関東





関東(かんとう)とは、日本の中の、特定の地域・地方を指す言葉・概念である。




目次






  • 1 概要


    • 1.1 古代


    • 1.2 中世


    • 1.3 近世


    • 1.4 近代・現代




  • 2 「関東」を冠する企業・学校


  • 3 その他


  • 4 脚注


  • 5 参考文献


  • 6 関連項目





概要


現在では「関西」という言葉・概念と対比される。



古代


672年に壬申の乱という日本古代で最大の内乱戦争が起き、天武天皇は翌673年に都(飛鳥浄御原宮)一帯を守る為に、東山道に不破関、東海道に鈴鹿関、北陸道に愛発関、と3つの大きな関所(三関)を設置させた。 こうしてこれ以降、これらの三関よりも東側を「関の東側」という意味で「関東」と呼ぶ習慣が生まれたのである。「関東」という言葉・概念は「東国」と同じような意味、響きを持っていた。


律令制が構築された飛鳥時代後期または奈良時代に「関東」という概念が生まれたわけである。三関以東を指して関東と呼ぶ慣習は、奈良時代から平安時代にかけて長らく続き、平安中期に愛発関に代わって逢坂関が三関に加えられたが、「関東」の指し示す地域範囲に大きな異同はなかった。


この時代、天皇や天皇の居所を中心としてものごとは理解されていたので「関東」に対して、中心側と理解されている(現在の)近畿に対して「関西」という用語・概念をあてて理解するようなことは行われていなかった。


(なお、この不破関などの三関によって、人の往来は大きく遮断され、関の西側と東側でそれぞれ異なった文化・風習が生まれることになり、それは現在にいたるまで残っている。たとえば「食」に関して言うと、うどんの汁は現在、関西と関東で異なっており、関西はこんぶだしで色が透明に近いのに対し、関東ではかつおだしで醤油で黒っぽい。その味がどこで変化するのかと調べると、味の境目は不破関あたりであることが知られている。たとえば日清食品は地域ごとの「味」を尊重して自社製品の味付けを地域の味に合わせる作戦を採用しているが、同社の(「どん兵衛」の)商品開発担当者は関東の汁が関西の汁に変わる場所を正確に知ろうとして、東京駅から新幹線の各駅停車に乗り、駅をひとつひとつ降りては自分の舌と眼でつゆを確かめていったところ、味が変わるのは関ヶ原駅(=ほぼ不破関付近)であることを見出し、その場所の西側と東側で異なった味にして販売することに決めたという。関ヶ原の街道沿いのうどん店には、そこがうどん汁の味の「天下の分け目」ということを謳っている店もある。)このように、この関は単なる概念的なものではなく、人の往来や文化などに具体的に影響は残っているのである。)



中世


こうした状況に変化が生じたのは、平安末期に源頼朝が朝廷から自立した政権を樹立してからである。頼朝は自らの政権を「畿内近国・西国方」に相対する「関東方」と自称し、ほどなくして「関東」の語は頼朝政権=鎌倉幕府の公式な呼称として定着した。鎌倉幕府成立後の「関東」が示す地域範囲は、律令以来の三関以東ではなく、遠江国(一説には三河国)・信濃国・越後国以東となったが、これはすなわち、鎌倉幕府の支持基盤であり、かつ鎌倉幕府が朝廷から公認された直接統治範囲に他ならない[1]。「関東」は、鎌倉幕府そのもの及び鎌倉幕府が直接に統治権を及ぼす地域の2つを表す語へと変化していったのである。


14世紀中期に室町幕府が成立し、鎌倉に鎌倉公方(鎌倉府)が置かれると、鎌倉公方の管轄する諸国、すなわち奈良時代以来、坂東と呼ばれてきた相模国・武蔵国・安房国・上総国・下総国・常陸国・上野国・下野国の8か国に、伊豆国・甲斐国を加えた10か国が「関東」と認識されるようになった。14世紀末に陸奥国・出羽国が鎌倉公方の管轄下となった後は、奥羽も「関東」とされる場合もあった。


14世紀成立の『吾妻鏡』の記述には、「関西38カ国、関東28カ国」と言う記述があり、今で言う「東日本」全体を指す意味でも用いられている事が分かる。



近世


徳川家康による江戸幕府の創始によって、三度「関東」概念に変化が生じることとなった。幕府が置かれた江戸を防御する箱根関・小仏関・碓氷関より東の板東8か国が、「関東」と呼ばれるようになった。幕府の公式見解によれば奥羽も「関東」に含むとしていたが、「関八州」と呼ばれたように一般的には旧来の板東8か国のみが「関東」と認識されていた。



近代・現代


江戸時代の「関東」の概念はそのまま明治以降も継承され、現代の関東地方(茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)へと至っている。



「関東」を冠する企業・学校




  • 関東鉄道


    • 関鉄筑波商事(旧:筑波鉄道)

    • 関鉄観光バス

    • 関鉄グリーンバス

    • 関鉄パープルバス



  • 関東自動車 (栃木県)


  • 関東自動車 (埼玉県) 特定輸送事業が中心。


  • 関東バス 東京都のバス会社。


  • 関東電化工業 古河グループの化学メーカー。

  • 関東天然瓦斯開発


  • 関東化学 試薬メーカー。


  • 関東礦油 昭和シェル石油グループの販売会社。


  • 関東興産 トヨタホームグループの製造会社。


  • 関東電気保安協会 




  • 関東自動車工業

    • トヨタグループの車体組立メーカー。2012年7月1日付けでセントラル自動車・トヨタ自動車東北の両社と統合し、トヨタ自動車東日本となった。


  • 関東電気工事(現:関電工)東京電力グループの設備工事会社。

  • ラジオ関東(現:アール・エフ・ラジオ日本)神奈川県横浜市のAMラジオ局。


茨城県の(第一)地方銀行である筑波銀行は、関東銀行~関東つくば銀行(つくば銀行(第二地方銀行)を合併時)が、茨城銀行(第二地方銀行)と合併して発足した。




  • 学校法人関東学院
    • 関東学院大学



  • 関東学園大学
    • 関東短期大学


  • 関東国際高等学校

  • 関東工業自動車大学校



その他




  • 関東・栃木レモン 栃木乳業(旧:関東乳業)の製造・販売するレモン風味の乳飲料。


  • 関東煮(かんとだき) おでんの別名・主に近畿地方で用いられる。



脚注


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  1. ^ この「関東」が指す範囲は、律令法において防人を拠出する義務を負った東国諸国とも重なっている(異説でのみ含まれる三河国を除く)。



参考文献


  • 網野善彦、『「日本」とは何か』 日本の歴史00、講談社、2000、ISBN 4062689006


関連項目



  • 関西

  • 東国

  • 坂東

  • 関東軍


  • NHK放送センター(AK)








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