相撲では禁じ手とされる殴る・蹴るを使用する。特に強靭な足腰から繰り出されるハイキックは関林の意識を一瞬奪うほどだが、短期決戦に特化した現代力士の肉体で使用するには不向きなので、スタミナを大幅に消耗する両刃の剣でもある。
- 主な技
- 激旺(げきおう)
- 重心を極限まで下げた姿勢から、鍛え抜かれた脚力を利用して繰り出す変形ぶちかまし。攻撃は直線的になるが通常のぶちかましと比べてスピードは2倍、威力は4倍に達し、射程距離は土俵の直系に等しい4.55メートル。あまりの速度故動体視力が追いつかないほどである。
- 禍谷 重蔵(まがたに じゅうぞう)
- 身長=198cm
- 体重=165kg
- 年齢=61歳
- 誕生日=6月18日
- 好きな料理=麻婆春雨
- 禍谷園社長。左目に大きな傷、また左額から右頬にかけて傷がある。自身もかつては「大轟拳」の異名を持つ闘技者で、その時代を代表する闘技者であった。通り名のとおり現役時代はパワフルな戦い方を得意としており、現在でもトレーニングを続けている。
- 元々鬼王山の双子の兄達に「天狗の鼻をへし折ってもらいたい」とのことで仕合に参加。鬼王山の詰めの甘さから優勝することはないと踏んでいた。が、実力を認めており、この敗北を糧にさらなる成長を期待している。
- 秋山 桜(あきやま さくら)
- 身長=162センチメートル
- 体重=49キログラム
- 年齢=?歳
- 誕生日=2月29日
- 趣味=寝ること
- 好きな食べ物=何でも食べる
- 禍谷園秘書。乃木グループ秘書である秋山楓の姉。マイペースな性格で鬼王山などを無意識に振り回している。方向音痴でよく迷子になる。だが、一流企業の社長秘書を勤めるだけあり、能力は極めて優秀。楓からはお姉ちゃんと呼ばれて慕われてる一方で、姉としての意地で楓に自分のおっちょこちょいな部分を見られる事を気にしている。
- 毎年新雪が降るとやけにクオリティの高い重蔵の雪像を作成するという、謎の習慣がある。
夜明けの村
大正七年開村。拳願会唯一の財団法人。大規模農場「鎧塚農場」を運営していた大地主鎧塚実篤(よろいづか・さねあつ)が、理想郷を目指し、所有する全ての土地を寄贈し興した共同体。所在地は九州。拳願会には農場時代から引き続き所属。所有地は200km²超で、そこに400名弱が暮らしている。拳願仕合通算戦績:282勝103敗。企業序列第27位。
- 鎧塚 サーパイン(よろいづか サーパイン)
- 声-檜山修之(ドラマCD)
- 身長=184センチメートル
- 体重=88キログラム
- 拳願仕合戦績17勝0敗
- 企業獲得資産2009億6900万円
- 年齢=30歳
- 誕生日=7月8日
- 趣味=料理
- 特技=どこでも寝られる
- 夜明けの村代表闘技者。通称『吼える闘魂』。ミャンマー出身。常に歓声をかき消すほどの大声で叫んでいて、暑苦しい印象を与える青年。熱血だが意外と話が分かる男。タイの闘神と言われたガオランと10代のころから因縁があり、彼と闘うことを望んでいるため昔はわざわざ国境を越えてまで勝負を挑みに来ていた。社交的な性格で、ラルマーや鞘香のような財界の大物およびその家族とも交友がある。父や兄が闘技者で仕合中に死亡した兄の後を継いで2年前に闘技者となった過去を持ち、現在は夜明けの村で祖国を追われた村の住民達とともに生活している。実光には恩義を感じており、その関係は良好である。またミャンマーには姓がないため便宜的に実光と同じ名字を名乗っている。外国人闘技者の中では在日歴が長い部類で、毎朝納豆を食べていることから他の外国人から妙に尊敬されている。ただ侍が今も京都の「エイガムラ」に住んでいると思っていたりとかなり認識にズレているところがある。
- 使用する格闘技はミャンマーラウェイ。ほとんどガードを行わないという武術の特性からインファイトの猛攻が得意で、相手が自身より大柄であってもスタイルを崩さない。幼少期からの修行で骨折を繰り返すことにより、異常な程の骨密度と太さを兼ね備える殴り合いに特化した骨格を手に入れている。特に頭蓋骨は兜のごとき異様な骨密度を誇り、殴った相手の手が逆に壊れてしまう。ガオランが今までで唯一KOできなかった相手でもあり、2倍の体重差がある相手の渾身の一撃を受けても膝をつかないほどの耐久性を持つ。体を丸めた前傾姿勢を基本的な構えとし、大きく曝すことになる背骨も生半可な攻撃では罅すら入らない頑健さであり、骨格と関節の硬さが筋肉を一層引き締めることで打撃のダメージを無効化させることができるため、どれだけ的確に攻撃を急所に加えてもその効果は半減してしまう。打撃の威力も桁違いで自身と同程度未満の体格の相手であれば、ガードの上からでも骨に罅を入れられるほど。
- トーナメント1回戦では賀露と対決。八百長のことは知らず最後まで賀露と全力で闘い勝利する。2回戦の前に東電や行政の思惑によって夜明けの村の土地が発電所開発のため失われようとしていることを知り、村と兄弟達を守るために勝利を誓う。2回戦では御雷と対戦。相手のスピードに翻弄されながらも自身の頑丈さを活かして一発逆転を狙ってカウンターの大技を繰り出していたが、頭突きへのカウンターで放たれた慘雷で脳を激しく揺らされ苦境に追い込まる。それでも必死に食らいつきローキックを連発して軸足に重傷を与え決死の覚悟により御雷を驚嘆させたが2度目の慘雷で限界を迎え遂に倒される。
- 仕合後、村を守れなかったことで失意のどん底にあり、ガオランからの励ましにも応じることが出来なかったが、彼の仕合を目にしたことで覚悟を固め再起を誓う。
- 使用武術・ミャンマーラウェイ
- 主な技
- ビルマの鉄槌
- 持ち味である頑丈な頭蓋骨を活かした必殺の頭突き。17仕合中8仕合で決まり手となっている技で、相手の攻撃を誘ってカウンターで繰り出すことを得意とする。その威力は仕合会場の地面に罅を入れるほど。
- 鎧塚 実光(よろいづか さねみつ)
- 身長=155cm
- 体重=38kg
- 年齢=76歳
- 誕生日=5月12日
- 特技=死んだふり
- 夜明けの村村長。東電傘下。現在の拳願会員の中ではかなりの古参で、かつて共に理想を追い求めた東電会長である速水のことを「勝ちゃん」と呼ぶ。村の土地を発電所建設により奪われる瀬戸際にあり、初戦突破が開発を止めるための条件として東電に示されたものだったが、1回戦後に契約を反故にされ右ブロックを突破せざるを得ない状況に追い込まれている。クーデター鎮圧後は協力を強制されていたということで、放免された。
- ネウェンパイン
- サーパインの兄。故人。立ち退きを迫られた故郷の村を救うため日本に向かい、撤回の条件として要求された法外な金額を稼ぐために5年間闘技者として戦い続けていたがある仕合の後に死亡、そのころにはすでに村はなくなっていた。実光によれば「鬼神のごとき強さだった」とのこと。「戦士は施しを受けない」が口癖の高潔な男で、自身の村の苦境も雇用主である実光には一切伝えていなかった。
あじろ水産
企業序列第382位。
- 賀露 吉成(かろ よしなり)
- 身長=206センチメートル
- 体重=165キログラム
- 拳願仕合初参戦
- 年齢=51歳
- 誕生日=4月25日
- 好きな歌=兄弟船
- あじろ水産代表闘技者。通称『日本海の大入道』。この道40年のベテラン漁師。過去に人喰いホホジロザメを海中で絞め殺す、暴風雨吹き荒れる中で難破船の乗組員全員を単身で担いで泳ぎ救出する、日本領海内に不法侵入した環境保護団体『シーチェパード』の船舶を撃沈して国際テロリストを捕らえた、などの伝説を持っている。
- ほかの選手のように格闘技の経験はないが、活け締めを応用した脊髄への正確無比な打撃など長い漁師生活で培った巧みな技術を使う。驚異的なタフネスと張り手一発で人を吹き飛ばすパワーを有し、さらにアダム並の体幹の強さと沢田並の平衡感覚を持っている。ただし普段から陸酔いに悩まされており地上で全力を出すために意図的に平衡感覚を狂わせなければならない。万全の状態では巨体からは想像できないような身軽な動きを使う。
- ちょい足しではガオランと行動を共にする事が多く、ノリの良い一面を見せる。
- トーナメントでは、1回戦で鎧塚サーパインと対戦。八百長により本来敗北予定であったが、速水への謀反からサーパインを潰すため本気で仕合に臨む。幾多の攻防の末、頸椎への肘打ち下ろしが決め手となり敗北した。
- 主な技
- 鯨葬(ゲイソウ)
銛を撃つ動作をそのままに、大上段から拳を振り下ろす技。
- 網代 光臨丸(あじろ こうりんまる)
- 身長=167cm
- 体重=65kg
- 年齢=68歳
- 誕生日=7月9日
- 意外な事実=生魚が食べられない
- あじろ水産社長。ねじり鉢巻と角刈りがトレードマークの男性。外見のせいか「その筋」の人から異常にモテるが、本人に「そっちの気」はない。デスクワークが苦手で、普段は社長自ら漁に出ている。
- 漁港を閉鎖しないために東電の駒としてトーナメントへの参加を要求されしぶしぶ受諾するが、実際は既に速水の漁港の再開発計画は進行していることが発覚し謀反を決意。賀露の敗北後、東電に命を狙われることを危惧した実光の強い勧めで賀露を彼に任せ逃亡を図ったが、その直後蕪木に襲撃され拘束される。クーデター失敗後は蕪木により解放された。クーデター鎮圧後は協力を強制されていたということで、放免された。
栃木ディスティニーランド
日本発の遊園地で、若者が行きたいデートスポットランキング上位の常連。日本以外にはフロリダ、カリフォルニア、香港、上海、パリにも支部があり、日本の企業であることは意外に知られていない。略称はTDL。最近では制服で楽しむ「制服ディスティニー」が人気らしい。企業序列第8位。
- 根津 マサミ(ねづ マサミ)
- 身長=221センチメートル
- 体重=111キログラム
- 年齢=22歳
- 誕生日=1月1日
- 人生のバイブル=成りあがり(著・矢沢永吉)
- 栃木ディスティニーランド代表闘技者。通称『夢の国から来た男』。リーゼント頭のヤンキー。栃木で最大の暴走族「爆音地帯」三代目総長で、その体格と腕っ節を買われ18歳で裏の世界に入り、裏の格闘団体では拳願仕合、煉獄に次ぐ規模を誇る「毘沙門」で絶対王者として君臨していた。栃木ディスティニーランドの大ファンで、普段は手足を極限まで折りたたみ自分の体格よりはるかに小さいマスコットキャラクターの「モッキー」のきぐるみを着ている。仕合前に頭だけ残して着ぐるみを脱いだ際の視覚インパクトは絶大。
- 長いリーチを活かす鋭さ・重さ・速さを兼ね備えた蹴りが武器。
- 夢の国である栃木ディスティニーランドが東洋電力と裏取引をしていることを知り、栃木ディスティニーランドを夢のまま終わらせようとしていたが内心では葛藤しており、トーナメントでは仕合前に対戦相手の御雷に無視されたこともあって冷静さを欠いてしまい、実力を発揮する前に文字どおり瞬殺されてしまった。敗北後は美姫に励まされて再起を誓い、その後はトーナメント観戦を楽しんでいる。
- トーナメント終了後、美姫と婚約する。
- 「ダンベル何キロ持てる?」にはTDLの職員として着ぐるみを着て登場する。
- 主な技
- エレクトリカルブロー
- 長身から繰り出されるボディーブロー。
- 夢野 国博(ゆめの くにひろ)
- 身長=171cm
- 体重=73kg
- 年齢=57歳
- ライバル視している遊園地=ユナイテッドスタジオ十三(USJ、大阪府)
- 栃木ディスティニーランド社長。野望は大きいが器は小さい。外見が夢の国とは程遠いと自覚しているため、各種行事には覆面を付けて参加している。
- 「初戦を突破したら供給する電力を永久に無償にする」と言う取引を速水としていたが、トーナメントに負けたため、蕪木にボディガードと共に襲撃され拘束される。クーデター失敗後は蕪木により解放された。しかしほかの人質達とは違い自らの意思で速水に協力していたということもあって無罪放免とはいかず、拘束こそされていないものの沙汰を待つ状態にある。
- 竹丸 美姫(たけまる みき)
- 同テーマパークのマスコットキャラクターである「ホナルド」の着ぐるみを着た女性。「泡姫(マーメイド)」二代目総長で、根津を「先輩」と呼び尊敬している。トーナメント後には根津と婚約した。
モーターヘッドモータース
昭和23年創業の世界的機械工業メーカー。二輪車の売り上げは世界第1位、四輪車の売り上げも世界第7位。モータースポーツにも注力している。株式会社ホークウインドという会社が前身。企業序列第23位。
- 黒木 玄斎(くろき げんさい)
- 身長=185センチメートル
- 体重=96キログラム
- 拳願仕合初参戦
- モーターヘッドモータース代表闘技者。通称『魔槍』。
- 沖縄発祥の殺人拳法・怪腕流の使い手であり、本人も呉一族と並び称される暗殺者。その技は普通の空手が健康体操に見えるほどの異常な完成度を誇り、「殺す技術」だけでなく「壊す技術」も兼ね備える優れた暗殺者である。鍛え上げられた四肢は肉どころか鉄板をも穿つほどの威力を誇り、余興で精緻な仁王像を素手で石壁に彫りあげるなど技術面も卓越している。さらに35歳にして先読みの極致に達しており、至近距離からのライフルの弾速にすら対応できるほどの能力を持っている。何十年もかけた修行の末に、理想に過ぎない「使うべき瞬間に使うべき技を使う」という武の極致を体現しており、肘の脱臼を遠心力だけで即座にはめ直し、指が何本も折れていても攻撃の手を緩めない。3日3晩絶えることのない大炎に囲まれ祈祷を続ける「煉獄業」のような死者が出るような荒業すらやすやすと達成する。戦える相手が自身しか居らぬほどに強くなりすぎたが故に大きな「孤独」を抱えている。まともに闘える者はトーナメントでも殆ど居ないと言われており(実際にトーナメントの位置決めの際、黒木の対戦相手は最後まで決まらなかった)、アギトに匹敵する使い手と目されている。
- 生前の二虎とは面識があり、平良とも酒を酌み交わす仲だった。それ故に弟子を見誤った平良の死を惜しんでいる。また御雷にとっては先代雷心流当主であった父親の仇でもある。一度は弟子入りを断った理人に的確なアドバイスを送る、零に対して一撃でとどめをさすのではなく稽古をつけるかのように相手するなど、見た目とは裏腹に以外と面倒見がいい。
- 滅堂からの依頼を受け、旧友の鷹風に頼んで拳願絶命トーナメントに参加する。1回戦では理人と対戦。理人を実力差すら弁えない弱者と見ており、最初は寸止めだけ、彼が一撃当ててからは流儀に合わせてしばらく戦うが、結局は下馬評通り終始理人を圧倒し、殆どダメージのないまま初戦を突破する。その夜、理人から弟子入りを志願されるが拒否、その代わりに経験値を埋めるために闘技者を観察するよう助言している。2回戦では友の仇である桐生と対戦。師匠を上回る技を使い、二虎流の技まで使って見せた桐生に驚かされ貫手が貫通した手で右手の指をへし折られるという大ダメージを負ったが、彼の使う技が基本以外は全て付け焼き刃でしかないことを見抜き、左手を囮にして折られた右手で決定打となる一撃を加え勝利する。3回戦では御雷と対戦。自身が倒した御雷の父親より遅いと判断していたところを暗示の強化によって覆され、今大会で初めて膝をつかされる。しかしその後は相手の突進を完全に「先読み」し的確なカウンターを加えて追い詰め、最後はラッシュで隙が生じたと見せかけることで攻撃を誘導し心房狙いの渾身の下突きを叩き込んで意識を刈り取り、初撃のダメージ以外はほとんど受けないまま勝利した。準決勝のアギト戦では、お互いに「気の起こり」を読んで壮絶な攻防を繰り広げ、魔槍で先制の一撃を加える。進化を果たしたアギトに武と無形の組み合わせを使われて、右手の第2から第5指までを折られ、左肘を脱臼するほどのダメージを負う。しかしそれにも怯むことなく戦法の切り替わりのタイミングを的確に見切り、「虚」を突くことで打撃のダメージを蓄積させていく。さらに龍弾を見切り小手返しで相手の右手首を完全に破壊、左肘の脱臼や右手指を全て折られたとは思えないような猛攻で遂にアギトに勝利する。決勝では王馬と対戦。自分の知らない二虎流を完成させた相手の動きをも徐々に見抜き、先代を上回る操流の技量に決定打を欠きながらも次第に優勢に立つ。最後は決死の覚悟で放たれた鬼鏖を防いで一撃を加え、本トーナメントの優勝者となった。
- トーナメント優勝後も求める己とは程遠いと、更なる修行を積んでいる。押しかけてきた理人との奇妙な師弟関係も続いている。
- 使用武術・怪腕流
- 琉球発祥の沖縄空手をベースとする暗殺拳。その技術は帯刀した薩摩藩士と渡り合うために生まれたと言われ、経穴や気功など中国武術や沖縄伝統武術の要素も併せ持つ。徹底的な四肢と指の部位鍛錬を行うことが特徴で、手足に重度のダメージを受けた状態でも行われる苛烈な物であるため、極めた者は指が骨折した程度なら問題なく戦い続けることができる。さらに、ありとあらゆる関節を気が遠くなる年月をかけて鍛え上げるため、関節技で瞬間的に折ることはほぼ不可能。
- なお、『求道の拳』に登場する「中地流」およびそこから派生した「新刀流」と同様、「天地流」という唐手から派生した武術にあたる。
- 主な技
- 魔槍(まそう)
- 黒木の異名でもある、鍛え抜かれ槍と化した四肢から放たれる打撃技。特にその貫手は肉を抉り臓腑を貫くほどに鋭い。普通は「防御」として使われるボクシングでいうところの単なるパーリングでも、皮膚が裂け血が噴き出すほどの破壊力を秘めている。
- 無動(むどう)
- 怪腕流の極意。コスモや金田が「先読み」と呼称するものと同種の技術。相手が攻撃する瞬間を見極め、その「直前」に動くという技術で、自身の動体視力では捉えられないものに対処する場合、「撃つ」のではなく相手が来る場所へ「置く」という形で使用する。他の使用者が主に回避で使うものと理論上は同一のものだが完成度が別次元で、相手が速ければ速いほど強力になるカウンターとしても機能することから、先読み一つの「極致」にして攻めの先読みと評される。
- 三戦(サンチン)
- 琉球空手に伝わる単純にして究極とも言われる受けの型。黒木ほどの使い手ならば、巌のような耐久力を発揮する。
- 鷹風 切己(たかかぜ きりみ)
- 身長=180cm
- 体重=72kg
- 年齢=59歳
- 誕生日=12月24日
- 好きなドリンク=ジャックコーク
- モーターヘッドモータース社長。テンガロンハットの男性。
- 一年の大半を海外で過ごし、しかも決まった住居を持たないという変わり者。趣味はバイク。自分がたまたま金持ちの家に生まれてたまたま会社を引き継いだだけだと考えており、権威や権力が苦手だと語る。インディアンの部族から“イエローホーク”というインディアンネームを貰って以来人生哲学に目覚めたと公言している。
- 当初絶命トーナメントに参加するつもりはなかったが、旧友の黒木から頼まれて参加を決める。自社を「万年中堅」と卑下していたが、黒木の活躍で思いがけないほど上位に食い込むことができた。トーナメントでは最終的に優勝を果たしたものの、自分には荷が重すぎると乃木に拳願会会長の地位を譲る。
- 主なモデルはモーターヘッドのレミー・キルミスター[30]。
白夜新聞
「四龍」の一社。明治十二年創立。日本最大の新聞社。新聞の発行のほか、出版、スポーツ大会の開催、芸術作品の展示や公演なども行っている。日本はおろか世界各国の主要都市に支部を展開しており、堅固なネットワークを持つ。拳願仕合通算戦績:1422勝691敗。企業序列第3位。
- 二階堂 蓮(にかいどう れん)
- 身長=174センチメートル
- 体重=73キログラム
- 拳願仕合初参戦
- 年齢=24歳
- 誕生日=1月12日
- 特技=動物に好かれること
- 好きな武将=徳川家康
- 通称「番人」。失伝したとされる日式中国拳法「天狼拳」の達人で、旧日本軍特殊部隊「天狼衆」の長。端正な容姿から初参戦にして早くも黄色い声援を浴びる。キザなナルシスト。東電に雇われて、武本を倒し正闘技者の座を奪う。トーナメントでは桐生刹那と対戦。どちらも美形であることから会場中の女性客を興奮させた。
- 東電関係者の中では割とまともな部類に入るが、普段から過剰な露出の服装を好むセンスは致命的なまでに変態的で、松田からは猥褻物に例えられた。話が長く若干口が軽いのが欠点。また壊滅的なファッションセンスとは裏腹に人見知りが激しい部分がある。船に乗る前に酔い止めを配るなど意外に気が利く。
- 拳法家としての実力はかなり高く、達人と謡われた武本を無傷で圧倒し、若くして奥秘までも極めている。暗殺者としても優秀で、自作の暗器を携帯している。
- トーナメント1回戦では相手を格下と侮り油断していたことで、開始早々左肩を破壊され、奇龍を打ち込んで一矢報いるもカウンターを喰らった上に刹那の中の「阿修羅」を覚醒させてしまう。その後は圧倒され続け、得体の知れない悍ましさに恐怖を覚え、あまりの力量差の前に降参を決意するも左胸に羅刹掌を食らい敗北する。仕合後は心停止に陥っていたが部下の救命措置で蘇生、最大の目的であった爆弾の設置も自身の仕合の裏で部下たちに命じて完了させていた。仕合後すぐに姿を消したが2回戦終了後、要人爆殺の責任を速水が全て自分たちに押し付けようとしていることを知り叛逆を決意、仕掛けていた爆弾をクーデター前に全て回収していた。
- 同僚で唯一死亡した目黒にも仲間意識はあったのか、願流島を発つ前に島内に作られた墓へ献花している。
- 使用武術・天狼拳
忍術と中国拳法を融合させた日式中国武術。日中戦争時、突如現れ中国軍を圧倒した正体不明の拳法家達(=天狼衆)が使用したが、その後失伝したと言われていた。忍の末裔であるため隠密行動や破壊工作を得意とし、素手の格闘だけでなく武器術も体系に含まれている。- 主な技
- 嵐(ラン)
- 拳による高速のラッシュを繰り出す技。
- 背地背水脚(ハイチハイスイキャク)
- 仰向けダウンの状態から、倒立のような形で真上に蹴り上げる技。
- 奇龍(クイロン)
- 天狼拳の奥秘。両手の間で超圧縮した空気を相手の至近距離で炸裂させ爆音で強制的に動きを止める「虚」、背後に回り耳元で秘伝の呪詛を囁くことで催眠状態にする「幻」、催眠で無防備となった相手に渾身の発勁を叩き込む「光」、という3段階の手順を瞬時に行うことで完成する技。申し合わせ有りの組稽古ですら発動するのは不可能と言われる高難度を誇るが、片腕が破壊されていても使用できるという利点もある。
- 赤野 鉄砂希(あかの てさき)
- 身長=168cm
- 体重=66kg
- 年齢=66歳
- 誕生日=1月25日
- ポリシー=白夜は社会の木鐸たれ
- 白夜新聞社長。企業ランクは高いが、現在は特定の闘技者を雇っていない。
- トーナメント開始前に二階堂によって会長就任の夢を絶たれる。速水の傀儡となり1回戦突破失敗の責任を取らされ拘束される。クーデター失敗後は蕪木に解放され、協力を強制されていたということで放免された。
- 武本 久安(たけもと ひさやす)
- 年齢=82歳
- 武本流実戦拳法の創始者。老齢ながらいまだ現役で、達人と評されていたが二階堂に敗れ闘技者の座を追われる。
帝都大学
前身は天和四年設立。明治十年に日本初の国立大学として設置される。世界大学ランキングでは不動のアジア一位。あらゆる分野の最前線で卒業生が活躍している日本の名門校である。拳願仕合通算戦績:1827勝842敗。企業序列第18位。
- 英 はじめ(はなふさ はじめ)
- 身長=174センチメートル
- 体重=62キログラム
- 拳願仕合初参戦
- 年齢=秘密♥
- 誕生日=12月1日
- 尊敬する人物=ブラック・ジャック、ドクター・キリコ
- 特技=あらゆる乗り物の運転
- 通称「解剖魔」。0巻第伍話の主人公。その名の通りの解剖狂で、闘技者の体を解剖したがっては心実を困らせている。治療に携わって死なせてしまった子供たちの写真をアルバムに集め、その悲劇と絶望に快感を覚えている。自覚がある狂人で人間性には問題を抱えているが、理性で狂気をコントロールしている。ただし、医師としての腕は一級で、医務室のドクターそっちのけで瀕死の重傷を負った茂吉の蘇生に成功している。不謹慎な発言は多いが、腕がいいため赴任先でもよく患者たちと打ち解けているなど奇妙な人徳がある。1回戦以降は山下商事も面々などと保護者兼護衛として行動を共にするようになる。子供のころは虫取りが得意だった模様。
- 表向きの顔はフリーランスの外科医だが、その正体は日本政府から派遣された始末人で、今までも国家に仇なす者を秘密裏に始末してきた。例として、大規模なテロ計画を企んでいたカルト教団「神の軍勢」の教祖や、犯罪者を攫い臓器を摘出して売買していた病院長といった悪党を暗殺している。
- 人間を生きたまま解剖するための手段として禽拿術を修めているほか、視床下部を術式により制御し痛覚遮断を行うなど、自分の体にも様々な改造を施している。
- 今回は死刑執行してもなお生き延び続けている坂東洋平を始末するため、このトーナメントに送り込まれた。抽選の結果1回戦からターゲットと戦うこととなり、様々な仕込を利用して坂東を致死性ウイルスに感染させる。首をへし折られ仕合自体には敗北したが、強制的に心肺を動かし続ける仕込みと太宰の施術で無事蘇生した。それ以降はトーナメントの医療スタッフとして負傷した闘技者の治療に専念している。
- 使用武術・霊枢禽拿術(れいすうきんなじゅつ)
- 「黄帝内経」にある最古の禽拿術。指先を鍼に見立てて人体の急所である経絡経穴を突くことで、激痛を与える,意識を奪うなど様々な効果をおよぼすことが可能。その特性上第2・3指を破壊されると使用を封じられる。
- 主な技
- 絶刺(ゼッシ)
- 二本の指で首の後ろの経穴「唖門」を突き、二度と意識が戻らないように神経を破壊する技。
- 肉体改造
- 痛覚遮断
- 自身の視床下部に施した術式。洪の痛覚遮断や目黒の痛覚変質とは異なり、脳内麻薬を利用しない完全な痛覚のシャットアウトを行う。骨折などのダメージにも一切ひるまず、掌の肉を突き破る骨剣や踵が吹き飛ぶ高圧ガスをためらうことなく使用できる。
- 骨剣
- 自身の両大腿骨から削りだした一対の剣。普段は両前腕の中に格納されており、使用時は掌を突き破って出現する。(自身の大腿骨は人工骨に置き換わっている模様)
- 仕合前のボディチェックを掻い潜っている、かつ自分の体の一部なので反則にはならない(と本人は言っている)。使用時には自らの血管を傷つけ出血するため、相手を斬りつけた時に体内に仕込んだウイルスを血液感染させることができる。
- 高圧ガス
- 蹴り足の踵に仕込んだ高圧ガスを爆発させ推進力とすることで、威力を大幅に増加させる。2倍以上の体重を持つ坂東をよろめかせるほどだが、使用後は踵が吹き飛ぶため、単発での使用しかできない。
- 抗体
- 様々な病原体に対しての抗体を持つ。常人ならば死に至る細菌兵器でも体内に潜伏させておくことが可能。その気になれば大規模なバイオテロを起こすことも可能だが、上層部から使用を制限されている。
- 太宰 由紀夫(だざい ゆきお)
- 身長=164cm
- 体重=59kg
- 年齢=55歳
- 誕生日=11月13日
- 趣味=筋トレ
- 帝都大学総長。帝都大学出身。坂東とは同期だが、浪人したため年齢は上。「いざという時の切腹用」で常に帯刀しているが、誰からもツッコまれない。
- 拳願会長の座に興味はなかったが、学生時代の親友であった坂東が十王通信の闘技者としてトーナメントに出場することとなったため、道を誤ったかつての旧友に引導を渡す目的で政府から派遣された英を闘技者として招き入れる。
- 吉沢 心美(よしざわ ここみ)
- 身長=162cm
- 体重=54kg
- 年齢=26歳
- 誕生日=12月9日
- モットー=必要なら脱ぎます
- 帝都大学秘書兼看護師。れっきとしたナースだが、服装は一見コスプレのように見える。何かあるとすぐ解剖したがる英に若干引き気味ながらも惚れており、母親のように何かと面倒を見ている。適応が早く、英の奇行や、裏の仕事についても一定の理解を示している。基本的にしっかり者だがやや天然で、英とは会話がかみ合わずツッコミを入れられることもある。上司の太宰に対しては、内心で帯刀しているのはイヤだと感じている。
八頭貿易(株)
昭和二十二年設立。社名に「貿易」とあるが、いわゆる総合商社である。社長の飯田正自ら前線に立ち、世界中を飛び回っている。タイ王国の有力者、ラルマー13世の庇護の下、東南アジアを中心に勢力を拡大している。「四龍」の一社。拳願仕合通算戦績:253勝104敗。企業序列第17位。
- ガオラン・ウォンサワット
- 声-平川大輔(ドラマCD)
- 身長=187センチメートル
- 体重=91キログラム
- 拳願仕合初参戦
- 年齢=28歳
- 誕生日=12月12日
- 尊敬する人物=ラルマー13世
- 最近ハマッていること=一人カラオケ
- 世界的に著名なプロボクサー。通称「タイの闘神」。0巻第参話の主人公。
- タイ王国政財界の支配者ラルマー13世の側近件ボディーガードを務める。ラルマー12世(13世の父親)に見初められて5歳からムエタイを始め史上最強のナックモエと謳われたが、実戦において敗北の許されない立場であることからパンチを軽視する傾向にある現代ムエタイの弱点を克服するためにボクシングに転向、その後わずか4年で4大団体統一ヘヴィー級王者に上り詰める。ヘヴィー級では小兵ながらボクサーとしても当代最高峰と言える実力を持ち、高速のジャブを最大の武器とする。またボクシングでは使われないサブミッションや寝技への対応も身につけており、投げられた直後の不安定な体制からも強烈な突きを放つことができる。さらに奥の手としては生殺の領域でのみ使用するそろぞれ極めたボクシングとムエタイを融合させたガオランにしか使用できない戦闘スタイルを用い、その場合はボクシング技術はもとい、ムエタイの蹴りや肘、膝も組み合わせて闘い、頸動脈を肘で切り裂くなどの急所攻撃も厭わない。
- 大会優勝を狙う飯田とラルマー13世との取引により、今大会の闘技者として出場した。サーパインとは昔からの知り合いで、唯一KOできなかった(時間切れでガオランの判定勝ち)相手であり、終生のライバルと見込まれて一方的に絡まれている。暑苦しい性格や突然自宅などに侵入してくるなどの行為には辟易しているが、内心では好敵手として認めているところもあり数少ない親しい人間の一人なためかそこまで邪険にはしていない。また、トーナメントで自らに食い下がってきた金田に対しては「強敵(とも)」と認めており、仕合後は友誼を結んでいる。
- また、熱烈な愛国者であり、仕合以外の日は、ボクシング王者という知名度を生かしてタイ王国の観光PRを行ったりしている[31]。好きなタイ料理はガパオライスで、辛い食べ物は苦手。そのため辛いタイカレーよりは日本式の辛さ控えめなカレーのほうが好み。カラオケの十八番はタイ王国国歌。在日1カ月。
- おまけ漫画やちょい足しでは日本にまだ侍がいると勘違いしたり、賀露と共に行動して旅行に行く等、本編で考えられない程の天然振りと付き合いの良さを見せる。
- 在籍する「光栄ボクシングジム」は『ダンベル何キロ持てる?』の登場人物である上原彩也香の実家で、『求道の拳』に登場する真備覇楽とは同門に当たる。
- リングや闘士が戦う場所は戦場であり聖地だという考えを持つため、武器を使う英や役者である千葉などの仕合を見てこの大会は見世物だと失望感を感じていた。
- 1回戦では金田と対戦。当初は「凡骨」と見ていたが、実力差を知りつつも真正面から食い下がる姿を見て「戦士」であると認める。それでも実力差の余り金田を殺してしまうことを懸念して手加減していたが、最後は金田の叫びに答える形で「ボクサー」としてではなく「闘技者」として迎え撃ち本気の攻防を繰り広げこれを撃破、1回戦を勝ち抜いた。2回戦では加納と対戦、卓越したボクシングの技術で彼を追い込み、「特注」を編み出されてからもストライカーの真価を発揮する全力の攻撃でガードの上から骨をへし折ろうと拳を砕かれながらもラッシュをたたき込む。しかし顎を揺らされたことで平衡感覚を失ったところで「複合」によって投げ飛ばされ、一瞬の隙に顎を蹴り抜かれて意識を喪失し敗北を喫する。
- 拳のダメージから復帰が危ぶまれたが、トーナメント後にボクサーとして現役続行することを表明している。
- 裏サンデーで行われたキャラクター人気投票では1位を獲得した。
- 使用武術・ムエタイ、ボクシング
- 主な技
- フラッシュ
- デトロイトスタイルから左手で放つ高速のフリッカージャブ。10オンスのグローブ装着時で一呼吸に13発、素手であればさらに手数が15発まで増す。
- 打の極
- ムエタイとボクシングを極め全ストライカーの頂点に立つ存在であるガオランが、勝負の範疇ではなく生殺の領域でのみ使用する戦闘スタイル。「手」を主体に「足」をサブウェポンとし、ムエタイの動きを踏襲しながら手技のコンビネーションを多用する戦法となっており、首相撲が発達した現代ムエタイと逆行するような「打撃のスペシャリスト」のための武術と化している。
- 飯田 正(いいだ ただし)
- 身長=170センチメートル
- 体重=62キログラム
- 年齢=58歳
- 誕生日=9月27日
- 特技=無茶な要求を押し通すこと
- 八頭貿易社長。野心家であり、トーナメントで勝ち残るためにラルマー13世と直接交渉してガオランを闘技者として借り受ける。拳願会全体で見ても「やり手」である。
ムジテレビ
1957年設立。テレビジョンの特定地上基幹放送事業者。各地域の系列30局とのネットワークを持っている。総合格闘技団体「アルティメット・ファイト」のスポンサーであり、大会の地上波放送を行っている。拳願仕合通算戦績:748勝103敗。企業序列第4位。
- 大久保 直也(おおくぼ なおや)
- 身長=195センチメートル
- 体重=116キログラム
- 拳願仕合初参戦
- 年齢=32歳
- 誕生日=11月4日
- 好きな番組=吉本新喜劇
- 好きな球団=近鉄バファローズ
- 通称「格闘王」。アルティメットファイトの絶対王者であり、総合格闘技戦績は26戦26勝。そのうち最終ラウンドまで生き残った相手は一人もいない。小学生のころは野球選手を志す野球少年だったが、小学生としては恵まれた体格を見込まれてレスリング部に勧誘され、最初はレスリングを中高の6年間、次にボクシングのオリンピック強化選手となりながらもわずか2年で総合格闘技へ転向した経歴を持つ。表武術界の最強候補の一人ともいえるビッグネームであるため交友関係は広い。また高校時代はレスリング部に所属する一方で大阪では有名な不良でもあり、大阪中のワルの上に立つ大番長だった。
- 女好きでギャンブル好きと理人と共通点が多いが、ギャンブルの腕は(イカサマ込みで)理人とは対照的。理人、氷室、金田と合わせて串田に4バカと呼ばれており、その中では最年長かつ最強の実力者である。挑発的な言動から「ビッグマウス」とされているが、実は20年近くレスリングやグラップリングの練習を欠かさず行う努力家としての一面もある。カラオケでの十八番は演歌。
- 初戦は加納アギトと対戦。あらゆる能力において自身を上回る相手に対し、「複合」という持ち味を活かして序盤は優位を保っていたが、仕合中に“進化”したアギトによるこめかみへの一撃で失神し敗北。フロントスープレックスをかけられるがそれ以上の追撃をアギトが行わなかったため死を免れる。仕合後、途中まではアギトに食らいついていけたにも関わらず、"進化"によって引き離されてしまったことで心を折られかけたが、トラウマを乗り越えてアギトにリベンジすることを誓う。3回戦前、敗退者の中で怪我が軽く最も優勝に近い選手ということで西品治警備保障社長から代理の闘技者として出場するよう依頼を受け一時は承諾するも、正闘技者であるコスモと出場をかけた立会いをすることとなり、自身が仕合前に課したルールを守れなかったことから敗北を認め再出場を見送った。
- 使用武術・総合格闘技
- 大久保のファイトスタイルは特にレスリングとボクシングテクニックに特化したものになっている。最大の武器は「基本技術の圧倒的練度」であり、打・絞・極・投を技の継ぎ目が無いレベルで融合させた複合技を駆使する。また、対戦相手を殺しかけたことがあるためか蹴り技はあまり使用しない。
- 主な技
- 大久保タックル
- ネーミングセンスはいまいちだが、アギトからテイクダウンを奪った技。
- 熱海 久(あたみ ひさし)
- 身長=169cm
- 体重=60kg
- 年齢=72歳
- 誕生日=11月18日
- 好きな場所=お台場
- ムジテレビ会長。モノクルの老人。有能だが地味なので注目されることが少ない。
- 大久保の実力に信頼を寄せており、彼ならば滅堂の牙も倒しうると信じている。大久保が「進化」したアギトに完敗してからも、いつかリベンジを果たすことを願っている。
呉一族
- 呉 迦楼羅(くれ かるら)
- 身長=154センチメートル
- 体重=45キログラム
- 年齢=16歳
- 誕生日=12月13日
- 高校の部活=吹奏楽部
- 好きな本=グラスホッパー
- 通称『天魔』。 呉一族当主・呉恵利央の曾孫で、東京在住の女子高生。家族構成は婿養子の父(45歳、職業…殺し屋、得意な武器…銃)、母(34歳、職業…殺し屋兼教師、得意な武器…薙刀)、弟(15歳、職業…殺し屋兼学生、得意な武器…ワイヤー)。一族の中でも若い方だが、潜在能力の解放率は85%とかなりの実力者で、仮に拳願仕合に女性部門があれば無敵の女帝として君臨できるほど。王馬の実力を目の当たりにして一目惚れ。昔から宗家の役目は強い子を産むことだと教えられていたせいで出会い頭に求婚し、その後も何かと王馬を追いかけ回している。
- 願流島で知り合ったエレナとは年が近いこともあってすぐに親友になっており、島内では基本的にいつも一緒に行動している。また、エレナの兄を治療した英達や王馬の関係者である山下商事の一行とも仲良くしている。
- 東電のクーデターの際は単独で複数の守護者をあしらうなど、高い実力を見せた。
- モデルはキーラ・グレイシー[32]。
- 呉 恵利央(くれ えりおう)
- 身長=165センチメートル
- 体重=54キログラム
- 年齢=91歳
- 誕生日=11月2日
- 好きなテレビ番組=笑点
- 呉一族当主。0巻第陸話のもう一人の主人公。通称「強魔」。かつて片原滅堂の闘技者を務めていたこともある老人。年齢に見合わない迫力を持つ。一族の長としての風格と落ち着きを併せ持つが、一族を舐める者や侮辱する者は決して許さない。曾孫馬鹿と称されるほどカルラを溺愛しており、彼女の周囲に男の影が少しでもちらつけば錯乱してしまう。近付く男を皆殺しにすると言う点で茂吉と意気投合した。若いころはかなりの親バカでもあった模様。
- 20歳前後の一時期に一族を抜けてフリーで仕事をしていた時期があり、終戦後闇市を仕切っていた滅堂の暗殺を依頼されるが、紆余曲折を経て拳願会員となった彼の闘技者を務めることとなる。初代『滅堂の牙』としてキャリアを積み、ある闘技者との戦いで初めて敗北を経験したことを機に一族の元へ戻り、「外し」をはじめとする一族の秘伝の数々を習得し当主の座を手に入れる。滅堂が自らの命をかけて挑んだ拳願絶命トーナメントで重傷を負いながらも優勝し、彼を拳願会会長の地位まで導いた。
- 現在カルラが熱を上げている王馬のことは大嫌い。奇しくもトーナメント2回戦で王馬と雷庵が対戦することとなり、和夫との息子の命を賭けた勝負をすることになるが、その傍らで私怨により雷庵が王馬を叩きのめすことを期待していた。雷庵が王馬に敗北してしまったため彼の婿入りが現実味を帯びて来ているが、それとこれとは話が別であると未だに認めてはいない。しかしクーデター鎮圧後は徐々に彼を認めつつあり、渋々だが呉一族秘伝の治療を施すなどの歩み寄りも見せている。
- 拳願絶命トーナメントではUM社と義武不動産を天秤にかけ、依頼料の高いUM社につくことを決める。それと同時にかなり早い段階で速水によるクーデターの発生を予見していた滅堂からも依頼を受け、その際には一族の先鋭50名を派遣する契約を結ぶ。
- 自分たちを飼い慣らそうとしていた健蔵に腹を立て彼の命を狙ったが、一夫との賭けに敗れたことで手を引いた。トーナメントで準優勝した王馬の強さを認め、遂に涙ながらにカルラとの結婚を承諾する。
- モデルはエリオ・グレイシー[33]。
- 呉 ホリス(くれ ホリス)
- 身長=180センチメートル
- 体重=82キログラム
- 年齢=31歳
- 誕生日=5月9日
- 最近の悩み=趣味がないこと
- 堀雄の甥。通称『鬼哭童子』。解放率は80%。一族でも有数の実力者とみられているようで、滅堂も当初はホリスがトーナメントに出場するものだと思っていた。雷心流の御雷とは旧知の間柄で、彼が女のために掟を曲げたと知った時には驚愕していた。礼儀正しい性格。
- 呉 怜一(くれ れいいち)
- 身長=191センチメートル
- 体重=105キログラム
- 年齢=26歳
- 誕生日=7月24日
- 好きな音楽=ジャパニーズハードコア
- 恵利央の又従兄弟の曾孫に当たる。通称『金剛鬼』。解放率は50%。一族でも有数の実力者の一人で、拳願絶命トーナメントでは雷庵をサポートすることになる。ただし雷庵の実力こそ認めてはいるものの、その性格をかなり嫌っている。飄々とした性格で、カルラがらみで錯乱する恵利央を見て面白がってはホリスに窘められている。呉一族で一番のナルシストだが、一番影が薄い。
- 呉 堀雄(くれ ほりお)
- 身長=182センチメートル
- 体重=122キログラム
- 年齢=55歳
- 誕生日=10月17日
- 持っている資格=税理士、普通自動車免許
- 恵利央の大叔父の玄孫。通称『鬼牛』。解放率は65%。海外でも仕事を請け負っており、過去にムテバとの交戦経験を持つ。スピンオフでは酔った勢いで風水に余計なことを教えた。
- 呉 風水(くれ ふうすい)
- 身長=164センチメートル
- 体重=49キログラム
- 年齢=19歳
- 誕生日=6月18日
- 特技=狙撃、射撃、尾行
- 趣味=水泳
- 雷庵の妹。通称『魔弾の射手』。どんな仕事もこなせる呉一族の優等生。遠い親戚の変造と仲が良い。自分の兄を「イカレてる」と評するドライな性格。解放率は28%。皇桜学園に通う大学生。恵利央から真の依頼主である健蔵を監視するよう命じられる。齢の近い迦楼羅とは仲がいいが、よく会話の内容にすれ違いが生じている。迦楼羅一家と同じく、東京在住。
- 呉 変造(くれ へんぞう)
- 身長=174センチメートル
- 体重=64キログラム
- 年齢=31歳
- 誕生日=9月29日
- 職業=鳶職
- 弱点=高所恐怖症
- 呉一族の一人。通称『狩鬼』。解放率は19%。普段は東京ではなく本拠地の呉の里に住んでいる。
- 有給を使ってほかの一族の面々と共に上京するが、健蔵を監視する風水のサポート役を決めるためのジャンケンで負け続けているため一人だけ東京観光ができずにずっと彼女と行動を共にしている。
レフェリー
- 山本 小石(やまもと こいし)
- 身長=170センチメートル
- 体重=100キログラム
- 年齢=62歳
- 誕生日=10月30日
- あだな=鬼軍曹
- スキンヘッドで小太りの男。レフェリー歴21年のベテラン。仕合を止めるのはやや遅め。審判の存在が戦いを「殺し合い」から「仕合」に昇華させるという持論を持つ。後進に道を譲ろうと考えていたが滅堂から直々に慰留されたため、70歳前後までは現役を続行しようと思っている。ただ後進を育てるのは若い田代に任せようと考えている。15年前に行われた前回の拳願絶命トーナメントでもレフェリーを務めた。今回の拳願絶命トーナメントではAブロックを担当する。
- モデルは新日本プロレスの山本小鉄[34]。
- 田代 もさし(たしろ もさし)
- 身長=172センチメートル
- 体重=51キログラム
- 年齢=44歳
- 誕生日=8月31日
- 趣味=駄洒落
- 眼鏡の中年。レフェリー歴8年。歌手、コメディアンを経てレフェリーになった異色の経歴を持つ。厳格なレフェリングに定評がある一方で、オフでは闘技者と気さくに接する。あだなはマーシーだが、拳願会ではあまり定着していない。歌が上手く、好きな歌手はラッツ&スター。拳願絶命トーナメントではBブロックを担当し、決勝戦の審判を山本から委ねられた。
- モデルはタレントの田代まさし[35]。
- アンナ・パウラ
- 身長=165センチメートル
- 体重=56キログラム
- 年齢=26歳
- 誕生日=6月19日
- 好きな料理=シュラスコ
- 拳願仕合唯一の女性レフェリー。ブラジル出身。レフェリー歴2年。決着コールは早め。日本留学中にスカウトされた過去を持ち、語学堪能なため外国人闘技者の通訳をすることもあり、ブラジル格闘家糸のパイプ役としても活躍している。拳願絶命トーナメントではCブロックを担当する。ブラジリアン柔術の経験があるが白帯でやめており、プライベートでは格闘技よりサッカーが好き。
- チーター 服部(チーター はっとり)
- 身長=165センチメートル
- 体重=66キログラム
- 年齢=55歳
- 誕生日=7月20日
- 自慢=若いころはメッチャ強かった(自称)
- 後ろ髪を結った髭の男。チーターはあだ名であり、本名を知るものは少ない。元々レスリングの経験があり、闘技者として活躍していたが、怪我で引退し17年前レフェリーに転向した。仕合を止めるのが遅い傾向にあるが、本人曰く、仕合の流れを重視してのことらしい。元闘技者だけあり、実力を見極める眼力はピカイチ。拳願会のレフェリー育成も担当している。拳願絶命トーナメントではDブロックを担当する。
- モデルはタイガー服部[36]。
その他
- 横田将靖(よこた まさやす)
- 拳願仕合戦績15勝4敗
- 非公式仕合戦績27勝0敗
- 牛民フードサービス所属闘技者。通称「我道館空手の喧嘩番長」。会員証を賭けた非公式仕合で王馬と対戦。一撃で仕留められた。
- 鍋 美樹男(なべ みきお)
- 牛民フードサービス社長。拳願会会員証を賭けた非公式仕合をして会員証に釣られた者達を鴨と称して小銭稼ぎしていた。絶命トーナメントには興味がなく、マイペースに小銭稼ぎするつもりが王馬により会員証を奪取されたため大損してしまう。
- 下田 佐治(しもだ さじ)
- 拳願仕合戦績2勝0敗
- 企業獲得資産40億2100万円
- 大亜細亜航空闘技者。通称「獣人」。サブミッションを得意とし、予選では理人に絞め技を極めるが、理人の馬鹿力にサブミッションが外され敗北する。
- ジェリー・タイソン
- 拳願仕合戦績3勝0敗
- 企業獲得資産19億5200万円
- 年齢=32歳
- 22世紀ファックスコーポレーション闘技者。通称『ロケットマン』。デトロイト出身のアフリカ系アメリカ人。
- 元は陸上競技の短距離走者だったが、中国に渡ったことを機に象形拳を会得、さらにそれを発展させて兵器の動きを模す「J式象形拳」を開発する。
- 予選ではほかの闘技者をなぎ倒しながら王馬と戦うが、「瞬鉄・爆」を破ることができずに敗北した。
- 怪我自体は軽かったため、願流島に先乗りする。トーナメント本線では、Aブロック1回戦より飛び入りの解説者となっている。初日の解説が好評を博したため、2回戦からは正式に解説者を任される。
- 使用武術・J式象形拳 (JERRY'S SHOUKEI-KEMPO)
- 主な技
スカッドミサイル (SCUD MISSILE)- 両腕を前に突き出すような形で構えて突進するジェリーの最高傑作ともいえる技。何度かわされても即座に軌道を修正し、全身を連動させ超スピードで全質量を相手に叩き込むことができ、側面からの攻撃も跳ね返せるため乱戦で最も威力を発揮する。
パトリオット (PATRIOT)- 空気抵抗を極限まで抑えるために左肩を前に出した超前傾姿勢で突進し、相手と接触する瞬間拳を突き出す超攻撃特化の技。
- HEADBUTT BOMB
- 頭突き技。
- 原田 徳次郎(はらだ とくじろう)
- 拳願仕合戦績9勝0敗
- 企業獲得資産690億4200万円
- ふじま運送闘技者。通称『憂国のハラトク』。政治団体「晩稲会」の行動隊長で、敵対組織からは「特攻のハラトク」と恐れられている。得意技は「ハラトクラッシュ」。予選では賀露と対戦、ラッシュを受けきられ強烈な張り手の一発を喰らって敗北した。
- 後田 武郎(うしろだ たけろう)
- 拳願仕合戦績7勝0敗
- 企業獲得資産110億5000万円
- いずみ食品代表闘技者。通称『火を吐く醇風掌』。音に聞こえた闘技者であったが、予選でハサドに攻撃を仕掛けたところにカウンターでラッシュをくらい敗北。その後はトーナメント本戦期間限定で、義武の護衛として雇われる。
- モデルは原作者の地元の友人[37]。
- アキ 斉藤(アキ さいとう)
- 拳願仕合戦績6勝0敗
- 企業獲得資産320億2800万円
- 鹿王院建設代表闘技者。通称『8ビートボクシング』。音に聞こえた闘技者であったが、予選で一瞬で間を詰めたハサドに顎を打ち抜かれ敗北。その後はトーナメント本戦期間限定で、義武の護衛として雇われる。
- モデルは原作者の地元の友人[38]。
- 周防 みほの(すおう みほの)
- 身長=156cm
- 体重=48kg
- 年齢=23歳
- 誕生日=10月25日
- 苦手なこと=会社経営
- 周防製鉄(企業序列414位)社長。急死した父から社長の座を引き継ぐが、100年に一度の世界的金融危機の直撃を受け、業績を急降下させてしまう。起死回生のチャンスをつかむため拳願絶命トーナメントに送り込んだ闘技者も予選で理人に瞬殺されてしまい50億円を無駄にし、本戦での勝敗の賭けでも負け続け、個人資産の差し押さえまであとわずかのまさに風前の灯といった状況だったが山下商事に全財産を賭けたことで70億円の借金を完済できた。それからはツキが回ってきたようで、以降の賭けでは大きく黒字を出している。
- 松井 博史(まつい ひろし)
- 乃木出版営業二課課長。和夫の上司で、面倒な仕事ばかり彼に押しつけては嫌味を言っているので、部下からの人望は薄く、和夫も内心では「コネ入社の若造」とバカにしている。和夫が王馬の世話役に選ばれたことで本社に何度も呼ばれるようになったことに嫉妬し、それまで以上に突っかかってくるようになるが、非日常に適応してしまった彼はあまり堪えておらず、かえってストレスばかりがたまっている。
- 山下が退職する時まで嫌味を言い続けるが、山下から感じた威圧感や迎えに来た大屋と義武に圧倒され腰を抜かす。
- 細目 太(ほそめ ふとし)
- 乃木出版社長。出版業界の大御所である大屋には頭が上がらない。
- 十鬼蛇 二虎(ときた にこ)
- 王馬の使う「二虎流」の創始者と見られる人物。故人。幼少期、孤児であった王馬とある一件で出会い、半ば強引に彼の師匠兼親代わりとして彼を育てた。おおざっぱな性格で人を小ばかにしたような口調だが武術に対する信念は強く、「武」に正解はなくはあくまで間違えないための「歩き方」でしかないと考えている。呉一族のような強者と戦うことを前提とした指導を王馬に施しており、彼には工夫次第で自分より強い相手でも倒すことができる「武」「技」の重要性を説いていた。
- 体当たりでコンクリートを粉砕し、技で拳銃の弾丸の軌道を変える、作中でも飛び抜けた実力を持っていた。拳願仕合の行われる裏世界でもかなり有名な人物であるらしく、デビューした王馬は「“十鬼蛇二虎”の後継者」として名前が知られるようになる。
- 十年前、「憑神」で命をすり減らす弟子に「絶氣」で背骨を歪めて「枷」をはめ、本来の実力を発揮できないようにしていた。その直後、王馬に「憑神」を教えた相手と戦って重傷を負い、傷が癒えないまま平良と決闘したことで命を落としている。
- その正体は臥王鵡角の弟子の1人で、何名かいた「十鬼蛇二虎」の生き残り。生前は黒木とも面識があった。
- 使用武術・二虎流
- 主な技
- 操流ノ型「流刃(リュウジン)」
- 操流ノ型「転地(テンチ)」
- 投げ技。真上に高く投げ上げるため、手加減しなければヤクザ者でも命が危ないほど強力。
- 操流ノ型「絶氣(ゼッキ)」
- 金剛ノ型「不壊(フエ)」
- 金剛ノ型「鉄指(テッシ)」
- 金剛ノ型「鉄砕(テッサイ)」
- 水天ノ型「双魚之縛(ソウギョノシバリ)」
- 火天・金剛ノ型「瞬鉄・爆(シュンテツ・バク)」
- 操流・水天ノ型「水燕(スイエン)」
- 水天ノ型 極「水鏡」
- 奥義「鬼鏖(キオウ)」
- 平良 厳山(たいら げんざん)
- 十年前に十鬼蛇二虎と決闘して勝利した人物。通称『螺旋』。狐影流宗家の血を引いており、失伝しかけていた流派を復興させようと活動していた。友人の黒木によると弟子思いであったらしく、桐生の才能を見込んで弟子にとって鍛えていた。目の前で師匠を殺されて呆然とする王馬に強くなるよう示唆、「『戦場』で待つ」と言い残してその場を立ち去る。
- その後、王馬とは対戦することなく、師匠越えを果たした桐生に裏切られ重傷を負わされる。その後の経緯は不明だが、桐生は「殺した」としている。
- 王馬が拳願仕合に参加したのは、彼を追ってのことである(実際には別の格闘技に参加していた)。王馬は二虎の仇討ちとして彼を探していたらしいが、桐生が彼を殺したことで十年間の努力が無に帰してしまう。
- 使用武術・狐影流
- 主な技
- 瞬(またたき)
- 羅刹掌(らせつしょう)
- 山下 康男(やました やすお)
- 山下家の二男。高校を中退し、夜遊び仲間と暴走族に入り、上納金のために父親の財布から金を抜いていた。自分が所属していた暴走族のメンバー100人以上を王馬がたった一人で全滅させたのを見て自分とは棲んでいる世界が違うことを悟り、真面目に生きることを決意。建設現場で働きながら定時制高校に通うことになる。
- エレナ・ロビンソン
- 茂吉の異母妹。美少女で周囲の男達から狙われているが、その度に茂吉が圧を飛ばすため言い寄られることは無い。純粋な性格で、兄の勝利をひたむきに願っている。カルラとは歳が近く友人になった。
- 龍王山 堅(りゅうおうざん けん)
- 鬼王山の長兄で、虎王山の双子の兄。番付は横綱であり、大相撲初の双子横綱。温和な顔立ちをしているが昔はかなりやんちゃしていたらしく、相撲一筋を公言していながら弟たちと同じくかなり好戦的。絶命トーナメントの観戦に来ていたところをクーデターに巻き込まれ、関取衆を率いて鎮圧に当たる。
- 虎王山 忍(こおうざん しのぶ)
- 鬼王山の次兄で、龍王山の双子の弟。番付は兄と同じく横綱。既婚者で子持ち。顔立ちは兄に似ず目鼻立ちがはっきりとしている。その容姿にたがわず豪快な性格。トーナメント中に発生したクーデターでは、相撲協会には内緒と言いながら大暴れする。クーデター鎮圧後は金田を気に入ったのか、自分たちの相撲部屋に招待している。
- 黒使(こくし)
- 願流島に侵入した裏では名の知れた殺し屋集団。「中」の屈指の無法地帯である「六蠱」出身で、片原烈堂を最優先ターゲットの一人として島に潜入し、護衛者と対峙。後を引き継いだ殲滅部隊相手に何も出来ず敗北したが、実は、殲滅部隊が黒使を相手にしている間に別の者が島に侵入するための囮であった。
- ラルマー13世
- 身長=177センチメートル
- 体重=71キログラム
- 年齢=20歳
- 誕生日=4月16日
- 特技=クラビー・クラボーン(タイの剣術)
- 弱冠20歳にしてタイ王国財政界の王。片原滅堂と渡り合える数少ない人物。普段から象に乗って移動し、供を大量に引き連れており、庶民の一般常識に疎い。飯田の野心を気に入り、自身の懐刀であるガオランをトーナメントに出場させる。ガオランとの関係は良好で公私共に付き合いがあり、忠臣として最も信頼しているだけでなく、自身のほうが年下ではあるが「兄」として彼に接している。
- 金田の師匠(本名不明)
- 金田の父(故人)からの頼みで、金田に紅人流を伝授した老人。元闘技者であり、両目の負傷で失明したため引退した。凡夫に過ぎない弟子が闘技者になることを止めようとしたが、父親譲りの頑固さに負け、勝利を祈りながら笑顔で送り出す。
- ヤク
- ハル(春男)と同郷のネパール人でグルカ兵。幼馴染のハルが日本で堕落してしまったことに衝撃を受けた。東電によるクーデター時にはほかのグルカ兵とともに鎮圧側として行動する。
- 御雷 渺(みかづち びょう)
- 御雷の師であり先々代の雷心流当主。通称「雷」。御雷が殺人拳としての雷心流を否定しようとしていることは現当主の判断ということで黙認している。恵利央とは若いころに何度も殺しあった因縁の相手だが、互いに一線を引いているためそこそこ穏当な関係に落ち着いている。拳願絶命トーナメントには有事の備えで雇われ関係者の護衛として島内に潜入する。
- 因幡 丈左衛門(いなば じょうざえもん)
- 良の祖父。通称「黒い悪夢」。因幡流の使い手で、老齢ゆえの総白髪だが髪の強度は健在。拳願絶命トーナメントには有事の備えで雇われ関係者の護衛として島内に潜入する。
- 南部 竜太(なんぶ りゅうた)
- 『求道の拳』の登場人物。六真会館所属の空手家で躰道経験者。通称『電撃戦士』。
- 直接の登場はないがその特徴的な容姿から、モブやTシャツのロゴなどとして「ケンガンアシュラ」内でもたびたび登場している。
- 暮石 光世(くれいし みつよ)
- 身長=175センチメートル
- 体重=69キログラム
- 『求道の拳』の登場人物。通称『怪人』。「Cage Fight」を主戦場とし5階級制覇を成し遂げたMMA(総合格闘技)プロ選手。幼少時より骨に異常な執着を持ち、関節技は超一流だが打撃技術も非常に高い。趣味が高じて柔道整復士となり、御茶ノ水で暮石整骨院を営む(MMAの報酬では食っていけないため)。国家資格をいくつか所持している。六真会館オープントーナメントにて本戦3回戦まで進出した実績を持つ。
- 本人曰く「効率の良い人間の壊し方を勉強していたらいつの間にか治す方になっちゃってた」とのこと。好青年だが言動の端々に狂気があり、周囲からは道を踏み外さなくて良かったと思われている。同じく総合格闘家である大久保とは活躍の場こそ違うが面識はある。
- 本編から5年ほど前にヤクザと喧嘩をして殺されかけていたコスモを救い、弟子に取る。自身を「超天才」と評しているが他人のために戦うのは性に合わないらしく、自らが通うジムの後輩である西品治から闘技者になるよう依頼されても断っており、代わりに弟子のコスモを闘技者に推薦している。
- 弟子の仕合を見に絶命トーナメントにも観戦に現れ、蔵地と久々に再会する。クーデターでは若い連中に任せることにして高みの見物を決め込む。3回戦開始後は西品治らと共に王馬とコスモの仕合を観戦する。その際は怪我人同士の仕合であることに不満を持ち野次を飛ばす観客たちのことを「消費者」と称し、捉えようによっては読者に対するメッセージとも取れる発言をしている。
- トーナメント後は、日本に残留したアダムに格闘技の猛特訓をつけている。
- 『ダンベル何キロ持てる?』にも登場。立花里美とは家が近く、自身が経営する整骨院の患者と院長という関係で、彼女の趣味も知っている。
- 太山 倍起(ふとやま ばいたつ)
- 『求道の拳』の登場人物。通称『空手の神』『牛殺し』『バイ太山』。新刀流空手の創始者。六真会館の青とは因縁があり、かつて戦った際に睾丸を片方潰されている。
- 池内 面太郎(いけうち めんたろう)
- 身長=182センチメートル
- 体重=85キログラム(求道の拳開始当時。二部では推定110kg以上)
- 『求道の拳』の主人公。通称『求道の拳』。太山の元一番弟子(不良だったころに太山に叩きのめされ強制的に入門させられた)で、皇桜学園の元事務員。強力なハードパンチャーだが当て感に欠けるという弱点を補うため、空手とディフェンス特化のグラップリングを組み合わせた「全局面打撃」を編み出す。王馬と同じく「求道者タイプ」の格闘家で、暮石からも手強いと評されている。
- 六真トーナメントにおいて初回参加時には外部参加者で唯一のベスト8、2度目の参加では蔵地らを下して準優勝を果たしている。皇桜学園英文学科准教授の小津とは親しかったらしく、彼の著書に帯コメントを送るなど自身の退職後も交友を続けている模様。
- 蔵地 駆吾(くらち かるご)
- 身長=184センチメートル
- 体重=110キログラム
- 『求道の拳』の登場人物。超日本プロレス所属のプロレスラーで超日三銃士の一人。通称『プロレスの神様』。既に40代を超えているが、池内を上回るパワーと驚異的なタフネスを誇る。
- 関林にとっては大先輩にあたり、入門時から厳しく稽古をつけていた。かつて六真会館オープントーナメントに出場した際に自身の信念を貫きすべての攻撃を受けきるが3回戦で敗退。そのときに残した「プロレスラーがプロレスを信じなくてどうすんだ?」という言葉が以降の関林のプロレスに対する考え方に大きな影響を与えることとなった。
- 絶命トーナメントの観戦にて久々に暮石と再会。クーデター騒動も関係者に任せようかと考えるも、我慢できずに首を突っ込む。
- トーナメント後は、関林とともに新弟子になった春男を鍛えている。
- 青 賢二(あお けんじ)
- 『求道の拳』の登場人物。日本最大のフルコンタクト空手団体「六真会館」の館長。かつて外部の格闘家を募り、六真会館オープントーナメントを開催したことがある。裏社会との関わりを持たないという先代の意向から形式上破門しているが、若槻にとっては幼少期から世話になった恩師である。かつて太山と戦った際に右目を潰されており、現在は義眼をはめている。
- 「本物の二虎」
- かつて王馬に「憑神」を教えた人物。真偽は不明だが王馬の師匠である十鬼蛇二虎とはかつて同門だったと桐生に語っている。東電の守護者に潜り込んでいた「蟲」とも何らかの関わりがある模様。
- 13年前、十鬼蛇二虎に憎悪を抱いていた桐生に「悪魔を倒す技」として二虎流の技を教え、その後平良を師匠として紹介した。それから3年後には奥義を習得したばかりの王馬の元に現れ、彼を圧倒した後に「憑神」を使用できるようにした。王馬に二虎が「枷」をはめた直後に現れ彼と戦い、桐生によればその際に二虎へ致命傷を与えたものの自らの命を落としている。だが10年の時を経て憑神を使う者が現れたことから王馬はその死に疑念を抱いている。
- 使用武術・二虎流
- 主な技
- 火天・金剛ノ型「瞬鉄・砕」
- 憑神
- 臥王 鵡角(がおう むかく)
- 古流柔術「臥王流」最後の継承者。圧倒的な武力でかつて「中」の統一を目論んだが、孤軍奮闘を30年続けても野望の達成には至らず、野望を次世代に託すため「中」の子供達を弟子に取り、「中」の人間であることを印象付けると同時に1人のカリスマとして伝説を作るという目的で全員に「十鬼蛇二虎」の名を与える。有力組織が二虎の排除に本腰を入れ始めたころに奥義の伝授を行うため餓鬼ヶ原樹海へ向かうが、その時に起きた惨劇で弟子の大半を殺され、自らも姿を消す。
- 臥王流
- 鵡角が使用する古流柔術。二虎流の源流と言える武術。
- 下地 和文(しもち かずふみ)
- 怪腕流先代当主。黒木の師匠。故人。鵡角とは旧友で、若いころから技術協力を盛んに行ってきたらしく、二虎流の開発にも関わった。
ケンガンアシュラ0(ZERO)
- 今井 メテオ(いまい メテオ)
- 第壱話『絞殺王』にて登場。コスモの弟で1つ年下。グレていたころのコスモと瓜二つだが、兄より高身長。体育学校に通っており、帰宅部のコスモのほうが運動神経がよく、バスケ部の自分よりも上手いことに対して「時々グレたくなる」と呟いている。しかし、コスモより勉強と家事はできる。弟なのに兄貴肌で、面倒見がいい。
- アンデウソン・アローナ
- 年齢=20歳
- 第壱話『絞殺王』にて登場。ブラジル人で新進気鋭の格闘家。通称『アマゾンの貴公子』。「闘いにおいて、一撃で相手を仕留められないこと=敗北に等しい」と言う信念を持ち、デビューから7戦全て最初の一撃で勝利している。ウェルター級なら他団体も含めて最強と言われている。
- CAGE FIGHTのため来日した際、西品治の計らいにより仕合前のトレーニング相手としてコスモとスパーリングを行う。当初はライト級であるコスモ相手に勝利を確信していたが、悉くコスモに極められ自分がコスモのトレーニング相手であることを悟る。自分の想像もつかない「裏の世界」を目の当たりにしたことで自信を喪失し翌日に引退を表明する。
- 古海 三平(ふるみ さんぺい)
- 第弐話『猛虎』にて登場。先代の古海製薬代表取締役で、古海平八の伯父。若いころ武士の祖父に世話になっていたこともあり、力が制御できず苦労していた幼少期の武士を預かっていた。
- 甥である平八には跡取りと言うこともあり甘い。
- カズ藤田(カズ ふじた)
- 第参話『タイの闘神』にて登場。シュートレスリングの使い手で、ムエタイの選手二人が攻撃しても微塵も動かないタフさを持っている。金のためにラルマー十三世の護衛を名乗りでたところ彼に現・護衛者であるガオランと闘い勝つことができれば雇用を考えると言われたため、ガオランと闘うも一瞬で15発のジャブを叩きこまれ何もできず敗北する。
- ギーバ
- 第肆話『アラブの旋風』にて登場。ハサドの国の第二王位継承者。現王である父が病に臥せっている最中、ハサドに早く王位を継承し政を引き継いで貰いたいと思っていたが、世界を見て回り知識を得て他国と渡り合いたいと考えるハサドと意見が対立する。王家秘伝の武術「砂漠掌」を使いハサドを止めようとするも、ハサドが独学で学んだ日本の武術である「首里手」に敗れる。
- 武術の優劣ではなく知識の差が勝敗を分けたことを諭され、その後ハサドが帰ってくるまで国を護ることを誓う。
- 使用武術・砂漠掌(さばくしょう)
- 自国に伝わる武術。前に出した掌で相手の攻撃をさばき、右拳で相手を仕留める。砂の上を移動するため大きく腰を落として構え、ステップではなく摺り足を使う。
- 安田 雅弘(やすだ まさひろ)
- 第伍話『解剖魔』にて登場。聖ガッデム病院の院長で、臓器移植手術の権威。裏では拉致した凶悪犯罪者達の臓器を売買していた。英にそのことを看破され殺害される。なお、非合法な臓器移植手術で得られた研究成果も英の手で回収された。
- 白井 龍(しらい りゅう)
- 第陸話『覇道を征く男』前編に登場。関東白井組の組長で、関東一帯の闇市を取り仕切る大元締め。
- 戦後、突如現れた滅堂を見込んで闇市を任せる(その後1年あまりのうちに、滅堂は闇市を関東一の規模にまで押し上げた)。その後、自らが持っていた拳願会の会員証を託す。
用語
- 拳願会
御用達の地位を求めた商人たちが血で血を洗う争いを繰り広げていた時代、徳川幕府七代将軍徳川家継の命で結成された組合。発足は正徳6年[39]。以来現代まで存続し続けており、その規模は裏格闘技界でも最大となっている。- 利害が対立した場合に「闘技者」と呼ばれる腕自慢同士が「拳願仕合」を行い、勝負の結果を絶対化、それ以外の争いを一切禁止したものである。基本的に一対一の戦い[注 6]で、武器の使用は禁止[注 7]、女性の闘技者は存在しない。仕合中の服装に規定はないようだが、あからさまに武器を仕込めそうな丈の長いコートなどは仕合前に脱がされる場合がある[注 8]。
- 登録闘技者数は1205名、年間仕合数は選手平均で8.5仕合[40]。無敗の選手も少なくないが、これは敗北後に解雇・引退・死亡することも少なくないためである。一概には言えないが、企業獲得資産が高額であるほど企業にとって重要な仕合を任されているということになり、闘技者の力量の目安の一つとなる。反則のない拳願仕合でレフェリーが果たす役割は少なく、仕合中の仕事は基本開始と決着のコールのみ。「企業同士の面子と利益」に影響があるため、時間無制限で消極的なファイトへの罰則もないものの打ち合わずに逃げ続けることは基本的に許されず、闘技者が「明らかな戦闘不能」に陥るか「明確な降参」の意思を示さない限りレフェリーも安易に仕合を止めることができない。仕合中に闘技者が重傷を負った場合や明確な反則行為がわかった場合でもストップは行わない。
- 417社が加盟しており[41]、会員になるには「富と社会的地位」と「拳願会の承認」が必要だが、挑戦料1億円で会員権を賭けた非公式な仕合[注 9]が行われている。拳願仕合での成績順に「企業序列」が決められる[注 10]。会員内で派閥を結成することがあり、例として最古の派閥である「三傑[注 11]」、2番目に古い派閥の「四龍」、現最大派閥で東洋電力を頂点として複数の企業を従える「百人会」が存在する。闘技者が引退後に所属企業の職員となる場合もある(禍谷園やガンダイでは社長が元闘技者)が、現役闘技者が社長を兼任するのはSH冷凍が初めてであるとされる。
- なお第1回目の公式仕合は八代将軍決定戦として行われた。尾張藩主徳川継友側は闘技者として山田浅右衛門を選出、紀州藩側は藩主徳川吉宗自身が闘技者として出場した。結果は歴史の語る通りである。
- 拳願絶命トーナメント
- 拳願会会長の座を賭けて行われるトーナメント。明治期より大規模な拳願仕合の開催地となっていた無人島で、現在は片原滅堂のプライベートビーチとなっている「願流島」が開催地となる。安易な参加を防ぐため高額になっており、今回の参加費も50億円であるが、参加自体がステータスとされるため仕合の勝敗にかかわらず新たに契約が決まることもあり出資分を取り返すことも不可能ではない。
- 今大会では「拳願会会長の指名権」を賭けるという特殊なルールの下で行われる。417社中151社がエントリーし、予選を免除された企業序列上位28社および残りの123社で行われたバトルロワイヤル方式の予選を潜り抜けた5社の計33社で行われる予定だったが、ペルシイ石油闘技者が開催前に脱落したことで32社で行われる。1回戦、2回戦、準決勝・決勝をそれぞれ1日ずつかけて行い、中日として1日のインターバルが設けられている。これは名目上では闘技者の休息のためということになっているが、企業同士の裏工作を自由に行わせる目的もある。さらに2回戦以降は本人の合意さえあれば1度だけ自由に闘技者の変更が可能となる(他企業の闘技者の引き抜きもあり)。それ以外の本大会の特徴としては拳願仕合初出場である闘技者が多く参加していることなどが挙げられる。
- 煉獄
- 日本の裏格闘界で拳願仕合に次ぐ第2位の規模を誇る団体。
- 毘沙門
- 日本の裏格闘界で第3位の規模を誇る団体。根津が絶対王者として君臨していた。
- UNDER GROUND-1
- 西日本を拠点とする裏格闘団体。
- デスファイト
- ヤクザが主催し、その資金源となっている裏格闘団体。武器の使用が許可される。少し前まで桐生が参加しており、彼の手でめぼしい相手は全員倒されてしまったらしい。
- 殺戮武闘会
- ルールの過激さで知られる裏格闘団体。
- 呉一族
- 『禁忌の末裔』の通称で恐れられる金次第でどの勢力にも与する暗殺者の一族。家系に連なる者は皆、白目と黒目が逆転した特徴的な眼を持つ。大陸の渡来人がルーツであるとされ、古来よりその時代において最新の日本武術を取り入れており、また同時に高名な武芸者と子を成すなどして身体そのものの品種改良を行ってきた。その結果1300年の時を経て「戦いに特化した新人類」と呼べるレベルにまで進化し、あらゆる身体機能が生まれながらに人間を超越しており、単純な身体能力だけを見るならば「呉」では並み程度の実力者でも一流格闘家を凌駕する水準を誇る。痛みやダメージへの耐性も高く、肉体そのものの頑丈さと脳内麻薬によりかなりの深手にも耐えることが可能となっている。一族に伝わる技は活殺自在とされ、武術だけでなく鍼などの療術も秘伝としている。
- 宗家以外の多くは東京から500キロメートル程離れた「呉の里」と呼ばれる地方都市を拠点としており、暗殺者ではあるものの依頼を遂行する以外では普通の、むしろ気のいい人間達であり、地域を差配する一族として住民からも親しまれている。
- 昔から何人もの人間が拳願会員に雇用され闘技者として拳願仕合にも参加している。裏でも名の通った一族だけのことはあり、これまでの敗北したのは一族全体でみてもわずかに4仕合のみ[42]。
- 『求道の拳』に登場する呉一族と似たような目の色、技を使う「凶帝」早鍬左馬斗はある時期に呉一族から枝分かれした末裔という設定である[43]。
- モデルはグレイシー一族[44]。
- 外し
- 呉一族に伝わる秘伝の一つ。肉体の崩壊を抑えるためにかかっている脳のリミッターを解除して潜在能力を解放し、いわゆる「火事場の馬鹿力」を発揮する技。何代にも渡る「品種改良」で肉体そのものの強度を高めてきた呉一族だからこそ使える特殊な技術。潜在能力の「解放率」は個人の資質に依存しており、50%を超える者は少なく100%解放できる者となると一族の歴史を見てもごくわずかしか存在していない。この技を使えば開放率50%未満の者でも素手で戦車の装甲並みの硬度があるシャッターを破壊できる。力は爆発的に上昇するが肉体の耐久力自体は変わらないため、敵の攻撃を過剰に受け続けるとその蓄積ダメージにより「外し」を維持できる時間が短縮されてしまうという弱点がある。秘伝であるため当主の許可なく人前で使用することは禁じられている。
- 不法占拠地区
- 1868年前後、東京近郊に形成された不法集落。東京23区の形成前に出現した非公式の第0区とでもいうべき場所で、20世紀には日本政府も事実上放棄している。国の情報操作により広範囲に有毒ガスが発生しているため住民はごく少数ということになっているが、実際は48.77㎢の土地に違法増築による巨大な要塞都市が形成され、10万から20万の人間が生活している。法律は存在しないため、治安は最悪で様々な犯罪行為が蔓延っており、暴力ですべてを奪い合うためヤクザ者ですら中に入ることを躊躇する。出身者からは、単に「中」とだけ呼ばれる。内部には「一龍」「二虎(にこ)」「狼弎(ろうざ)」「四亀(しき)」「五熊(ごゆう)」「六蟲(りくこ)」「七王馬(しちおうば)」「八鷹」「九蜘(ぐち)」「十鬼蛇(ときた)」などの地名がある。
- 十鬼蛇区
- 不法占拠区の10番街。王馬や二虎の出身地で、一龍・二虎・七王馬と隣接する。中規模組織が乱立する抗争の絶えない「中」でも有数の危険地帯であるためか、住民間の仲間意識は皆無で外の人間からの信頼度も低い。
- 餓鬼ヶ原樹海(がきがはらじゅかい)
- 不法占拠地区から西へ100キロメートルほどの所にある樹海。一帯は強力な磁場に覆われ方向感覚を乱されるため、迷い込んだら最後脱出できないと言われる死の森。広大な土地と豊富な土壌がありながら鳥獣の鳴き声も聞こえず、生息するのは小さな地虫程度。反面、植物相は豊かで薬草なども自生している。かつて修験者の聖地だった。中には苦死山(通称・死者の山)がそびえ立つが、多分安全な登山ルートが設けられている。
- 『ダンベル何キロ持てる?」にも登場。皇桜女学院高等部の課外授業で登山が行われた。
書誌情報
- サンドロビッチ・ヤバ子(原作)・だろめおん(作画) 『ケンガンアシュラ』 小学館〈裏少年サンデーコミックス〉、既刊26巻(2018年10月19日現在)
- 2012年12月18日発売 ISBN 978-4-09-124110-8
- 2013年1月18日発売 ISBN 978-4-09-124237-2
- 2013年4月18日発売 ISBN 978-4-09-124332-4
- 2013年5月17日発売 ISBN 978-4-09-124334-8
- 2013年9月18日発売 ISBN 978-4-09-124417-8
- 2013年10月18日発売 ISBN 978-4-09-124531-1
- 2014年2月18日発売 ISBN 978-4-09-124600-4
- 2014年5月16日発売 ISBN 978-4-09-124691-2
- 2014年8月18日発売 ISBN 978-4-09-125234-0
- 2014年10月17日発売 ISBN 978-4-09-125478-8
- 2015年1月9日発売 ISBN 978-4-09-125709-3
- 2015年4月10日発売 ISBN 978-4-09-126056-7
- 2015年6月12日発売 ISBN 978-4-09-126184-7
- 2015年10月9日発売 ISBN 978-4-09-126588-3
- 2016年3月11日発売 ISBN 978-4-09-127082-5
- 2016年6月10日発売 ISBN 978-4-09-127300-0
- 2016年9月9日発売 ISBN 978-4-09-127434-2
- 2016年12月19日発売 ISBN 978-4-09-127465-6
- 2017年2月10日発売 ISBN 978-4-09-127519-6
- 2017年6月12日発売 ISBN 978-4-09-127633-9
- 2017年8月18日発売 ISBN 978-4-09-127757-2
- 2017年10月19日発売 ISBN 978-4-09-128007-7
- 2017年12月12日発売 ISBN 978-4-09-128041-1
- 2018年4月12日発売 ISBN 978-4-09-128267-5
- 2018年7月12日発売 ISBN 978-4-09-128440-2
- 2018年10月19日発売 ISBN 978-4-09-128700-7
- 2012年12月18日発売 ISBN 978-4-09-124110-8
- サンドロビッチ・ヤバ子(原作)・だろめおん(作画) 『ケンガンアシュラ0』 小学館〈裏少年サンデーコミックス〉、2016年1月12日発売 ISBN 978-4-09-127010-8(通常版)・ISBN 978-4-09-941866-3(ドラマCD付き特別版)
Webアニメ
この節には放送開始前の番組に関する記述があるため、方針に従い独自研究の予測などは載せず、出典に基づいて正確な記述を心がけてください。(2018年7月) |
2019年よりNetflixにて配信予定[1]。
スタッフ
- 原作 - サンドロビッチ・ヤバ子、だろめおん[45]
- 監督 - 岸誠二[45]
- シリーズ構成 - 上江洲誠[45]
- キャラクターデザイン - 森田和明[45]
- 音楽 - 高梨康治[45]
- アニメーション制作 - LARX ENTERTAINMENT[45]
脚注
注釈
^ 関林戦は仕合ではなく路上のケンカ。
^ 16年前に19歳。
^ 現在の雇い主である速水のことか、蟲としての本来の主のことかは明らかではない。
^ 当初は一族全体の通称である『禁忌の末裔』と呼ばれていた。
^ 受け身をとれないような角度で茂吉に背負い投げをかけられ顔面から地面にぶつかっても、パワーアップした王馬のラッシュを受けてもわずかに出血したのみだった。
^ 例外として3社以上が利権を求めた際には「バトルロワイヤル戦」が行われる。
^ ただし武器のチェックはレフェリーの目視でしか行われないため、体内に仕込んだ武器や無色無臭の毒物などを使用した場合は見過ごされることが多々あり、事前の確認さえ潜り抜ければ仮に仕合中に武器の使用が確認されても反則負けにはならない。
^ 前科がある蕪木の場合は上着どころかバンテージまで奪われているが初出場の英は白衣を剥奪されていないなど、裁量は仕合を担当するレフェリーに任されている模様。
^ 本来であれば1億円程度で買えるような資格ではないため、非公式ではあるがきちんと正式なレフェリーも派遣されている。
^ 創業間もない山下商事およびSH冷凍は、現状「ランク外」として扱われている。
^ 元々は3社だったが、うち1社は明治時代に倒産しているため現在は2社で構成される。
出典
- ^ abcde“アニメ「ケンガンアシュラ」十鬼蛇王馬役は鈴木達央!キャスト4名解禁”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2018年7月8日). https://natalie.mu/comic/news/290225 2018年7月8日閲覧。
^ キャラクター解説1(1巻)より。
^ 「求道の拳」第1部第37話より。
- ^ abcd“アアニメ「ケンガンアシュラ」ビジュアル解禁、追加キャストに金子隼人、稲田徹ら”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2018年10月11日). https://natalie.mu/comic/news/303204 2018年10月11日閲覧。
^ キャラクター解説11(3巻)より。
^ キャラクター解説37(13巻)より。
^ キャラクター解説36(13巻)より。
^ キャラクター解説6(2巻)より。
^ キャラクター解説7(3巻)より。
^ スピンオフ第4-1話より。
^ ただし眼球などの完治しない部位を破壊することはある。
^ 20巻キャラクター解説65より。
^ 20巻キャラクター解説64より。
^ コミックス12巻キャラクター解説より
^ キャラクター解説38(13巻)より。
^ キャラクター解説50(17巻)より。
^ 作者のツイートより
^ 作者のツイートより
^ 作者のツイートより
^ キャラクター解説20(7巻)より。
^ キャラクター解説32(11巻)より。
^ 作者のツイートより
^ キャラクター解説55(19巻)。
^ キャラクター解説25(8巻)より。
^ キャラクター解説26(9巻)より。
^ キャラクター解説51(18巻)より。
^ キャラクター解説27(9巻)より。
^ 『求道の拳』の登場人物。
^ キャラクター解説28(10巻)より。
^ 25巻「キャラクター解説97」より。
^ 14巻 キャラクター解説より
^ キャラクター解説43(16巻)より。
^ キャラクター解説44(16巻)より。
^ キャラクター解説58(19巻)。
^ キャラクター解説59(19巻)。
^ キャラクター解説61(19巻)。
^ キャラクター解説37(13巻)より。
^ キャラクター解説37(13巻)より。
^ 家継の死の4か月前。
^ 第8話時点。
^ 第57話時点。
^ 第136話時点。
^ 作者のツイートより。
^ キャラクター解説43(第16巻)より。
- ^ abcdef“ケンガンアシュラ:岸誠二がアニメの監督に 上江洲誠がシリーズ構成”. まんたんウェブ (MANTAN). (2018年3月22日). https://mantan-web.jp/article/20180321dog00m200018000c.html 2018年3月22日閲覧。
外部リンク
- ケンガンアシュラ
「ケンガンアシュラ」公式 (@kengankai) - Twitter
- アニメ「ケンガンアシュラ」
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