クリュティオス






松明を持ったヘカテーと戦う巨人クリュティオス。ペルガモンの大祭壇(英語版)。ベルリン、ペルガモン博物館。


クリュティオス(古希: Κλυτίος, Klytios)は、ギリシア神話の巨人、あるいは人物である。主に、




  • ギガースの1人

  • ペーノーの父


  • エウリュトスの子


  • アルクマイオーンの子


  • ラーオメドーンの子


などのほか数人が知られている。




目次






  • 1 ギガースの1人


  • 2 ペーノーの父


  • 3 エウリュトスの子


  • 4 アルクマイオーンの子


  • 5 ラーオメドーンの子


  • 6 その他のクリュティオス


  • 7 脚注


  • 8 参考文献





ギガースの1人


このクリュティオスは、ギガースの1人。ギガントマキアーのさいに神々と戦い、ヘカテーに松明で殴り殺された[1]



ペーノーの父


このクリュティオスは、アテーナイの人で、娘ペーノーの父。ペーノーはシキュオーン王ラーメドーンの妻で、ゼウクシッペーの母[2]。またクリュティオスの子孫イアニスコスはシキュオーンの王[3]



エウリュトスの子


このクリュティオスは、オイカリア王エウリュトスとピュローンの娘アンティオペーの子で[4]、兄弟のイーピトスとともにアルゴナウタイの1人[5][4]。コルキス王アイエーテースに殺されたという[4]



アルクマイオーンの子


このクリュティオスは、アルクマイオーンとペーゲウスの娘アルシノエー[6]あるいはアルペシボイアの子[7]。クリュティオスは予言者の一族クリュティダイの祖で、アルクマイオーンを殺したのが母の兄弟たちと知ったとき、彼らと同じ土地に住むことを嫌い、エーリスに移った[8]



ラーオメドーンの子


このクリュティオスは、トロイア王ラーオメドーンの子で、ティートーノス、ラムポス、ヒケターオーン、プリアモス、ヘーシオネー、キラ、アステュオケーと兄弟[9]。カレートール[10][11][12]、また一説にプロクレイアの父[12]


トロイア戦争のときクリュティオスはトロイアの長老の1人だった[13]。しかしラーオメドーンとその子供たちはプリアモスを除いてヘーラクレースに殺されたともいわれる[14]。子のカレートールはトロイア戦争で大アイアースに討たれた[15]



その他のクリュティオス



  • トロイア戦争に参加したギリシア人ドロプスの父[16]


  • ペーネロペーの求婚者の1人。ドゥーリキオンの出身。[17]

  • ペーネロペーの求婚者の1人。サメーの出身[18]

  • ペーネロペーの求婚者の1人。ザキュントスの出身[19]



脚注





  1. ^ アポロドーロス、1巻6・2。


  2. ^ パウサニアス、2巻6・5。


  3. ^ パウサニアス、2巻6・6。

  4. ^ abcヒュギーヌス、14話。


  5. ^ ロドスのアポローニオス、1巻86行-87行。


  6. ^ アポロドーロス、3巻7・5。


  7. ^ パウサニアス、8巻24・8。


  8. ^ パウサニアス、6巻17・6。


  9. ^ アポロドーロス、3巻12・3。


  10. ^ 『イーリアス』15巻419行。


  11. ^ 『イーリアス』15巻428行。

  12. ^ abパウサニアス、10巻14・2。


  13. ^ 『イーリアス』3巻147行。


  14. ^ アポロドーロス、2巻6・4。


  15. ^ 『イーリアス』15巻419行-441行。


  16. ^ 『イーリアス』11巻302行。


  17. ^ アポロドーロス、摘要(E)7・27。


  18. ^ アポロドーロス、摘要(E)7・28。


  19. ^ アポロドーロス、摘要(E)7・29。




参考文献








  • アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)

  • 『オデュッセイア/アルゴナウティカ』松平千秋・岡道男訳、講談社(1982年)


  • パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年)


  • ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年)


  • ホメロス『イリアス(上・下)』松平千秋訳、岩波文庫(1992年)

  • 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店(1960年)





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