艦上攻撃機
艦上攻撃機(かんじょうこうげきき)は、航空母艦(空母)に搭載して運用する攻撃機。略して「艦攻」(かんこう)ともいう。
目次
1 概要
2 代表例
2.1 プロペラ機
2.1.1 魚雷攻撃を行うもの
2.1.2 魚雷攻撃・急降下爆撃兼用機
2.2 ジェット機
3 脚注
概要
プロペラ機の時代には航空機をもって行う対艦船攻撃手段は雷撃と急降下爆撃が主であり、そのうち雷撃を主たる任務とする機種を、日本海軍では「攻撃機」と称した。そしてその中で空母に搭載する機体を「艦上攻撃機」と称した。ちなみに陸上基地で運用する攻撃機は「陸上攻撃機」、空母に搭載し急降下爆撃を主たる任務とする機種は「艦上爆撃機」と称した。
なお雷撃を専門に行う機体を総称して雷撃機ともいう。
第二次世界大戦・中後期より発動機の強化などを背景に、日本海軍で言う所の艦上攻撃機と艦上爆撃機の両者を統合する動きが現れた。こうした機体を、アメリカ海軍では攻撃機と称した。やがて訪れたジェット機の時代には誘導兵器の発達により、攻撃手段としての雷撃・急降下爆撃はともに廃れることになり、ミサイルや誘導爆弾に推移したが、引き続き攻撃機の名称が使われている。
空母に搭載できる機数は限定されるため、作戦の多様性を維持するためには、艦載機(艦上機)は出来るだけ1機種で多くの任務をこなせることが望ましい。上述の艦上攻撃機と艦上爆撃機の統一もその考えに沿うものだが、近年ではそれが艦上戦闘機と艦上攻撃機の統一にも及んでいる。今日空母攻撃部隊の殆どはアメリカ海軍の運用するもの(空母打撃群)だが、アメリカ海軍からは、A-6イントルーダーの退役後、専用の艦上攻撃機は消滅し、F/A-18ホーネット戦闘攻撃機ファミリーが艦上攻撃機の任務を引き継いでいる。
代表例
プロペラ機
魚雷攻撃を行うもの
大日本帝国
- 一三式艦上攻撃機
- 八九式艦上攻撃機
- 九二式艦上攻撃機
- 九六式艦上攻撃機
- 九七式艦上攻撃機
- 天山
アメリカ合衆国
- TBD デヴァステーター
- TBF/TBM アベンジャー
イギリス
- クックー
- ソードフィッシュ
- アルバコア
- バラクーダ
- スピアフィッシュ
ワイバーン[1]
フランス
- PL 7
魚雷攻撃・急降下爆撃兼用機
大日本帝国
- 流星
晴嵐 (水上攻撃機)
アメリカ合衆国
AD スカイレイダー[2]
- AM モーラー
ジェット機
ジェット時代になってからは、雷撃と急降下爆撃は廃れている。
アメリカ合衆国
A-3(A3D) スカイウォリアー[3]
- A-4(A4D) スカイホーク
- A-5(A3J) ヴィジランティ
- A-6(A2F) イントルーダー
- A-7 コルセア II
- AV-8 ハリアー II
イギリス
- シミター
- バッカニア
BAe ハリアー(空軍機) - シーハリアー(海軍機)[4]
- BAe ハリアー II
フランス
エタンダールIV M[5]
シュペルエタンダール[5]
ソビエト連邦
- Yak-38
脚注
^ 正確には戦闘雷撃機であり、戦闘機を兼ねる。
^ 1962年以降A-1と改称。
^ ()内は1962年までの呼称、以下同じ。
^ ただし純粋な攻撃機として用いられるのはBAe ハリアーであり、艦上機であるシーハリアーは、戦闘機を兼ねる。
- ^ ab正確には戦闘攻撃機である。
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